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2011.07.05
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カテゴリ:経済学
一夢庵 怪しい話 第4シリーズ 第149話 「震災と農業」

 東北関東大震災と福島原子力発電所の崩壊は、日本の食料生産に大きな影響を与えることになったのですが、今ひとつ、政府の対応に難があるのは御存知の通り。

 怪しい話では、震災が発生した時期から考えて、水稲の作付けを他の地域で肩代わりする場合、種籾や苗代などの追加準備が必要ですから、震災直後から他の産地での増産体制の指示が不可欠になることを指摘したのも御存知の通り ・・・ 実際の政府の対応は後手に回ったようですが。

 東北地方で津波被害で壊滅的な打撃を受け、数年は水稲栽培が不可能になった面積を考えるとき、温暖化の影響を考えると北海道や九州を中心に米の作付けを増加させないと国内需要に対応しきれなくなるのではないかとも考えています。

 震災関連の報道や政府の対応で気になっているのは、被災地の農地を再整備するために巨額の費用を投入しようとしていることで、耕作している農家の年齢を考えても塩害対策程度で収まる話ならばともかく、津波対策まで絡む被害が甚大な地域は農用地の放棄を選択すべきだと考えます。

 御存知のように、全国的に農業後継者の数は減少を続けている上に、今後、少子高齢化が進むとさまざまな産業界が若年層の労働力を奪い合う形になるだけに、職業としての農業を選択する人がどの程度いるのか?の見通しを抜きにして農地だけ多額の税金を投入して再整備してどうするのか?ということが一番大きな理由になります。

 あっさり書けば、日本の農地というのは私有財産ですから、震災被害、地盤沈降、塩害などなどの対応は基本的に個人が負担することになるだけに、耕作者の年齢を考えると”そんなに高額の投資をしていいのか?”という気がしますし、農地の損壊が激しいほど農業の再開までに時間がかかるのは必至なだけに、感情論で話をされたらたまったものではない部分があります。

 例えば、農地が地盤沈降したり津波被害で更地状態になり、用水路や排水路、農道なども被害を受けた地域の場合、1ヘクタール(100メートル×100メートル)の農地を元の状態に戻すだけで500万円程度、期間で5年かかるとして、被害発生時の耕作者の年齢が65歳とすれば、耕作が再開できるのが70歳となり、そこから500万円の借金の返済が始まることになるわけです。

 で、さらに10年程経過して80歳になったときに、どれくらいの人が農作業を継続できているのか?と考えた場合、後継者が居ない農家の農地を税金を投入してまで復興する必要があるのか?は、税金を払う側からすれば検討してあたりまえの項目でもあるわけで、ましてや、放射性物質の汚染問題が絡めば、農地を再整備しても生産した農作物を購入する人がいるのか?という素朴な疑問もあります。

 主に生産者の側から風評被害という言葉が乱用されている感がありますが、消費者の側からすれば”なんでもっと細かな検査をして不信感を払拭しないのか?”が謎で、検査方法も意図的に低く値が出るように小細工をしているのではないのか?という疑念が出るような姑息な対応を続けていることもマイナスでしょう。

 未だ原発から放射性物質が吹きだし続け、ある意味で地獄の釜の蓋がずれて開いている状態で、福島原発の敷地周辺や沿岸部の泥土からストロンチュウムなどが検出され、遠く離れた神奈川や静岡の茶葉から基準値を超えるセシュウムが検出されていながら、なぜ次々に農産物の出荷停止が解除されているのか?本当にちゃんと検査した上での話なのか?政治的な判断で生産者のために消費者を犠牲にしているのではないのか?という疑念が出ても不思議ではない状況なわけです。

 そんなに簡単に土壌から放射性物質が消え去るのならば、チェルノブイリの周辺はとっくの昔に安全になっているのではないか?小学校のグラウンドの汚染された表土を撤去するしないだけでもあれだけもたついているのに、農耕地の表土はなぜ入れ替えていないのに農産物は大丈夫になるのか?神経質なだけかもしれませんが、放射性物質の特性や放射線の特性を考えるとき、これまでの政府の対応を見ていれば、”自分で防衛するしかない”のは自明の理では無かろうか?

 もっとも、原発をただちに全廃してクリーンエネルギーに移行をどうちゃらこうちゃらというのも寝言の類で、原発産業は廃止するとしても軟着陸させないと、原発は廃止しました、生活水準は北朝鮮以下になり亜細亜の最貧国に転落しましたという洒落にならない近未来になるリスクもあるだけに、”情報には必ず意図的なベクトルがかかっている”ことを知っていないと、踊らされて馬鹿をみることになりがちなことは指摘するまでもないでしょう。

 興味深いのは、企業などは自前の自家発電量を増やす方向で対応するところが増加中で、個人でもガスを利用した個人発電の側面を持つエコキュートを導入する人が増加中といった具合に、政府を当てにせずに(私に言わせれば)現実的な対応を始めている組織や個人が増加中で、既に発電量が天候に左右されて不安定な上に、設備投資に膨大な費用が必要な点でも現実味が無い太陽光発電を切り札のように言い出すどこぞの首相の、延命のためならなんでもありの政治手法は、熱中症の死者を増加させるだけではなかろうか?

