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ジルコニアの気まま日記

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ジルコニア5519

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天衣無縫傍若無人なトークで、リスナーをはじめ、スタッフと相方すらも圧倒する噛み様『風音様』と風音様をはじめ、ゲストやスタッフが投げかける、どんな球も打ち返すそのトーク力で番組を牽引する『荻さん』がメインパーソナリティーのインターネットラジオステーション『音泉』でNO.1の人気を誇る番組っす↓


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2010年11月07日
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 私が構えるとケロちゃんはその愛らしい4本足で地を蹴り、猛スピードでこっちに近づいてくる。
 そして、ミハイルの足にかみついた。
 「くぅ・・」
 足をかまれた痛みで表情を少し引きつらせたミハイルがパルチザンをケロちゃんの胴体めがけて放とうとしたんだけど、その前にケロちゃんはミハイルをそのまま上に放り投げ、自身も高く飛び上がる。
 「げげっ・・見た目と違ってパワーがあんな」
 「クレッシル!早くミハイルの援護に行って下さいまし!!セラは役に立ちませんし、わたくしは魔法の詠唱を行いますわ」
 ミハイルに空中で体当たりを加え、後方に吹き飛ぶミハイル。
 そして、ケロちゃんは着地すると同時に近くにいたクレッシルに対して頭突きを喰らわせる。
 「ちぃ・・パワーだけじゃなくてスピードもあるか・・」
 すぐにクレッシルはサクレ・ポワンをはめた手で攻撃をしようとしたけど、それをひらりとかわすケロちゃん。
 「いきますわよ!!バーンエクスプロージョン!」
 ケロちゃんの頭部の辺りですさまじい爆発が起こって、それがケロちゃんを飲みこんでいく。
 その爆発が収まると、全身傷だらけになりながらもアセトへと猛突進して体当たりを喰らわせるとその足で私へと向かってきた。
 「わ、わわわ!!お、おいたはダメだよ!!」
 そうは言ったけど、それで足を止めるはずもないわけで・・私の右手にガブリ、とかみついてきた。
 「っ!!」
 かまれた痛みで私はヴィーキングソードを下に落としてしまう。
 私の右手をかみちぎろうと頭をぶんぶんと振ってくるケロちゃん。そしてそんなケロちゃんに対して私が何も反撃をしないと不思議そうな顔をしながらもう1つの頭で口を開いてくる。
 「何故だ、人の子よ・・何故ここまでされて手を上げない」
 「だ、だってぇ・・私、ケロちゃんと戦いたくないんだもん」
 「今の我とそなたは敵同士、そんな甘い考えではこれから先、生き残ることすら・・いや、この場を生きて帰ることすら出来んぞ」
 「セラ、今手助けしますわ!サンダーボルト!!」
 アセトの放ったサンダーボルトが落ちる前にケロちゃんは私の右手から頭を放して距離をとり、そして私の目の前に大きな落雷が・・・・
 「ア、アセトぉ!?あ、危ないよぉ」
 「あら?何かありまして?わたくしはケルベロスを狙っただけですわよ?」
 顔を横に向けて出来もしない口笛を吹くアセト・・うん、今のは絶対戦わない私にも攻撃当てようとしてたよね・・・・
 そんな私とアセトを唖然とした表情で見るケロちゃん。
 「クレッシル、今です!いきますよ」
 「おうよ!」
 チャンスとばかりにミハイルとクレッシルが一気にケロちゃんとの間合いを詰める。
 「でりゃぁあ!」
 「しまった!?つい、見入ってしまった」
 クレッシルの下段回し蹴りがケロちゃんの胴体部分にヒットしたけど、その場に踏みとどまるケロちゃん。
 「貰いました!」
 そして、そこへ更にミハイルのパルチザンがケロちゃんの心臓めがけて放たれる。
 「ま、まさか・・これも我を油断させる罠だったというのか・・」
 「待ってミハイル!」
 大声をあげそう言うと、ミハイルはその矛先がケロちゃんに当たる直前で止め、そして困惑した表情をこっちに向けてくる。
 「どうして、どうして止めたんですか?セラ」
 「もう勝負ついたよね?これで私達の勝ちだよ。だからお願い、もうやめようよ」
 ケロちゃんがふいに大きな声で笑い始め、そしてこう口にしてきた。
 「ふ、ふはははは。戦いとは互いの命が尽きるまで行うもの、そうであろう。それを直前で止めるとはとんだ大馬鹿者だ」
 ケロちゃんの言葉にミハイルとクレッシル、そしてアセトは再び身構える。
 「だが、確かにそうだな。今の攻撃。止めなければ確実に我の心臓を貫いていただろう。今回はそなたに免じて負けを認めようではないか」
 そこまで言うとケロちゃんはその場に丸く座り込んだから、私はケロちゃんの元まで近づきそこに腰掛ける。
 「ありがとね、ケロちゃん」
 「戦いの場は既に死と隣り合わせ、そのような情け、甘えや驕りがあるといつか足元をすくわれるぞ。だが、不思議と今は悪い気はしない。いや、懐かしいと言った方が良いか」
 「何か悪い事をやったり、人の命を弄び奪う人相手なら、私も容赦はしないけど、でもケロちゃんは、そうじゃないから。それに、私ケロちゃんならきっとこんな無意味な戦いやめてくれるって信じてた」
 「そうか・・そなたのような心を持った人の子がこの世界にまだいたことを我は嬉しく思うぞ。人の子よ、その名を聞かせて欲しい」
 「私はセラフィム=ライトっていうよ」
 「セラフィム=ライトか。確かにその名、覚えたぞ。それでは、我はこれにて失礼する」
 スクっと立ち上がるケロちゃん、その表情はとても嬉しそうに思える。
 「ねぇケロちゃん、平和になったら、また遊びに来ても良いかな?」
 「あぁ、その時は我の客人として丁重にもてなそう。ここにある宝は自由に持っていくといい」
 ケロちゃんはそれだけ言うと、現れた時と同じように空間の裂け目の中に身を潜めたのだった。
 「まさかあの地獄の番人と言われたケルベロスをケロちゃんと言って、そして倒さずに退けてしまうとは・・本当、セラは凄いですね」
 「そ、そうかな?」
 「あぁ、だが今回は話が通じる相手だったからよかったものの、次も同じようになるとは思わねぇことだな」
 「そうですわよ。それこそサタナエルに同じような事をしようとしたら、その時は全力でセラを阻止しますわ」
 「あはは、覚えておくよ」
 「さって、そんじゃま、宝でも貰ってくとするか」
 宝箱を開けてみると、その中には刃の中央部分に魔石がはめられてるスピアが入っていた。
 それをミハイルが手にとりマジマジと眺める。
 「これがオーディンの使っていたとされるグングニル・・何やら不思議な力を感じますね」
 「確かにこのスピアからは尋常じゃない魔力を感じますわね、これほどの武器初めてみましたわ」
 「これって確か、投てきして敵に刺さると手元に戻ってくるんだっけ?すごい便利だよねぇ」
 「これがあればこれからの戦い、少しは楽になりそうですね」
 「あぁ、これからも頼りにしてるぜ?ミハイル」
 ミハイルがグングニルを背中にかけるのを確認してから、辺りを見回して見たけど、何も・・ないよ?
 「あれ?おっかしいなぁ・・確かこの洞窟にクリスタルがあるって言ってたよね?」
 「別の場所なのか?」
 「セラ、あっち、あそこの奥にまだ先に進む道がありますわよ」
 アセトが指差す方を見てみると、確かにそこには奥に進む道が、ぽっかりと口を開いてた。
 そして、その場所へ行ってみると、そこは小さな部屋。その中央部分には台座にキラキラと光るクリスタルが安置されていた。
 台座の近くまで行って私はその直径15cmはありそうな大きなクリスタルを手に持ち眺める。
 そのクリスタルは色々な色を放ちながら綺麗に輝いてる。
 「すごい・・こんなに綺麗なクリスタル今まで見たことないよ……」
 「これだけの大きな物ですと、価値もすごそうですね」
 「これを丸く削ってわたくし専用の水晶を作りたいところですわね。ですけど、これはラファールさんにお渡ししないといけないですわね・・残念ですわ」
 「宝石に疎い私でもこれは凄く良いものだって思うぜ」
 私達は、はぁ・・とため息交じりにその綺麗に色々な色を放つクリスタルに見惚れてたんだけど・・うぅ、これ渡さなきゃいけないんだよねぇ……レテ大陸に渡るためだし、仕方・・ないか……
 クリスタルを袋に入れて私達は来た道を戻ってラファールさんの家へと戻っていった。

