カテゴリ:ニュース
![]() 今度の災害で興味深かったのは、大マスコミと週刊誌の対立である。 大マスコミとは、四大新聞(読朝毎産)と民放テレビ(新聞系列)各局であり、いって みれば、政府・東電・役人側の<大本営発表>を垂れ流すメディアである。 昔と違うのは、テレビを観る側が、はじめから、(これは嘘だ)と嗅ぎつけていて、サ ッカーは熱心に観るが、ニュースは信用しないことである。 大事故のさなかに、ぼくはお彼岸でお寺に行ったりする用事が多かったのだが、タクシ ーに乗るごとに、運転手が菅直人の悪口を言う。こういうことも珍しい。 ぼくも落ち着かないから、中新聞二紙とラジオから、情報を得ていたが、ラジオは実に 役に立つ。東北の被災者はテレビが観られず、ラジオで情報を得ていた、と語っている が、ぼくもラジオのみといっていい。 とはいえ、ラジオが絶対にフェアであるともいえない。上杉隆氏が某局のレギュラーを 突然、外されたのなど、一つの例であろう。 記者クラブ批判、<亡国の官邸>批判など、弱腰のラジオ局幹部が上杉氏を外す理由は まあ、あることはある。これは今朝、他局のラジオに出ている上杉氏の声で聞いたのだ から、間違いない。 ラジオで情報を得るこつを、ここに書くわけにはいかない。しかし、よく聞いていると ずっとA局を聞いていたが、B局に代えた、などとリスナーはよく見分けている。危機の 時代だから、これはヤバいという勘は鋭くなっているのだ。 ……A局の誰の番組、B局の誰の番組、という風に、メインのキャスターや、その曜日の ゲストによって、チャンネルを合わせればいいのだ。確実に信用できる局など、NHKもふく めて、存在しない。信用できそうな人物を探して、じっくり、続けて聞くほかない。 なるほど、東京大空襲(1945年3月10日)を、国民学校6年生のときに経験したひと の用意周到、危機管理に目ざとい処方箋である。 「事故発生後、米国はホットラインで非常用冷却材などの提供を申し出たが、官邸は、 東電の意向に従って保留にした。米国の申し出は原子炉の廃炉を前提にしているので、 <自分たちで対処できる>と言い張る東電の自尊心に触れたのであろう」というコメン トも機微にふれてさすがだ。 私も及ばずながら、仕事前にキヨスクで買った東京新聞と、産経新聞をきっちり読み、 比較・検討する習慣をもつ。特に産経の露骨な「皇室信仰」や「親米主義」のけなげさ を愛する。その出自からくる性向なのだろうが、いかにも日本人的だ。 東京新聞の中日新聞的反政府志向もまた愛すべきだ。これも日本人的「辺境」イズムに かなっている。 TBSラジオの朝の「毅郎スタンバイ」もよく聞いている。金曜日の小沢遼子氏とのかけ合 いトークも楽しい。メディアの小沢一郎批判全盛時の奮戦ぶりには、わくわくさせられ た。「民放ラジオ」の批判性をよく保っていると思う。 だが、このたびの福島原発の放射性物質の流出は、日刊ゲンダイ風にいえば、「偏西風 に乗って拡散し、北半球を覆い尽くす」だろう。 ヒロシマ・ナガサキで地上初の原爆被災した日本人が、あたかもフクシマで北半球の諸 国にそのお返しをはかるという逆説的災厄である。 ネットで既に喧伝されている「人工地震説」を信じれば、米国の意図は大きな逆襲を受 けることになるのだが、さて本当のところはどうなのだろうか。 しかし、今進行している事態は、白昼夢ではない。かつての「大本営発表」で右往左往 させられた日本人の姿を再現している。まあ、こんなに情報管理されて、批判性を失っ て上も下も、自暴自棄になっていったのであろうな、と。今の東電や官邸……。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[ニュース] カテゴリの最新記事
|
|