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ジルコニアの気まま日記

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ジルコニア5519

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天衣無縫傍若無人なトークで、リスナーをはじめ、スタッフと相方すらも圧倒する噛み様『風音様』と風音様をはじめ、ゲストやスタッフが投げかける、どんな球も打ち返すそのトーク力で番組を牽引する『荻さん』がメインパーソナリティーのインターネットラジオステーション『音泉』でNO.1の人気を誇る番組っす↓


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2017年08月06日
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「なっ!?お、おめぇ・・・こんな大事なもんを……俺が貰っちまってもいいのか?」
 「何言ってやがる・・・俺は幼い頃から、ずっと、ずっと一緒に過ごしてきた、お前だから・・・信頼出来る友だから、こそ・・・これを、受け取って欲しい、心から・・・そう思ってる」
 「わかった、これは俺が責任もって預かる」
 俺はデビスからジェダイトのネックレスを受け取ると、それを首から下げた。
 「ありがとう、ベリル・・・」
 「へっ、何言ってんだよ。お前らしくねぇ」
 「後・・・テリーナ」
 「ん、何よ?」
 「ティムールの持ってる、グリモアは・・・君が、持っていて、欲しい……きっと、ティムールも、それをこのまま、風化させるのでは、なく。テリーナ。君に持ってもらうこと、それを、望んでる、はずだ」
 「はぁ・・・こんな形でグリモアを手にするのは何だか負けた気がするけど、しょうがないわね。わかったわよ。これはやっぱりあたしのような大魔導師が持つにふさわしいものだってことで、貰ってあげるわ」
 「ありがとう・・・テリーナ」
 そう言ってデビは苦しそうにしながらも、表情はニッコリとさせた。
 「そ、そうだ・・・最期、最期に・・・」
 ぜぇぜぇと荒く息をしながらも、まだ言葉を続けようとするデビ。
 「もういい・・・もう喋るなデビ……今すぐ、俺が近くの町まで連れてってやるからよ!」
 「いや、どうやら、俺はもう・・・本当に、駄目、みたいだ・・・」
 「そんな事言うなよ!!まだ間に合うって!!いや、ぜってぇ間に合わせてみせるからよ!!」
 「ナディールさんと・・・アイルスは、グリフォン・・・大陸の・・・暗闇の、おk・・・・・・・・」
 最期に何かを言いかけたデビだったが、彼がその言葉を言い終える前に、ゆっくりと瞳を閉じ、動かなくなっちまったんだ・・・
 「デビ!!デビ!?何だよ!!グリフォン大陸の暗闇の丘がどうしたんだよ!!何があんだよ!!デビ!目を覚ませよ!!頼むから目を覚ましてくれよ!!サタンを倒した後、またお前と一緒に女湯を覗いたり、馬鹿やってバーブルさんに叱られて・・・そんな、そんな退屈な毎日を過ごしてぇって思ってたのによ!!なぁデビ、頼むから何か言ってくれよ!!」
 俺の目の前で眠るデビにそう叫びかけても全く反応がねぇ・・・
 「デビ・・・デビィイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!」
 何でだよ・・・何でこんなことになっちまったんだよ・・・
 やり場のない怒り。そして、目の前で小さい頃からずっと一緒に過ごした兄弟みたいな親友の死という、受け入れたくない現実におかしくなっちまいそうだ。

 ドン!!!ドン!!!

 思いっきり握りこぶしを作って両手で床に叩きつけるがそんなんじゃ全然駄目だ。
 くそ・・・くそ・・・
 涙が止まらない・・・
 今の俺には周りの様子を気にする事なんて全くできず、そんな余裕もない。
 ただただ嗚咽を漏らしながら、その場に横たわるデビを強く抱きしめた。
 そして、そんな俺に釣られ、さっきまで涙をこらえてたジルとエリーも再び大きく声を上げながら涙を流し、床を濡らした。

 どれくらいの時が経過したんだろうか・・・
 もう涙も声も枯れ果てた頃。やっと落ち着きを取り戻した俺達は立ち上がって再び今いるこの部屋を見回した。
 「とりあえず、プロイセンに戻るか・・・」
 「そうだね、うち達がここで啼き続けてたって状況は良くならないし・・・ううん、むしろ悪くなる一方だしね。それにオルロフさんならさっきデビス君が言ってた暗闇の丘の場所も知ってるかもしれないからね」
 「そうね・・・このフルムーン草を持っていって、ティムールの死を教えてあげないといけないわね」
 ジェードの塔を後にする前、最後に俺達はデビ達の亡骸に静かに黙祷をささげてから静かにその場を離れ、東へ。オルロフのいるプロイセンへと向かって歩き出したのだった。

 第77話 間に合わなかった・・・ その2.終わり
 第78話  ただいまプロイセン  その1.へ続く





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最終更新日  2017年08月06日 00時19分19秒
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