 話を戻すと、例えば震災被害や放射性物質の被害を受けた田をどうすればいいのか?といえば、政府が買い上げるのが一番問題が無く、その費用は、田ならばその水田で生産されていた米と同量の外米を輸入して国内販売し、その販売益から捻出すれば辻褄は合いますから、下手に延々と所得保障をするよりは現実的な対応ではないかと。

 もちろん、農地は私有財産ですから選択制にしても良く、自力で再建する人はそれで良しとし、農地の買い上げを求める人の農地は買い上げ、その分を”追加年金”という形で分割して代金を支払うことにすれば、一時に巨額の金を手にした人を対象とした詐欺などの被害からも守る事ができるのではないかと私は思いますし、そもそも、販売額ではなく、税務署に申告していた所得で補償するのが筋で、そのデータは各地の税務署が管理しているわけですから、省庁間で連携すべき課題の一つだと言えます。

 で、政府が取得した”多額の費用(というか税金)を投入しないと農耕に不適となった耕地”に関しては、買い上げた後、大規模特別養護老人ホームなどの建設用地とし、バリアフリーで介護が容易な集合住宅を建設し、全国の希望する高齢者の終の棲家として安価に提供すれば、地元の産業振興にも繋がっていいのではないか?と考えています。

 今後、全国的に身寄りのない高齢者が増え、しかも国民年金が破綻しかねない現状では、国民年金を満期で納付した人のみを対象とした公的な老人ホームくらいは提供しないと、”生活保護よりも安価な国民年金でどうやって生活しろと?”という声に答えることができないのではないのか?震災復興で新規産業とか未来型都市といった寝言を言うのではなく、現在進行形で増加している身寄りのない高齢者の増加と年金の破綻処理を考えるとき、この提言は現実的な話ではないかと。

 また、実際に70歳以上の人と話をしていて、放射線がどうこうと言っても70を過ぎていれば、放射線が原因で死ぬのか、持病で死ぬのか、バリアフリーとは縁遠い自宅の中で転んで死ぬのか、さほど違わない気がするから、下手に農業を再開して放射能汚染が心配されて売れない農産物を栽培するより、安価に(国民年金だけで入居できる低額の)介護施設を大規模に建築した方が、周辺に若い子の仕事場も増えて良いのではないか?という声はかなり普遍的なものだったりします。

 その意味で、東北新幹線が開通して最終的に北海道まで延伸することも一つのメリットで、農業県から福祉県へとシフトするという発想の転換をした方が、下手に膨大な資金を投入して農地を復興させても売り物にならない農産物を生産することになりかねない上に、今後、海外との貿易交渉を考えるとき、安価な海外からの農産物輸入は不可避の情勢だけに、金を出して食用に難のある農産物を栽培し、そういった農産物栽培を行う農作業に従事している農家にまで所得保障を行う必要があるのか?

 他の産業で働いている人達が激烈な国際競争に晒され、それでいて政府が高額な輸入関税で保護するといったことも皆無に近い業界も多いだけに、”なんでそこまで農業を優遇する必要があるのか?”という声には農家も答えを用意しておく必要がありますし、一次産業を保護するための費用負担の増大などで他の産業が見切りを付けて海外へ移転してしまえば、国際的に見て採算の極めて低い農業がどうなっていくか? ・・・ 原発事故が起こる前から問題になっていた事もまた何一つ解決はされていないわけです。

 この手の、高齢者を特定の地域に集中させて労働集約性を向上させ、ロボット技術なども利用できる日本型バリアフリー大規模介護施設を建設し、介護関連などを軸にした新規産業としていくといった話をしていると、必ずといっていいくらい、”(貧乏な)高齢者を押しつけるのか!”といった声が対象となる地域から上がるのですが、その意味でも、一から地域社会を再建していくしか無い被災地が更地に近い現状ではゼロベースから考えやすいのではなかろうか?

 以前から、(仮称)アトムプロジェクトとでもいった福祉介護用のロボット技術をなぜ国家プロジェクトで研究し、推進しないのか?21世紀は自動車よりも介護ロボットの方が金になるのではないのか?という話は怪しい話で何度となくしてきたところではありますし、原発事故が発生して、”日本のロボット技術って世界有数じゃなかったのか?こんなていたらくだったのか?”と愕然とした人もおいでだったと思いますが、確実に言えることは、3・11以前の社会で常識とされていた発想の延長上に日本が再浮上する芽は無いということです。

 原発事故で被爆しながら復旧処理を行っている作業員を見ながら、”なんで核戦争下で稼動する事が前提のモビルスーツやパワードスーツの類が、日本に無いんだ!”とか”コスモクリーナーをなんで開発していないのか!”と思った人は意外と多いのではなかろうか?

 現在の日本が置かれている様々な状況をどれくらいの若い日本人が”悔しい!”と思うかどうか?逆に言えば、現状を悔しい!と思わない(そう思うことが既に馬鹿らしいという)若い衆の方が多いのなら、このまま日本が滅んでいくのもアリだろうなと私はここのところ考えるようになってきています。

初出:一夢庵 怪しい話 第4シリーズ 第149話:(2011/06/29)





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Last updated  2011.07.05 02:31:40
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