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ジルコニアの気まま日記

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ジルコニア5519

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天衣無縫傍若無人なトークで、リスナーをはじめ、スタッフと相方すらも圧倒する噛み様『風音様』と風音様をはじめ、ゲストやスタッフが投げかける、どんな球も打ち返すそのトーク力で番組を牽引する『荻さん』がメインパーソナリティーのインターネットラジオステーション『音泉』でNO.1の人気を誇る番組っす↓


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2010年06月27日
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 エジーリョ村の入口の前まで戻ってきて、その前で立ち止まる私達。
 「クレッシル、今から村長さんの所に行くけどちゃんと肌隠しておいてね。そうしないと騒ぎになって話どころじゃなくなっちゃうから」
 「あぁ、わかったぜ」
 私の言葉を聞くとクレッシルはマントで体全体を覆い、腕に巻いてたターバンのようなもので顔をグルグルと巻いて隠す。
 クレッシルの肌が全て隠れた事を確認した私達は早速村に入り、村長さんの家へと向かった。
 「ただいま戻りました」
 村長さんの家の戸を開けて、そう口にすると奥でくつろいでた村長さんが出迎えてくれる。
 「おぉ、早かったの旅のお方よ、してどうじゃった?見事退治してくれたかの?」
 私達が無事に帰ってきた事に喜びながらそう声をかけてくる村長さん。
 「実は、少しお願いしたい事がありまして・・・・」
 家の中に招き入れられて、村長さんの対面に座った私達。
 そして、私はさっきクレッシルから聞いた話を村長さんに話をしてこの村に住まわせて欲しいとお願いをしたんだけど
 「ふむ・・嘆きの洞窟にいたのは魔物ではなく、ザガンとやらに改造されたキメラだったと、そしてそのキメラは村を襲うつもりがないからここに住まわせてやってほしいと?」
 「はい、お願い出来ないでしょうか?」
 腕を組んで、う~むと考え込む村長さん、少しの間その場に沈黙が訪れたけど、じきに村長さんが口を開く。
 「にわかには信じ難い話じゃが、しかしそのキメラがこの村に住んだとして、以後全く問題を起こさないという確証もない、それに帰ってこん村の若いもんはどうした?そのキメラが殺したんじゃないのか?」
 「違う!私は人を殺してなんてない!確かに洞窟に村の人は来たが少し脅したら皆すぐに逃げ帰ったんだ!」
 急にやってもない事をやったと言われて頭に血がのぼったのか、立ち上がってドン!と机を叩きそう反論するクレッシル。
 「村に戻ってこねぇのは・・村に戻る途中でザガンに連れ去られたんだと思うぜ」
 クレッシルが言葉を続ける間、村長は目を見開いて机に置かれたクレッシルの手を見つめ、そしてどんどんと顔色を変えていく。
 私とミハイルがその様子を不思議に思って、机に目を向けるとそこには鱗に覆われた手が見えていた。
 「そ・・その手は・・・・お前は嘆きの洞窟にいるという魔物!?どうしてお前が一緒に、そうかお前達はその魔物とグルだったんじゃな!」
 『えっ!?』
 村長さんの突然の言葉に私とミハイルは言葉を失い、短くそう言うのがやっとだった。
 村長さんは私達をまるで親の仇でも見るかのような鋭い目つきで睨む。
 「どうも最初からおかしいと思ってたんじゃ、自分たちの方から何かあったんですか?と話を振ってきて、どうせ始めからこやつをこの村に住まわせて、頃合いを見て襲わせようと思ってたんじゃろ!わしは誤魔化されんぞ、今すぐ村を出ていくがよい!」
 凄い剣幕でそう言いながら私達を家の外へと追い出すと、戸の鍵を締める村長さん。
 「あの、待って下さい!まだ話は」
 私はそう言いながら鍵をかけられた戸を叩いたんだけど全く反応がない。
