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カテゴリ:神社
常神社(つねじんじゃ)
■御祭神 神功皇后
景勝地として名高い福井県の三方五湖。 そこから海に突き出る形で常神半島があります。 その先端部にある常神という地区に鎮座する小さな神社。 元は常神半島の北にある御神島(おんがみじま)にあったものを 現在地に遷座したものだそうです。 「常神」そして「御神」と意味深な地名ですが、 そこに至る途中にも「神子(みこ)」という集落もあります。 それらの地名から、スピリチュアル系の人や一部の神社好きには人気があります。
![]() 御神島
神社好きでも、神話や有史前の歴史に興味のない方は 「わざわざ行くほどの場所ではない」と言う人もいます。 実際、三方五湖あたりから常神社までは およそ20kmの狭いワインディングロードを走らねばなりません。 それでも前回の参拝時(2007年)に比べるとずいぶん楽なドライブでした。 難所と思われる場所を避けるトンネルがいくつか建設されていたからです。
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若狭という地域は、古代においては朝鮮半島との交流があったと伝えられています。 「ワカサ」という地名も、朝鮮語で「行き来」を表すものだそうです。 同じく神功皇后を祀る神社が敦賀半島にもあります。 越前国一ノ宮・氣比神宮の奥宮とも称される常宮神社(じょうぐう)です。 しかも古くはその常宮神社の神官が常神神社の祭祀を行っていたとも伝えられています。 常宮神社の社名については、神功皇后のご神託にちなんだもと言われていますが 常神社と共通の「常」に、なにか特別な意味があるような気がします。 これも朝鮮語に関係するものかも知れません。
神功皇后と言えば、別名・息長帯姫命(おきながたらしひめのみこと)。 近江国東北部を本拠地とする息長氏の出自です。 息長は潜水を意味していて、古くは海洋族だったとも言われます。 若狭という土地は、九州や朝鮮半島から日本海をまたにかけた海洋族が 大和朝廷が出来る遥か前にたどり着いていた場所なのかも知れません。 三方五湖の近くに宇波西神社(うわせ)があります。 御祭神は鸕鶿草葺不合尊(ウガヤフキアエズノミコト)で、 宮崎の鵜戸神宮からの勧請と伝えられています。 またその地域の伝承では、御祭神が日向から出雲を経てやって来たとも言われます。 三方五湖のひとつに日向湖があり、宇波西神社は元はそこにあったとのこと。 神社の伝承によると、と日向湖辺りの方言は九州日向の漁村のそれと同じだと言います。
常神社は神社庁の資料では「つねじんじゃ」となっていますが、 地元では「つねかみしゃ」とも呼ばれているようです。 手つかずの神秘的な社叢に囲まれた神域なのですが、 排他的で長居出来ない雰囲気がありました。
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