739043 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

ジルコニアの気まま日記

ジルコニアの気まま日記

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

プロフィール

ジルコニア5519

ジルコニア5519

サイド自由欄

pso2_bnr03.jpg

天衣無縫傍若無人なトークで、リスナーをはじめ、スタッフと相方すらも圧倒する噛み様『風音様』と風音様をはじめ、ゲストやスタッフが投げかける、どんな球も打ち返すそのトーク力で番組を牽引する『荻さん』がメインパーソナリティーのインターネットラジオステーション『音泉』でNO.1の人気を誇る番組っす↓


homeradiZ_radiobanner_nt.jpg

カレンダー

コメント新着

南蛮うどん@ Re:今週も画像貼り付けるよ(02/06) スミマセン結構古い記事に急きょ失礼しま…
http://buycialisky.com/@ Re:第39話  抜き打ち訪問  その1.(09/10) comparativa viagra cialis o levitracial…

バックナンバー

2024年05月
2024年04月
2024年03月
2024年02月
2024年01月
2023年12月
2023年11月
2023年10月
2023年09月
2023年08月

カテゴリ

フリーページ

キーワードサーチ

▼キーワード検索

2010年12月12日
XML
 「あれは今から1000年前の事です。ここアルビオンに住む人々が平和な日々を過ごしていた時でした。突如として地底にある魔界より現れたサタナ……」
 「ミハイル、今から何の話をしようとしていますの?」
 ミハイルの言葉をさえぎるようにアセトはそう言ってから、(エ エ)←こんな感じに目を細めてじと~って見つめると、ミハイルは凄く真面目な顔をしたままこう答えた。
 「えっ!?ですから、どうしてクレッシルが普段のこの格好のまま、ここシェミハザ村の中に入れるか、って話ですよね?」
 私何かおかしい事言いました?何て言わんばかりの顔をしてるミハイルに、アセトは右手を頭に置いて、深くため息をひとつ。
 「ちなみに、その話、どれくらいかかりますの?」
 「3日くらいですかね?」
 「どうしてクレッシルがこの村にそのままの格好で入れるか、という話でそこまで時間を掛けないといけないんですの!?要点だけ、簡潔にさっさと教えなさいな!」
 両手を上げてミハイルに猛抗議するアセトにミハイルは軽くため息をついてから「しょうがない人ですね・・」そう言いながらも、親が子供を諭す時にするような表情を向けて言葉を更に続ける。
 「いいですか?一度しか言いませんよ?」
 「いいから、早く言って下さいまし」
 「私達は、この村の、英雄」
 たっぷりと間を開けてミハイルから放たれた言葉は本当に簡単で、それを聞いたアセトは、鳩が豆鉄砲を喰ったような表情をしてるよ。
 「それだけですの?」
 「はい、これだけで十分でしょ」
 そんなミハイルの反応に今度はアセトが、たっぷりと間を開けてから突如として大声で叫びだしたよ・・
 「今度は簡潔すぎますわぁあああああああああああああああああああ!」
 普段は絶対に出さない位に大きな声で絶叫したアセトは、肩でぜぇぜぇと息を切らしながらミハイルの方を恨めしそうに見つめる。
 「い、今ので・・何とな~く、その、ニュアンスといいますの?そういうのは伝わってはきましたけれど、具体的に何がどうなって、その結果になったのか教えて下さいませんと、わかりませんわよ!?」
 アセトの反応を見たミハイルは凄く満足そうな表情を向けてるよ・・ミハイルってこんなこともするんだ・・・・
 でもでも、これ以上今のアセトいぢめモード(?)のミハイルに任せてたら、話が全く進まなさそうだし、私が説明しようかな。
 「え~っと、アセト?これは私達がまだ旅に出て間もなくにあった事何だけどね・・・・」
 私は以前、この辺り一帯であった三大柱の1人、ザガンによる誘拐事件と、私達がヨインヘルム大陸に渡るため、ザガンを倒し、さらわれたディードリッヒさん達を救出した事を簡単に掻い摘んで説明をした。
 「なるほど、話はわかりましたわ。それならクレッシルがその格好でいても村の人達が騒がないというのは納得ですわ」
 アセトは、うんうん、何て頷いてから、じと~っとミハイルの方を見つめたんだけど、そんなアセトを無視するミハイル。
 「さて、余計な時間を過ごしてしまいましたね、村にはいりましょう」
 「ちょっと!?謝罪の言葉とかないんですの!?それに事書いて、無駄な時間を過ごしたって、扱いひどすぎるんじゃありませんの!?」
 アセトの言葉を無視して村の中に入っていくミハイルと、それを追いかけていくアセト。そんな二人を私とクレッシルは半ば呆れた様子で見てから、二人を追いかけるようにシェミハザ村の中へと入って行った。

