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カテゴリ:紅絶壁焔 (完)
シリオ大陸、ティエラから高速飛行船に乗ってあたい達は目的地であるジャポーネ大陸最大の都市であるベヌスまでやってきた。
「ふわぁ、懐かしいなぁ♪」 ベヌスの町並みはなんていうかあれだな。一昔前っていうのが似合う感じだと思う。 まぁ、実際問題そんな時代は知らないし、ただの憶測でしかねぇんだが。 目の前に広がる景色というか、風景は木造平屋建ての長屋が立ち並ぶ町並み。 正直ティエラじゃお目にかかれない珍しい風景にあたいは感心してた。 んで、だ。その町を歩く人たちの服装も普段見慣れてるような洋服じゃなくて、前に文献でチラッと見たことのある着物ってやつだったかな。うん。 異国情緒あふれる町を懐かしいなぁ♪なんて言いながらテンション高く歩くアオイの姿。 あたいは初めて見る様子に少し興奮気味だった。 「すげぇ・・・ジャポーネって初めてきたが、なんか全体的に懐かしい雰囲気だよな」 「シリオ大陸やほかの大陸からしてみれば、多少文明が遅れてるように見えるかもしれませんが、これはこれでとても温かみがある素敵なモノだと思いますし、大陸全体でこの景色を守っていこうという風潮があるのです」 後ろからそんな声が聞こえてきたからその声の聞こえてきた方を見てみたら、そこにはマーテルの姿があったんだ。 「を?出迎えご苦労さん」 「お待ち致しておりました、焔様・アオイ様」 「こんにちは、盗聴が大好きな変態マーテルさん」 「あ、あはは・・・」 「でも、本当懐かしいなぁ♪ほら、ここも変わってないよ」 「アオイ様はここベヌスにこられたことがおありなのですか?」 マーテルの言葉に一瞬止まったアオイだったが、すぐに笑みを浮かべたんだ。 「うん、3年前だったかな。ちょっとした野暮用で少しの間暮らしてたことがあるんだよ」 アオイの言葉に何故かマーテルは懐かしいというか、暖かい微笑み、浮かべたんだ。 「なるほど、そうでしたか。久しぶりのベヌスをゆっくり探索されたい気持ちもあると思われますが、しばしの間ご辛抱願います」 「んだな、観光めぐりとかもしてきたいが、依頼の方が先だな。まずはアオイのにせも・・・っとと、アズールのいるスカイハート家に行ってちゃちゃっと話を聞いてこねぇとな」 「ふふ、そうだね。依頼なんてぱぱっと終わらせちゃおっか♪それで焔に私のおすすめのお店とか案内してあげるね♪」 「んで、スカイハート家ってどこにあんだ?」 「ここからもう見えておりますよ」 そう言って前方を指差すマーテル。 「はい?どこだよwどこさしてんだよ」 「えっとね、視界の奥におっきい建物が見えるよね?」 おっきい建物・・・うん、あたい達の視界の奥には確かに超でかい建物が見えてるわけだが・・・まじかよ‥‥ 「まじかよ‥‥スカイハート家どんだけ金持ちなんだよ‥‥」 「まぁ、スカイハート家はジャポーネ大陸の中でも一番大きな家だし、世界でも有数のお金持ちだしねぇ」 「はい、それに我がスカイハート家はジャポーネ大陸を治めている女王。ヒミコ様とも個人的な繋がりがございますので、影響力もかなりのモノを持っております」 「ということはだ、ここに住んでる奴らが何かスカイハート家に対してやらかしたり出来ないってわけだな?それこそやっちまったら誰にも気づかれないように抹殺されかねないってことか」 「あはは・・・流石にそんな事はしないよ。でも、実際問題そうすることも出来ると思うよ」 こえぇ・・・スカイハート家超こえぇ・・・何か粗相でもしたらまずあたいの命はねぇだろう。そう思って行動した方がいいかもな。 そんなスカイハート家の話だったり、ジャポーネの話をしながら視界の奥に見えるスカイハート家の大豪邸を目指して歩いてたあたい達だったが、どれくらいの時間歩いたんだろうか・・・ ぶっちゃけもう疲れたんだが・・・まだつかねぇのか? 「さぁ、どうぞお入りくださいませ」 はい?お入りください?まだ屋敷は遠くに見えるんだが? いやいやいや、まだまだ屋敷自体はかなり遠くに見えるんですが? でも、あれなんだよ。ここに門があるってことは、だ。ここから奥が全部スカイハート家の領地ってことなのか・・・恐ろしいな。 マーテルに勧められ門から中に入って、更に進むこと少し。 あたい達はやっとの思いでスカイハートの豪邸の入口までやってきたのだった。 第45話 懐かしき大地 その1.終わり その2.へ続く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014年05月11日 20時59分30秒
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