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カテゴリ:経済問題
今日(11日)は、経済面では特に多く、また、社会面でもいくつか重要と思われる記事が出ていました。今日はそのうち経済関係の記事を3つ、4月の工業生産指数、6月の金融政策委員金利決定及び経常収支の予測アンケート結果及びトルコ中央銀行(TCMB)による市場参加者アンケート(先月までは「経済予測アンケート」でしたが、今月から名称が変わりました)を紹介します。
また、昨日今日は、「記事のない話題」としては、セダット・ペケル犯罪組織首領の発言のうち、経済犯罪?に関する部分が特に関心を集めています。デミルオレン・グループが不動産投資をするためにズィラアト・バンク(農業銀行)から7億5,000万ドルの借入れを行ったにもかかわらず、返済せずに踏み倒しているという主張から、同様に判決の執行を大統領府が妨害しているといった主張まで、マフィア、企業、政治家の癒着がいろいろと取り上げられていました。トルコでは違法ではありませんが、政治家や公務員が公務のほか、政府系企業(電話会社、THY、国営銀行、TRTなど)の2ヶ所、3ヶ所も役員給与などをもらっているという話も再び出ていました(野党議員が次々と見つけ出して、発表しています)。 今日、アナトリア通信(AA)に出ていた記事の見出しは下のとおりです(今日はこの中から1~3の記事について紹介します)。 1 4月の工業生産指数は月間ベースで0.9%低下したが、年間ベースでは66%上昇した 2 AAフィナンスはPPK(金融政策委員会)予測アンケート結果及び経常収支予測アンケートの結果を発表した 3 中央銀行は6月の『市場参加者アンケート』(の結果)を発表した 4 エルヴァン国庫・財務大臣は、『インフレとの闘いは、トルコの福祉のために勝たねばならない戦争である』と発言 5 工業で、労働者一人当たりの生産が増加した 6 中古自動車販売は21%減少した 7 エルドーアン大統領は、『トルコはNATO加盟国の中でトップ5に入る強国である』と発言 8 エルドーアン大統領は、NATO首脳会議でリーダーたちと会談する 9 エルドーアン大統領は、『水管理問題で、持てる可能性を最も良い形で使うことを決意している』と発言 6月11日(最初の患者確認から458日目)付け「トルコの日々のコロナウイルス統計」から、新型コロナウイルス(KOVID-19)の感染状況を紹介します(なお、保健省から発表される統計には、明確な矛盾が明らかになっているため、必要最小限度の紹介にとどめています)。 今日の検査件数: 22万4,128件 今日の死者数: 69人 今日の完治者数: 6, 217人 今日までの累計完治者数: 519万2,945人 今日までの累計検査件数: 5,657万784件 今日までの累計感染者数: 531万9,359人 今日までの累計死者数: 4万8,593人 重症患者数: 997人 ここからは一言解説・雑感です。4日連続で新規感染者数が6千人を超えています。かなりの確率で、「現在の新型コロナウイルス対策によっては、これ以上の減少は不可能」ということになりそうです。したがって、現状ではこれ以上の減少は「ワクチン接種率の上昇」によってのみ可能ということになるのではないかと思います。今月中にどれだけワクチン接種率が上がるのか分りませんが、7月に慌てて「平常化」のアクセルを踏むと、更に感染者が増加する危険があるかもしれません。
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今日、最初に紹介するAAの記事の見出しは「4月の工業生産指数は月間ベースで0.9%低下したが、年間ベースでは66%上昇した」です。今日(11日)付の記事です。 トルコ統計庁(TUIK)は2021年4月の工業生産指数に関する結果を発表しました。 それによれば、今年4月の暦調整後の工業生産指数は昨年同月と比べて66%上昇しました。未調整の工業生産指数は65.2%の上昇となりました。一方、同月の暦及び季節調整後の工業生産を見た場合、前月と比べて、0.9%低下しました。 工業の詳細分野を見た場合には、4月には鉱業及び石材業指数は、前年同月比で25.5%、製造業は72.3%、電気・ガス・蒸気及び空調生産・配給分野指数は26.6%、それぞれ上昇しました。同月の暦及び季節調整後の工業詳細分野を見た場合、前月と比べて、鉱業・石材業分野指数は4.1%、製造業分野指数0.7%、電気・ガス・蒸気及び空調生産・配給分野指数は1.3%、それぞれ減少しました。(管理者注:鉱業・石材業分野指数は、2ヶ月連続で、対前月比で低下しています) AAフィナンスの工業生産指数予測アンケートに参加したエコノミストたちは、暦調整後の工業生産指数は2021年4月に63.5%上昇すると予測していました。同月の未調整の工業生産指数も年率で61.8%上昇すると予測していました。
