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ジルコニアの気まま日記

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ジルコニア5519

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天衣無縫傍若無人なトークで、リスナーをはじめ、スタッフと相方すらも圧倒する噛み様『風音様』と風音様をはじめ、ゲストやスタッフが投げかける、どんな球も打ち返すそのトーク力で番組を牽引する『荻さん』がメインパーソナリティーのインターネットラジオステーション『音泉』でNO.1の人気を誇る番組っす↓


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2011年02月06日
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 「ぐ、ぐぉおおおおおおおおおお」
 私がマルミアドワーズを引きぬくと、苦しげな表情を浮かべながら、その場にドシャリと倒れ込んだサタナエル。
 「ま、まさか・・この我が、この我が・・よもや1000年前と同じく、やられてしまうとはな……人の子よ・・その力、見事であった・・だが、これだけは覚えておくがいい・・我を倒したとしても・・我が弟であるアシュタロト、そして娘のべルフェゴールが我が意思を継ぎ、再び・・この地上世界を破滅へと導くだろう・・ふははは、その時まで、せいぜいつかの間の平和を堪能しておくがいい、ぞ・・」
 そう言いきると、サタナエルの体が徐々に崩れていき、最期にはサタナエルが身にまとっていた服とマントのみがその場へと残った。
 サタナエルの体が消えると同時に、私達の背中に生えていた翼もなくなり、そして外が明るくなっていく。
 「こ、これで終わったんだな・・」
 「えぇ、最後に少し気になる事を言っていましたが、そんなすぐに行動を起こしてくるとは思えません。これでまたしばらく・・きっと私達が生きてる間は平和な日々が戻ってくるはずです」
 「サタナエルの邪悪な気配も完全に消えたみたいですわね」
 「私達、勝ったんだね。皆、本当に無事でよかったよ。お疲れ様」
 「これで、サタナエルや三大柱達に殺された皆も、浮かばれるでしょう」
 「お父様・お母様、わたくし・・ついにやりましたわ」
 「へへっ、何か全てが終わったって分かったら、急に疲れてきたぜ」
 「さて、それじゃ、サタナエルを倒したってことをキャメロット王に知らせにいかなきゃね」

 広間を後にして、サタナエルの城から外へ出ると、さっき私達が来た時までは、上空に立ち込めていた暗雲も、そしてリヴェラ大陸全体を覆っていた悪しき瘴気も完全になくなり、綺麗な青空が見えてる。
 自分たちが乗り込んできた船に戻ってる最中、ふと足元を見てみると、そこには力強く地面に根をはってる、4輪の花。
 この花は何か、今の私達みたいに見えるよ、これからここリヴェラ大陸も、花や草木が生い茂る、緑豊かな大陸になるのかな?
 船に乗り込むと、リヴェラ大陸を出発し、キャメロット城へ向かってたんだけど、暖かい日差し、空を飛ぶ鳥たちのさえずり、穏やかな海を元気に泳ぐ魚達、その全てが私達を祝福してくれてるように思えるよ。
 ハルトに船を置いて、再びキャメロット城の謁見の間へと行くと、そこには今まで見たこともないような笑顔で私達を迎えてくれたキャメロット王とお父様。
 「セラ、そして仲間の者たちよ、無事に帰ってきてくれて嬉しく思うぞ」
 「外の様子を見ればわかる、セラ、見事サタナエルを打ち倒してくれたようだな、キャメロット王に代わり、俺から礼を言うぞ、本当にありがとう」
 「キャメロット王、お父様。これで私の旅も終わったよ。私は、ライト家の名に恥じない、立派な騎士になれた・・かな?」
 「これを立派と言わずして、何と言うんじゃ。セラは世界を救った真の騎士じゃ」
 「ライト家の名に恥じないどころか、今のセラは英雄だ、俺はセラという娘を持てた事を誇りに思うぞ」
 「それでセラ、今こうして、ライト家の慣わしによる旅も終わったわけですけど、どうするつもりですか?」
 「まさか、このままここに残るとか、言いださないですわよね?」
 「そうだぜ、前に言ったこと、覚えてんだろ?」
 「あはは、忘れるわけないよ。これからは、4人でシェミハザ村で暮らすんだもんね♪」
 そう答えると、ミハイル達は嬉しそうに微笑み、私を見つめてきたんだけど、お父様とキャメロット王は少しさみしそうな表情を向けてきた。
 「そうか、セラはここに残らぬというのじゃな、パナディアと共に、この国・・いや、世界を護って貰いたいと思ったが、残念じゃ」
 「セラがそれを望むと言うのならば、俺からは何もいわん。共に旅をした仲間といた方がセラも良いだろう。皆、セラの事を頼んだぞ」
 「そうじゃ、皆の者、サタナエルを倒したそなたたちに褒美を取らそうではないか、何が良い。何でも言うがよい」
 「私は飯だ、うまいもんを腹一杯食いたいぜ」
 「カサンドラにあるわたくしの実家を壊し、そこへ墓地を作って下さいな。そして、その一番目立つ場所にお父様とお母様のお墓を作っていただきたいですわ」
 「ほっほ、そうかそうか、よしわかった。今からすぐにその手はずをしよう、そして、今日はここのコックの腕に寄りをかけたごちそうを振るまおうではないか」
 「キャメロット王、オファニム王へ、私は城には戻らずに、セラ達と一緒に過ごすと伝えていただきたいのですが、宜しいでしょうか」
 「何じゃ?そんなことでいいのか?ミハイルよ」
 「はい、私はそれで十分です」
 「そうか、わかった。それならば、そのようにオファニム王にはワシのほうから伝えておく、安心するがよい」
 「ありがとうございます。キャメロット王」
 「それでセラ、そなたの望みはなんじゃ?」
 「キャメロット王、私の願いは…………」

