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ジルコニアの気まま日記

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ジルコニア5519

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天衣無縫傍若無人なトークで、リスナーをはじめ、スタッフと相方すらも圧倒する噛み様『風音様』と風音様をはじめ、ゲストやスタッフが投げかける、どんな球も打ち返すそのトーク力で番組を牽引する『荻さん』がメインパーソナリティーのインターネットラジオステーション『音泉』でNO.1の人気を誇る番組っす↓


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2010年11月07日
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 オファニム城下町を出てから数日、私達はラファールさんの家を目指して南下し、そして今一軒の家の前に着いていた。
 「ここがウリエルさんの言ってたラファールさんの家なのかな?」
 「どうでしょう。ですが、辺りには他に家も見当たりませんし、とりあえず聞いてみてはどうでしょうか」
 玄関の戸を軽くトントン、と叩くとじきに家の中から中年の男性が出てくる。
 「こんな所に客人とは珍しいな、まぁ、長旅で疲れただろう、とりあえず中に入りなさい」
 男性に勧められ私達は中に入りリビングへと通された。
 「その風貌からすると旅のモノと見えるが、ここへはいかなる用できたのかな?」
 「あの・・一つ聞きたいんだけど、貴方がラファールさんなの?」
 「いかにも、私がラファールだが」
 「私達は今、魔王サタナエルを倒すために旅してるんだけど、その為にはレテ大陸って所にある、マルミアドワーズとグリモアが必要なの。それで、オファニム城下町でウリエルさんからラファールさんがレテ大陸に渡るのに必要な船を持ってるって聞いたから、それでちょっと船を貸して欲しいなぁって」
 状況説明をしてからラファールさんにウリエルさんから貰った手紙を手渡すと、ラファールさんは私から受け取った手紙を手にとり読み始める。
 受け取った手紙に目を通し終わったラファールさんは顔を上げて真剣な眼差しで私達の方を見つめてきた。
 「なるほど、話はわかった。そうか、貴女方が魔王サタナエルの三大柱、ザガンとベリアルを倒した者達だったか。その活躍は私の耳にも入ってるぞ」
 「う~ん、まぁ、倒したっていうのは間違いない・・かな」
 「船はこっちにある、ついて来なさい」
 ラファールさんが立ち上がって部屋を出ようとしたから、私達もその後について行く。
 そして、私達はラファールさんに連れられて家の地下にあるドックへとやってきていた。
 そこには大小合わせて5艘の船があり、その中で一番小さい6人乗りくらいの小型船をラファールさんが指差した。
 「貴女方にはそこの船を差し上げましょう。小さいがパワーも耐久性も申し分ない、航海をするだけなら十分だろう」
 「すげぇ!ラファールさん太っ腹だぜ!!」
 「でも、いいんでしょうか?こんな素敵な船を見ず知らずの私達がいただいても」
 「もちろん、タダでというわけにはいかん。この船を差し上げる代わりに貴女方には一つお願いしたい事がある」
 「お願い・・ですの?」
 「うむ、実はここより東にグリーディの洞窟という場所があるのだが、そこからクリスタルを持ち帰って欲しいのだ」
 「グリーディの洞窟というと・・確か、かつてオーディンが使用していたというグングニルも安置されてるって洞窟でしたね・・」
 「うむ、そのグリーディの洞窟の奥にクリスタルが眠ってると言われている、やってもらえるか?」
 「へへっ、何だ。ただ洞窟に行って宝を持ち帰ればいいってだけなんだろ?楽勝じゃねぇか」
 「グリーディの洞窟には強い魔物が棲んでおり、更に奥へ進むには謎を解き道を開かねばならん、一筋縄ではいかないぞ」
 「どんな困難が待ち受けててもさ、船が手に入らない限り先に進む事も出来ないしねぇ。その依頼受けるよ」
 「頼んだぞ、私は貴女方がクリスタルを取りに行ってる間にこの船が出港出来るように整備をしておくとする」
 ラファールさんが小型船の中に入って行ったから、私達は早速クリスタルとグングニルがあるというグリーディの洞窟へ向かう為、ラファールさんの家を後にした。