今日、2つ目に紹介するAAの記事の見出しは「AAフィナンスはPPK(金融政策委員会)予測アンケート結果及び経常収支予測アンケートの結果を発表した」です。これも今日付の記事です。 6月17日(木)に開催されるトルコ中央銀行(TCMB)金融政策委員会(PPK)会合における金利決定に関するAAフィナンスが実施した予測アンケートに参加したエコノミストたち全員が、政策金利は19%で維持されるものと予測しています。 AAフィナンスのPPK予測アンケートは、18人のエコノミストたちの参加によって実施されました。参加者全員が、政策金利(1週間物レポ入札金利)が19%で維持されるものと予測しました。
AAフィナンスの経常収支予測アンケートに参加したエコノミストたちは、2021年4月の経常収支が24億3,000万ドルの赤字となると予測しています。 トルコ中央銀行(TCMB)が6月14日(月)に発表する2021年4月の経常収支に関するAAフィナンスの予測アンケートは、14人のエコノミストの参加によって実施されました。 それによれば、エコノミストたちによる2021年4月の経常収支予測の平均は24億3,000万ドルの赤字と予測されています。同月のエコノミストたちの経常収支の予測は、最小が19億5,000万ドルで、最大が38億ドルの赤字となっています。 エコノミストたちの2021年末の経常収支予測の平均は270億ドルの赤字となりました。エコノミストたちによる今年末の経常赤字に関する予測では、最小が230億ドルで、最大が352億ドルでした。 なお、2021年3月の経常収支は33億2,900万ドルの赤字で、過去12ヶ月間の累計経常収支は361億9,200万ドルの赤字でした。
今日、3つ目に紹介するAAの記事の見出しは「中央銀行は6月の『市場参加者アンケート』(の結果)を発表した」です。これも今日付の記事です。 トルコ中央銀行(TCMB)の市場参加者アンケートによれば、今年末のTUFE(消費者物価指数)予測は14.46%となりました(管理者注:先月は13.81%でした)。 TCMBは、実業界、金融界代表者及び専門家からなる57人の参加を得て実施した「2021年6月市場参加者アンケート」の結果を発表しました。 それによれば、6月のTUFEの予測は、前回の0.82%から、今回のアンケートでは1.21%に上昇しました。今年末のTUFEの予測は、前回の13.81%から、今月は14.46%となりました。また、11.81%となっていた12ヶ月後のTUFEの予測は今回のアンケートでは12.12%に、また、24ヶ月後のTUFEの予測は9.99%から10.16%に、それぞれ上昇しました。 参加者による今年末の外貨相場(ドル/TL相場)の予測は、前回のアンケートでは1ドル=8.71TLでしたが、今回のアンケートでは1ドル=8.95TLに上昇(リラ安)しました。12ヶ月後の外貨相場の予測も1ドル=9.23TL(管理者注:前回は8. 95 TL)となりました。 前回のアンケートでは254億ドルとなっていた今年末の経常赤字の予測は、今回のアンケートでは257億ドルに上昇しました。また、2022年の経常赤字予測は224億ドル(管理者注:前回は240億ドル)となりました。 2021年のGDP成長率予測は、前回のアンケートでは4.3%でしたが、今回のアンケートでは4.9%に上昇しました。なお、2022年の成長率予測は4.1%から4.0%に低下しました。 今月のTCMB加重平均資本供給コストの予測は19.00%で変化がありませんでした。 TCMBの1週間物レポ入札金利(管理者注:政策金利)の予測も、今月末は19.00%でした。
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Last updated
2021.06.12 21:11:28
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