 ラファールさんの家の地下にあるドックに着くと、丁度船の整備が終わったようで、船の前で一服してるラファールさんを発見。
 「ラファールさん、お待たせ♪」
 袋からクリスタルを取り出してそれを手渡すと、それを色々な角度からゆっくりと眺める。
 「おぉ、これがグリーディの洞窟にあったクリスタルか。まさかこれほどのモノとは・・・」
 「これで約束は果たしましたわね。これでレテ大陸に渡れますわ」
 「うむ、約束通りこの船はそなたらに預けよう。大事に使ってくれ」
 ラファールさんの言葉に皆は、手を取り合って喜んでたんだけど・・私は一つの疑問が浮かんでた……
 「ねぇ、喜んでる所あれなんだけどさ・・誰か舵取れる・・の?」
 「・・・・・・」
 私の言葉に皆は、手を降ろして、しゅんと落ち込む。
 あ、あはは・・船が手に入っても、これじゃ外に出れないよ……
 その様子を見てたラファールさんは、ため息をついてから「仕方ない・・船の動かし方を1から教えるとするか……」と言って、船の中に入り、基本的な事を一晩かけて教えてくれたよ。

 「とまぁ、こんな感じだ。普段はマストに風を受けて進むが、動力部分に特殊な魔石をはめ込んであるから、無風状態でも動かす事が出来る」
 「本当、何から何までありがとうございます。ラファールさん」
 「いや、礼にはおよばんよ。むしろこっちが礼を言いたいくらいだ、クリスタルを無事に手に入れてきてくれてありがとう」
 「それじゃ、一通り船の動かし方も教わったことですし、早速レテ大陸へと向けて出発しましょうか」
 「ふむ、もう行ってしまうか、道中気をつけていくのだぞ。そして、見事サタナエルを打倒し、平和な世界を取り戻してくれ」
 「あぁ、任せときなって」
 「えぇ、その為に今は旅をして、こうして船を貰いにきたんですもの」
 「それじゃ、本当にありがとね、ラファールさん♪また~」
 ラファールさんが見送る中、私達は手を振り別れの挨拶をしてその場から、レテ大陸目指して出発をしたのだった。

 第24話 グリーディの洞窟   その3.終わり
 第25話 船旅も楽じゃない!? その1.へ続く





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最終更新日  2010年11月07日 01時09分02秒
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