|
カテゴリ:紅絶壁焔 (完)
「さて、と。そんじゃま、あたい達はあんまここに長居するのもアレだし、ぼちぼち帰るとすっかな」
うん、話自体はついたし、多分これがマーテルの望んでたことなんだろう。 「そうか、わかった」 あのあと、一応何かあった時ように携番の交換はしておいた。 てか、携帯もってんのなwいや、まぁ。頭首跡取りともなると色んな所と連絡を取り合ったりするだろうし、持ってても不思議ではないわけだが。 「アズール、またね♪君は元々は私のわがままによって生み出された存在なのかもしれない。でも、そんなの関係ないからね!」 「ふん、いきなり何をいうかと思えば」 「こんなことを言うと無責任だって言われるかもしれないけど、でもね、これだけは言わせて」 アオイの言葉にアズールは静かに耳を傾けた。 「私が出来ないぶん、君には私の代わりに父さんや兄さん、姉さん。マーテル。家の皆のことを大切にしてあげてね」 「そんなことか、言われずとも理由はどうあれ、この俺の生みの親である親父達は大切にしていくつもりだ」 「それを聞いて安心したよ。本当、お願いね」 「任せておけ、それよりもだ。アオイ」 「うん?」 「お前の方も、いつまでも紅焔と仲良く暮らせよ?」 「な、ななな!?何を言ってるのかなぁ!?」 「くくく、パッと一目見ればわかるぞ。2人が並々ならぬ関係にあるということは」 どこをどう見たら親密な関係に見えるんだろうか。 「はい?」 「照れなくてもいいではないか。そんな何年も一緒に暮らして何もないとかありえないだろ?」 いや、普通はそうかもしれないが、ぶっちゃけあたいとアオイに関してはガチで何もないんですが? 最初、アオイがきた時・・・いや、実際はアオイが男だって分かってからだが。 まぁ、あたいも年頃の女子だしな、うん。いくら女っぽい、っていうか。女のあたいよりも女らしいアオイでもそういうラブロマンス(?)っていうのを妄想しちゃうわけですよ。 してましたよ、えぇ。ぶっちゃけますよ、あたいもそういうの期待してましたよ。 でも、でもな?全く何もなかったわけですよ!! アオイはガチでそっちの方面の趣味なんじゃないか、そう思うくらいですよ。 まぁ、最近はこいつはそうじゃなくて、ただちょっと鈍感なだけなんじゃないか、そういう結論にいたったわけですがw 「残念ながらあたいとアオイは何も(親展)ないぞ?」 「なん・・・だと!?」 「ありえないだろぉ?」 「ありえないなw若い男女が1つ屋根の下で生活して何もないとか、一体どういうことなのだ」 「いやぁ・・・あたいも不思議なんだよ。アオイが全くあたいに対してモーションかけてこねぇのが・・・こいつ、もしかしてホモォなんじゃねぇかと疑いたくなるくらいに」 「何言ってるのかなぁ・・・」 「しかもだ、女の格好して町の男たちからちやほやされるのが快感みたいでなぁ」 「ち、違うよ!別に快感じゃないよ!むしろちょっと申し訳なく思ってるから!」 「ちや・・・ほや?」 「あぁ、おめぇも知らないか?今ネットで話題のアイドル」 「あ、あ~・・・」 何やら引っかかる部分があるような感じ。 「そうか、ネットで話題のアオイってお前のことだったのか」 「そ、そうだよ・・・」 「ふ~ん、なるほどな。なんというか・・・うん・・・」 憐れむような瞳をアオイの方へ向けるアズール。 「な、ななな、なんて目を向けてくるのかなぁ!?」 「まぁ、そういうわけだわ・・・」 「なんというか、その‥‥色々と苦労してるのだな」 「あぁ‥‥」 「まぁ、頑張れよ」 そう言いながらポンポン、なんて肩を叩いてきたよw 「って、そんな話をしてるアレじゃないよ!!そろそろ本気で帰らないと」 「あ、あぁ。そうだったな。そんじゃ、お前も頑張れよ」 「言われずともわかってる」 アズールと最後に挨拶をして部屋から出たのだった。 第47話 くえねぇなw その1.終わり その2.へ続く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014年05月25日 09時15分09秒
コメント(0) | コメントを書く
[紅絶壁焔 (完)] カテゴリの最新記事
|