 そしてこの騒ぎを聞きつけた村人たちが私達の周りに集まってきた。
 クレッシルを見た村人たちは「魔物が来たぞ!?殺される!!」と言いながら、各々家の中へと逃げていき、家の窓から様子をうかがうように私達をじーっと見てくる。
 誰もいなくなった道で私は肩を落としてその場にペタリと座り込む。
 「うぅ・・どうして?ただ姿形が違うだけだっていうのに・・心は普通の人と変わらない、ううん、それ以上に澄んで綺麗だっていうのに。どうして皆はクレッシルの事をそんな風に言って逃げるの・・・・」
 綺麗な心を持った彼女なのに、ただ姿が少し違うだけでここまで言われてしまうなんて・・クレッシルを普通の人間として、元のように人の住む里で生活をさせてあげたかった、ただそれだけなのに・・それが出来ないなんて、絶対におかしいよ・・・・
 「うっ・・うっ・・ぐすっ」
 私はまるで自分が皆から拒絶されてしまった、そんな風に感じて目から涙が零れ落ち、嗚咽が止まらない。
 そんな私を見て、ミハイルとクレッシルは悲しげな目を向けてきたけど、その瞳にはこうなる事は最初からわかっていた、とでも言いたげなモノも混ざってるようにみえる。
 それからどれくらいの時間が経過したんだろう?涙も枯れ、いつしか気持ちも落ち着きを取り戻し始めた私は立ち上がって二人の方に顔を向ける。
 「ごめんね二人共、こんな事になっちゃって」
 「セラが謝る事はないですよ、むしろ悪いのはこの事を受け入れない世間の方です」
 「あぁそうだぜ、私なんかの為にここまでしてくれて、その気持ちだけでも私は十分嬉しいぜ」
 そう言うとクレッシルは私を胸に抱き寄せて優しく頭をなでてくれる。
 「さて、いつまでもここで家の中に入った村人たちから見られるのも気分悪いですし、とりあえず村をでましょう」
 「うん・・そうだね」
 私達は村から外に出ると、とりあえずアンゲロ城の方に向けて歩き始めた。
 「ごめんねクレッシル、これからどうしよっか」
 「もういいよその事は、そうだな・・どうせこの体じゃどこ行っても厄介者扱いだ、だったら私の為にここまでしてくれたセラの力になりてぇ、二人が迷惑じゃなかったら一緒に着いていきたいぜ」
 「ありがと、こっちこそ色々と迷惑かけちゃうかもしれないけど宜しくねクレッシル。ミハイルもいいよね?」
 「この状況でダメなんて言えないですよ」
 「二人ともありがとな♪あ、そうだ!そういえばミハイルにはまだちゃんと自己紹介してなかったな、私はクレッシル=ミシャエルってんだ、今後ともよろしくな」
 「ミシャエル・・確か武道に長けた名門でしたね」
 「ん、あぁ。おかげで小さい頃から親父によくしごかれたもんだ、それに何でも私のご先祖様は魔王を倒したっていう七大英雄の1人らしいんだ、まぁ私には関係ねぇけどよ」
 クレッシルからの言葉に再び驚く私達、ま・・まさかクレッシルも七大英雄の血を引いてただなんて・・・・
 「何て運命の巡り合わせなんでしょうか、まさかここに七大英雄と言われた者の末裔が3人も集まるなんて・・これは何か大きな事に巻き込まれないといいですけど」
 「2度ある事は3度あるっていうし、もう1人くらい増えそうな気がするぜ」
 私達が驚いた事を気にもしない様子で、からからと笑いながらそう口にするクレッシル。
 「次増えるなら魔道士がいいなぁ♪今いる3人って前衛ばっかりだし」
 「そうですね、バランス的に考えるなら次はそっちの方がいいですね」
 「何言ってんだ、どうせならもう1人剣士で力押しPTの方が良いに決まってんだろ!」
 クレッシルも増えてこれからの旅、今まで以上に楽しくなりそうだよ。そう思うと何故か胸のわくわくが止まらないよ。

 第4話 再開!合成獣(キメラ)のクレッシル その2.終わり
 第5話 三大柱の陰 その1. へ続く





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最終更新日  2010年06月27日 00時02分46秒
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