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ジルコニアの気まま日記

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ジルコニア5519

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天衣無縫傍若無人なトークで、リスナーをはじめ、スタッフと相方すらも圧倒する噛み様『風音様』と風音様をはじめ、ゲストやスタッフが投げかける、どんな球も打ち返すそのトーク力で番組を牽引する『荻さん』がメインパーソナリティーのインターネットラジオステーション『音泉』でNO.1の人気を誇る番組っす↓


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2011年02月06日
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 私達が武器を持ち構え、サタナエルの方へ身構えると、サタナエルは一歩後ろに後退し、脅えにも似た表情を向けてきた。
 「こ、この我が気迫負けしている・・だと!?こ、このような事があってたまるものか」
 自身を奮い立たせるようにそう大きく言葉にしてから、キッと鋭く冷たい目を私達の方に向け、右腕を強く下に向かって振ると、サタナエルの右手には闇の力で満たされた、光の刃が現れた。
 「我はサタナエル!魔界に続き、ゆくゆくはここ地上世界、そしてゼウスが統率する天上界を支配する真の支配者なり!その野望を達する前に、ここで貴様等に負けるわけにはゆかぬのだ!!」
 強く地面を蹴って私達の方へ向かい、光の刃を振りかざしてきたサタナエルだったけど、ミハイルがサタナエルの振りかざした光の刃をグングニルで捌き、そこへサクレ・ポワンをはめたクレッシルの重い一撃が加わる。
 「ぬ、ぐぅうう・・・」
 すぐにクレッシルの方へ攻撃を仕掛けようと動作に入ったサタナエルに対して、アセトの放ったハイリッヒプファイルが一直線に飛んでいき、それを避け無防備になったサタナエルへ私は手に握ったマルミアドワーズで強烈な一撃を与えると、膝に手を置き、前傾姿勢で苦しそうに肩で息をしだした。
 「サタナエル、もう勝負はついてるよ。大人しく負けを認めたらどうかな」
 「まだだ、まだ勝負はついておらぬぞ!ウンターガンクプファイル!」
 闇の力を秘めた無数の矢が天井一杯に現れると、それは私達めがけて一斉に襲い掛かってきた。
 「皆さん、こちらへ集まって下さいな。マジックバリア!」
 私達が急いでアセトの方へ駆け寄ると、彼女は魔法障壁を展開し、降り注ぐ無数の闇の矢から私達の身を護ってくれる。
 「それしきの魔法障壁で我の攻撃を完全に防げると思うな!ダークネスアロー!」
 無数の闇の矢が降り注ぐ中、大きく左手を上に掲げ、巨大な漆黒の矢を形作ると、それを全力で私達の方へ投げ、それと同時に彼自身も私達の方へ向かって走り寄って来た。
 多少のダメージは覚悟の上で、私達はアセトの張ってた魔法障壁から散り散りに飛び出しサタナエルの放った巨大な漆黒の矢を避けたんだけど、そこへサタナエルの右手にある光の刃での攻撃が襲ってきた。
 「あ・・」
 「遅いわ!貰ったぞ、セラフィム!」
 私が気付いた時には既に遅く、サタナエルの刃が私の腹部を貫いていた。
 「う、うぅ・・」
 サタナエルによって貫かれた部分から大量の血が・・・・
 「セ、セラ!?」
 「ククク、どうやら形勢逆転のようだな」
 邪悪な笑みを浮かべながら私の腹部に突き刺さってた刃を抜きとり、その刃についた血をぺろりとなめとった。
 貫かれた腹部を抑えながら、その場にうずくまると、皆がその私の様子を見てきたんだけど、その隙をついてサタナエルがミハイル・クレッシル・アセトに対して攻撃を仕掛け、それに3人は応戦していた。
 「は、早くしねぇとセラが、セラが!」
 「えぇ、その為にも早くサタナエルをどうにかしなければ」
 「セラ、もうしばらくお待ちになって下さいな!」
 「ふははは、仲間の心配よりもまずは己の心配をすることだな!」
 う、うぅ・・ムート=ライトさん達の力を借りて少し慢心してたのかも・・
 こ、このままじゃ、皆が・・皆がやられちゃう!それだけは、それだけは絶対に阻止、しないと・・
