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「あたし、やっぱりオルロフの弟子にならない」
まさかのエリーからの言葉に俺達は驚きが隠せなかった。 「は???ど、どういう意味だ?お前、もしかしてさっきの事、引きずってんのか?」 俺の言葉にエリーはすんげぇ慌てた様子を見せてきたよ。 「ち、ちちち、違うわよ!!」 「ん、それじゃあどうしてなのかな?」 ジルの言葉にちょっと頬を赤らめながら答えてきた。 「いや、えっと。あれよ。ジルとあんたの2人だけじゃ色々と心配なのよ」 何が心配なんだ・・・いや、まぁ心配してくれてるのはありがたいが。 「それに、あたしだってティムールの仇をとってやりたいわよ」 「ん、そっか・・・」 「でも、オルロフさん。いいのかな?」 流石にエリーの急な発言に面食らったんだろう。 なんかきょとんとした表情を浮かべてたオルロフさんだったが、すぐにその表情は優しく暖かいものへと変わっていった。 「わかりました、それをエリーさんが望むのであるならば、僕は引きとめはしませんよ」 「えっ!?」 「エリーさん、貴女の選ばれた道はとても大変なモノであると思われますが、頑張ってください」 「えぇ、もちろんよ♪あたしに後退という文字はないわよ」 「ん、改めて宜しくなエリー」 と、ここでオルロフさんはポン、と手を打って話てきた。 「それで、時間ももう良い時間ですし、今日はここで泊まっていかれてはどうでしょうか?長旅でお疲れでしょう。温かいご飯くらいはご用意しますよ」 「マジっすか!?」 「えぇ、それくらいしか出来ませんが、よろしければ」 「ありがとぉおおおおおオルロフさん」 「それじゃ、お言葉に甘えて今日は泊まらせてもらおうかしらね」 と、いうわけで。俺達はオルロフさんの厚意に甘えさせてもらい、この日は泊まっていくことになった。 ~その日の夜~ 皆が寝静まりった深夜過ぎ、トイレに起きると、だ。エリーが1人家の外で佇んでいるのを見つけた。 何やってんだ?アイツがただ単純にボーっと月を眺めてるだけとか珍しいな。 と、いうわけで。俺も外に出てみることにした。 エリーのすぐそばまで近寄ると、彼女は俺の気配に気付き、こっちに振り返ってきた。 月明かりに照らされたエリーはとても幻想的に、美しく見えるから不思議だ。 「あら、ベリル?あんたこんな時間にこんな場所に来てどうしたのよ」 「いや、俺はトイレに起きただけだよ。んで、そうしたらだ、おめぇがここにいるの見えたからこっちに来てみたんだよ」 「えっ!?そ、それって・・・それって!?あたしの事が気になって、ってこと!?」 何故かすげぇ照れた感じにそんな事を言ってくるエリー。 「何言ってんだよ、おめぇがただ単に泣いてるんじゃねぇかと思って、その姿を笑いに来ただけだよ」 (エ エ)・・・あ゛? ヤバイ、今にもファイアボール零距離でぶち込まれそうな感じだ。 「あ、そ、それよりよ!あれだ。今日は月が綺麗だな」 「それより、って何よ。それよりって」 ものすげぇ呆れたと言いたげな表情をこっちに向けてきたエリー。 「えぇ、そうね。これだけ綺麗で沢山の星空って見たの生まれて初めてかもしれないわ」 「なぁエリー」 「ん?何よ」 「お前、良かったのか?」 一瞬キョトンとした表情を浮かべたエリー。 だが、すぐに俺の言葉の意図を読み取った彼女は軽く嘆息してから口を開いてきた。 「あんたねぇ・・・何聞いてんのよ。そんなの当たり前じゃない!さっきも言ったけど、あたしはあんたとジルのお守りっていう役目があるのよ。それに・・・2人っきりだとなんか間違いとか起こって進展しちゃいそうじゃない・・・」 ん?なんか最後ボソボソと言ってたが、何て言ったんだ? まぁ、いいか。 「お守りってなんだよ。逆だよ、逆。おめぇが面倒見られるほうだろうよ」 「それにね、あたしってほら。やっぱりどこかで閉じこもってるよりも、こう外で旅しながら実戦を積んで強くなっていく方が性にあってる気がするのよ。そう思わない?」 そう言ったエリーの表情はとても可愛らしいものだった。 「まぁ、どんな理由だっていいさ。ぶっちゃけさ、俺お前と別れるって思ったら凄く寂しくて、一緒に来てくれる。まだ一緒に旅が出来るってわかったとき、すげぇ嬉しかったんだ」 「なっ!?ななな、何言ってんのよ!!!」 「あ、えっと。いや・・・その、な?特に意味は、言葉以上の意味はねぇからな!?」 「わ、わか!わかってるわよそんなこと!!」 何故か顔を真っ赤にさせて反論してくるエリー様。 「はぁ・・・まぁ、今は別にそれでいいわよ・・・」 「さて、そんじゃま。そろそろ俺は戻るわ。おめぇもあんまり遅くまでおきてんなよ?」 「わかってるわよ。お休み、ベリル」 第79話 新たなる旅立ちへ その1.終わり その2.へ続く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年08月13日 00時04分28秒
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