◎◎『この人たちについての14万字ちょっと』 / ひなまつり
◎◎『この人たちについての14万字ちょっと』 ・重松 清 ・扶桑社 ~厚さ28ミリ、331頁なるも、恐れずに足りぬ、従来の「対談集」的編集を脱した対談集で、「サク サク」読める! (シツコイほどだが、装幀は鈴木成一デザイン室!装幀はクラフト・エヴィング商會じゃなかった!) 何が「従来」と違うのか、双方の話し言葉を単に羅列することなく、著者が対談にあたっての イメージ・視点・発想・作法等に、対話だけでなく、「文章」を以って鋭く迫るからだ。 「ひとに会う企画である。人選は僕に任せてもらった。 基準は、ただ一つ。 インタビユーの最初 の質問で声が震えてしまいそうな人に限る。(中略) そんな方々にじっくりお話をうかがえる感 激と緊張で、生来の小心者の第一声はいつも震え。かすれ、うわずって、ときには裏返ってし まうこともあった(誰の回かはナイショ)。その声の揺らぎが、行間からたちのぼってくれるといいな と,願っている。」(「まえがき」) そんな方たち~・伊集院静 ・池澤夏樹 ・浦沢直樹 ・鈴木成一!! ・是枝裕和 ・いとうせいこ う ・山田太一 ・赤川次郎 ・酒井順子 ・・・ココでも結構オナジミの方たち!! 誰に震えたかって? 分るかも!! 伊集院篇~「朝鮮半島にルーツを持つ立原正秋は、その出自に対する複雑な思い を生涯にわたって消し去れないまま、世阿弥に代表される日本の美を描きつづけた。一方、伊 集院さんのルーツも朝鮮半島である。(中略・伊集院氏の) 『母国』という言葉に、ほんの少し、ふ だんとは違う、いわば筆圧の高さを感じる読み手はいるかもしれない。僕自身がそうだつた。」 池澤「(略)やっぱり、みんなそれぞれに意識するかしないかは別として、自分のなかに『被災地 』 を持ってしまったんでいよ。」(池澤氏運転で、ふたりで陸前高田を巡って・・!) 重松「池澤さんは 原発に対する危機感を1990年代初頭の時点ではっきりと、静かな怒りをこめて表明している。」 等々引用していたらキリもなく、楽しみも奪う事に・・! ・浦沢-創造主 ・鈴木-経験 ・是枝-「運 動」 ・いとう-想像 ・山田-「深くあきらめたひとのなおあきらめない思い」 ・赤川-「"個人にな にか強制する力"に対する強い反発」(イメージを覆させた対談!) ・酒井-客観・・・を、感じた次第! ★ ★ ★さてやさてひいなの節句始めるぞ皆うち揃い奏でて祝え (萌野さん~ http://plaza.rakuten.co.jp/kazahana33/diary/201603020000/ ) ひとりでも雛をあけてや語りあふ