 そして、サタナエルの戦いから3カ月の月日が流れた・・・・

 私達はあの後、世界を救った英雄。七大英雄の生まれ変わりの四大天使なんて言われて色々な人達から祝福され、毎日がお祭りのような騒ぎの中、ケルブ国にあるシェミハザ村で楽しく過ごしていた。
 私の願いというのは、お兄様のお墓を作って欲しい、というものだったんだけど、キャメロット王の計らいもあり、そのお墓はセイレーン国とケルブ国の丁度国境境に立ててもらうことになっていた。
 そして、先日、ついにお兄様のお墓が出来たと報告があったから、私達は4人でそのお兄様のお墓のある場所へとやってきていた。
 そこは人が普段通る事のない静かな高台の上で、その場にポツンとある石碑とその前には、お兄様が生前愛用してたガラハッドの剣が突き刺さってる。
 お兄様のお墓の前に立った私達は静かに両手を胸の前に持ってきて、目を閉じて祈った。
 お兄様、サタナエルは倒したよ。これからは、4人で手を取り合って生活していくよ。だから、お兄様、安心して安らかに眠ってね。
 私が目を空けると、横にいたはずのミハイル達の姿がどこにもない・・よ?
 「セラ、いつまでやってるんですか?」
 「早く帰ろうぜ!もう腹減ってしかたねぇんだよ」
 「ほらほらセラ、早くしないと置いて行きますわよ」
 お兄様のお墓から少し離れた場所で手を振ってる皆の姿、あ、あわわ!もうあんな場所にいるの!?
 私は急いでミハイル達の方へ行こうとしたんだけど、あっと・・忘れるところだったよ、これはもう、いらないよね。それに、これは元はお兄様のモノなんだし。
 私は首から下げてたペンダントをスッと手に取り、お墓の前に突き刺さるガラハッドの剣へそれを通した。
 「み、皆早いよぉおお!待ってよぉおおお!」
 ポニーテールを揺らしながら、急いで離れた場所にいるミハイル達の方へ走り、私は平和で退屈な日々が待ってる、シェミハザ村へと向かっていった。

 妹勇者冒険譚 ~兄を探して1000里~ 終わり。





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最終更新日  2011年02月06日 01時02分18秒
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