 ラファールさんの家から東に歩く事1時間弱、私達はグリーディの洞窟へとたどり着き、その前で立ち止まる。
 「ここがグリーディの洞窟ですのね」
 「さっきのラファールさんの話だと謎解きをしないといけないって言ってたけど、どんなの何だろ?」
 「まぁ、そんな難しいもんでもねぇだろ。ちゃちゃっと終わらせようぜ」
 「そうですね、それでは中に入りましょうか」
 中に入って道なりに進んでたんだけど、何もない普通の洞窟だねぇ・・
 辺りをキョロキョロと警戒しながら歩いてたんだけど、その時足元から、カチッと何かスイッチが入ったような音がしたから、何だろ?そう思ってかがんでみたら、その私の頭上すれすれを3本の矢が通り過ぎていったよ・・・・
 顔を上げて矢が通り過ぎた方を見てみると、その矢はアセトの数cm前の壁に刺さってたよ……
 「な、ななな、今のは何ですの!?ちょっとセラ!危ないですわよ!もう少しでわたくしが矢セトになってしまう所でしたわ!!」
 「ご、ごめんねアセト。ちょっと注意が足りなかったね」
 「ちっ・・もう少しで矢セトが見れると思ったのに残念です」
 「なはは、矢セトか、そりゃいいや」
 「ちょっとミハイル!何不吉な事言ってますの!?それにクレッシルも笑いごとじゃありませんわよ!」
 両腕を上げてブンブンと振りまわしながらそう怒るアセト。
 そして、そのブンブンと振りまわしてた両手が壁に当たると、またカチッと不吉な音が聞こえてきたよ……
 「い、今・・何か聞こえませんでしたかしら……」
 「さ、さぁ・・気のせい、じゃないのかな・・」
 私がそう言った瞬間だったよ・・再びアセトの目の前を矢が数本かすめていったよ……
 品があるのかないのかよくわからない、眠たそうな目をしたアセトは顔を真っ青にさせながらゆっくりと両手を降ろし、私達はその様子をゴクリと息をのみ見守る。
 「・・・・・・」
 「う、うわぁ……」
 「な、何だよこれ・・こんな罠があるとか聞いてねぇぜ」
 「ま、まさかこんな罠があるとは思ってもいませんでした・・」
 「こ、これはちょっと用心した方がいいかもしれないねぇ・・」
 私の言葉に皆は、静かにコクン、と頷く。
 この後、私達は一歩一歩、スイッチがないか慎重に確かめながら進んでたんだけど、ふと目の前に1つポツンと置かれたすご~く怪しい宝箱を見付けたよ。
 「何か、一つだけポツンとあって凄く怪しいですね」
 「あぁ、罠の匂いがぷんぷんするぜ」
 「流石にこれは・・スルーした方がよさそうだよねぇ」
 「きっとお金か何かが入ってるに違いないですわ♪」
 「あ、ちょっと・・アセト!!」
 「絶対罠ですって、戻ってきてください」
 私とミハイルの注意を無視したアセトはそのまま宝箱の方に走って行って、目をキラキラと輝かせながら開けようとしたんだけど・・
 急にその宝箱だと思ってたモノは、その口を大きく開きアセトの手にガブリと、かじりついてきた。
 「いた、いたたたたたたた!!痛い、痛いですわ!!」
 かまれた手をぶんぶんと振って宝箱の形をした何かを引き離そうとしてるんだけど、がっちりと手をかまれてるみたいで、全く手から離れる様子が見えない。
 「はぁ・・だから罠だって言ったじゃないですか・・」
 「見てないで、は、早く!!早く何とかして下さいまし!!」
 「なぁセラ、アレ・・どうする?」
 「どうって言っても、ねぇ?自業自得・・だよね?」
 手をかまれて慌ててるアセトを私達は冷ややかな目で見つめる。
 「そんな、そんな事言わないで、お願いいたしますわぁあ」
 「はぁ……しょうがないですねぇ」
 見かねたミハイルがため息交じりにパルチザンを手に持ち構える。
 「アセト、ちょっと止まって下さい。その手にかみついてるのを壊しますから」
 じりじりとアセトとの距離を詰めながらそう言ったんだけど、手をかまれて慌ててるアセトにその言葉は届かなかったみたいだよ・・
 「あぁ、もう!!」
 怒気を含んだ口調で言い捨てると、ミハイルはアセトの手にかみついた宝箱の胴体部分にパルチザンを突き立てる。
 パルチザンでの一撃を受けると、その宝箱はふたをクパァっと開けてアセトの手から離れ地面に落ちた。
 私達がその落ちた宝箱を見てみると、それはふたの部分に鋭い刃にも似た歯を持ち、どういう構造でそうなってるのかわからないけど、宝箱の中は暗くよく様子が見えないけど、その中心部分には目のようなものが見える。
 「ひ、ひどい目に会いましたわ・・」
 涙目になりながらくっきりと歯型のついた右手に治癒魔法をかけるアセト。その様子は凄くみじめっていうか・・憐れっていうか・・うん。
 「宝箱に擬態してる魔物がいるとは聞いてましたが、まさかここで見るとは思ってもいませんでした」
 「こりゃ、他に宝があっても迂闊に手が出せねぇな」
 「そ、そうだねぇ・・」
 「本当ですわ・・もうかまれるのはごめんですし、宝箱を見付けても大人しくしていますわ」
 そんな事を話してると、後ろからゴロゴロと何か大きな岩のようなものがこっちに向かって転がってくる不吉な音が聞こえてきたよ・・

 第24話 グリーディの洞窟 その1.終わり
               その2.へ続く





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最終更新日  2010年11月07日 01時07分19秒
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