 村の中に入ると、以前と違って凄く皆明るい感じに見えるよ。そして、私達がやってきたとわかると、村人たちは皆喜び、そして歓迎してくれた。
 「本当に皆さんクレッシルの姿を見てもおどろかないのですわね」
 「あぁ、この村にはそんな奴1人だっていやしねぇぜ」
 そんな村の様子を見たアセトは、驚いたように村のあちこちを見てる。
 そして村を一回りした後、私達は最後に村長さんに一言挨拶する為に、村の奥の家へと向かって歩き、その戸を開けると村長さんは私達を歓迎してくれた。
 「おぉ!貴女方はあの時の!その節はお世話になりました。ささっ、何もない所ですが、どうぞ中に入ってくつろいで下され」
 「久しぶりだな、村長さん!そっちも元気そうで何よりだぜ」
 「お久しぶりです、お言葉に甘えてお邪魔させていただきます」
 「お~っじゃましま~っす♪」
 「失礼いたしますわ」
 私達は早速中に入って、テーブルに腰掛けると村長は私達をみて昔を懐かしむような表情を向けてくる。
 「貴女方がザガンを倒して下さってから2カ月程経ちましたが、皆さん旅の方は順調ですかな?おや?そちらのお嬢さんは?」
 村長さんの視線がアセトに注がれたと気付くと、アセトは右手を胸の所に持ってきて、上品そう(?)な笑みを向ける。
 「初めまして、わたくしはアセト=シジルと申しますわ。セラ達とはヨインヘルム大陸にある魔法の山で知り合いまして、今はこうして一緒に旅をさせていただいてますの」
 「そうでしたか、新しい仲間の方も増え、旅は順調に進んでるみたいですな。外はもう夕暮れ時、皆さんが宜しければご飯でも食べながら詳しく旅のお話を聞かせて下され」
 村長さんの申し出に私達は断る理由もなかったし、それを快諾してちょっぴり豪華な夕食をごちそうになりながら、魔法の山でアセトと出会った事、アシュタロトとの戦い、クレッシルがキュロス城の格闘技大会で優勝した事。カサンドラでのベリアルとの戦い、そして私のお兄様がマモンと名乗って、サタナエル三大柱の1人して私達の前に立ちはだかった事を掻い摘んで話をした。
 「なるほど・・全て順風満帆というわけでもないのですな」
 私達の話を聞いた村長さんは腕を組んでそう言ってから、そう言えば・・と話を始めてきた。
 「その事に関係あるかどうかはわかりませんが、1カ月ほど前に、キャメロット城の近くに城が建ちましての。それが建ってからというもの、今までここらでは見なかった種類の魔物がこの大陸でも出没するようになったんです」
 キャメロット城の近くにお城……?確か、前にウリエルさんがお兄様はセイレーン国にいるって言ってたけど、もしかしてそれってお兄様のお城なのかな?
 「何だセラ?もういらねぇのか?ならこれは私が貰うぜ♪」
 ナイフを止めてそんな事を考えてたら、私のお肉を横からひょい、っと奪い取ってクレッシルが「うんめぇえ♪」何ていいながら食べちゃったよ・・
 「あ!私のお肉!?それ最後の楽しみにとっておいたのに・・ひどいよぉ……」
 涙目になりながら恨めしそうにクレッシルを睨みつけると、彼女は「なはは」何て笑いながらこっちに顔を向けてきた。
 「わりぃわりぃ、でも急にナイフを止めてどうしたんだ?」
 「あ、うん。もしかしてそのお城にお兄様がいるのかな?って思ったんだけどさ、そんな都合よくいかないよねぇ・・」
 「その事は明日キャメロット城で聞くか直接乗り込めばわかります。今はあまり深く考え込まない事ですよ、セラ」