 何とかその場に立ちあがろうと試みたんだけど、今の攻撃によるダメージが大きすぎて立ちあがることすら出来ない。
 その間にも、皆はサタナエルによってどんどんと押されていってるよ。
 お、お兄様・・そして、皆・・ごめんなさい・・サタナエルを撃つ事が、出来なくて・・
 自分自身の無力さに何か悲しくなってきたよ・・その場にうずくまりながら涙を流すと、首から下げてたお兄様が以前つけていたペンダントが服の間から見え、そして私の脳内に、以前戦った時にお兄様が言っていた言葉がこだまする。
 「セラ、俺はそんな弱いお前を見たくないぞ!」
 「すまなかったな・・ライト家の顔に泥を塗るような事をしてしまって・・どうか、父上と母上を俺の分まで大切にしてやってくれ・・」
 そ、そうだよ・・私はお兄様から、お父様とお母様の事を、頼まれたんだったよね。
 お兄様、今一度、私に・・私に力を貸して!!
 私の想いが通じたのか、ペンダントが一瞬、キラッと光ったように見えた。
 そして、私の内から再び力が沸き起こってるように感じる。
 それは以前、カサンドラがベリアルとお兄様に襲われ、アセトの両親が殺された時、怒りに我を忘れてしまった時に感じたあの力・・
 私の背中、白く大きな翼が生えてるのとは逆の方から、今度は同じくらい大きな漆黒の翼が生えていた。
 「ふはははは、これで貴様も終わりだ!そこにいるセラフィムと同じようにこの地でその無残な屍をさらすが良い!」
 私が立ちあがりサタナエルと戦ってるミハイル達の方へ体を向けると、そこには苦しそうな表情をしながら片膝をついてるミハイルと、そんなミハイルに対して攻撃を今まさにしかけようとしていたサタナエルの姿。
 「くぅ・・こ、ここまでだというのですか」
 サタナエルの振り下ろした光の刃が目の前に迫り、観念したかのようにギュッと強く瞳を閉じたミハイルだったけど、そのサタナエルの光の刃がミハイルに届く事はなかった。
 「なっ!セ、セラフィム!貴様、まだ生きていたのか!」
 「そう簡単には死ねないよ。だって、私はまだやらなきゃならないことがあるしね」
 「セ、セラ・・」
 サタナエルの振り下ろした光の刃を、サタナエルとミハイルの間に立ち、私は手に持つマルミアドワーズで受けていた。
 マルミアドワーズを上に振り上げ、サタナエルの光の刃を上に払ってから、無防備になった体へ強い一撃を加えると、サタナエルは苦しそうに呻きながら私から少し距離を取った。
 そして、私を見ると、サタナエルはハッとした表情を浮かべてくる。
 「そ、その背中から生えてる翼は、魔族の・・・・」
 「うん、私の内には、ムート=ライトさん達天上人の血のほかに、魔族の血も混じってるみたいなんだよね」
 「こ、この寒気のするような魔力は、感じた事があるぞ・・」
 サタナエルが私に対して、驚き、そして脅えた表情を向けてくる。
 「そ、そんな・・ありえん、ありえんぞ!あの時、確かにフェルナンデスも、天上人の女も、そして息子も殺したはずだ」
 サタナエルが攻撃することも忘れ、私の方へただただ、驚愕の表情を向けてくる。
 やるなら、今しかない!
 私達は顔を見合わせ、軽く頷いてから、一斉にサタナエルの方へと駈け出した。
 「くっ!し、しまった!」
 「気付くのが遅いですわ!ハイリッヒライト!」
 アセトが唱えると、私達のいる広間一面に聖なる光がさし、それを防ごうと左手でマントを持ち、自身の体を覆い尽くす。
 「今までの仕返しだ!てりゃぁああああああ!」
 クレッシルが渾身の力を込めた拳を振るい、それを受けたサタナエルはミハイルの方へと飛ばされ、ミハイルは飛んできたサタナエルをそのまま私の方へグングニルで一撃を加えてから飛ばしてきた。
 「さぁ、セラ!止めは貴女に託します!そのマルミアドワーズで今こそ、サタナエルの悪しき心を断つのです!」
 私の方に飛ばされながらも、何とか体勢を整えようとしていたサタナエルの胸元へ、私のマルミアドワーズが深く突き刺さり、貫いた。

 最終話 妹勇者の帰還 その1.終わり
            その2.へ続く





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最終更新日  2011年02月06日 01時01分09秒
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