 「そうですわよ、それに早く食べないと、せっかくのお料理が冷めてもったいないですわ」
 再びナイフを動かし始め、食事を取り終えた後、私達は食後のコーヒーをごちそうになってたんだけど、その時村長さんがどこから持って来たのか、ワインを机の上に置くとグラスについで飲みだしたよ。
 そして、それを見たアセトがモノ欲しそうに見てると村長さんはそれに気付いたようでもう1つグラスを持ってきて、それにワインを注いでアセトの方に手渡そうとしたきた。
 「シジルさんも飲まれますかの?」
 「あ、あら!?よろしいんですの?何か、催促したみたいで申し訳ないですわね」
 そう言いながらも、嬉々として村長さんからワインがなみなみと注がれたグラスを受け取ろうとしたアセトだったけど、それをミハイルが横から奪うと、村長さんとアセトをじと~、っと睨みつけてたよ。
 「村長、アセトは酒癖が凄く悪いですからお酒を与えてはダメです」
 「そ、そんなぁ・・生殺しですわぁあ」
 「まぁまぁ、1杯や2杯くらい飲んだ内には入らないでしょう」
 村長さんの言葉を聞くと、ミハイルは渋々そのグラスをアセトに手渡す。
 「久々のワインですわぁあ♪」
 ミハイルからワイングラスを受け取ったアセトはそう言って大げさに喜んでから、目をキラキラさせながら口に含んで、味わうように飲んだんだけど、その瞬間、いつもは眠たそうな半開きの目を見開いておどろいたように口を開いてくる。
 「こ、これは……口に含むと優雅なスミレの香りが口の中に広がって・・そしてビロードのような舌触りとこの喉越し……今まで飲んだどんなワインの中でもかなり上のランクの美味しさですわ!村長、これ、かなりお高いんじゃありませんの?」
 アセトのよく意味のわからない説明を聞くと村長さんは嬉しそうにしてるよ。
 「おぉ、シジルさん、かなりワインにお詳しいようですな!これはかのナポレオンも愛したという、シャンベルタンです。値段は1本これくらいですかの」
 そう言って、人差し指を立てた村長さんだったけど、えっと・・1000G?
 「まぁ、1万Gもしますの!?そんなにお高いモノを、わたくし何かがごちそうになって宜しかったんですの!?」
 「シジルさんのようなワイン通の方に飲んで貰えて、このワインも本望でしょう。気になさらんと、まま、もう1杯」
 その後、アセトと村長さんからワインうんちくをあれやこれやと聞かされた私達は、最後に夕食をごちそうになったお礼を言ってから宿屋へと行ったんだけど、このワインの知識、きっとこれから生きていくのに必要・・ない・・よね?
 そして翌朝、私達は村の皆に挨拶をしてからシェミハザ村を後にして、森を西に進みザガンが棲んでいた館を通り過ぎ更にキャメロット城へと向かって歩いて行き、そしてお昼過ぎ頃に私達はキャメロット城下町へとたどり着いたのだった。

 第29話 お久しぶり その2.終わり
 第30話 涙の決別  その1.へ続く





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2010年12月12日 01時10分13秒
コメント(0) | コメントを書く
[妹勇者冒険譚 ~兄を探して1000里~(完)] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.