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カテゴリ:無敵ロボ クェーサー(完)
「あたしはそんなのぜっっっっっったい、嫌よ!!」
「天音、そんなわがまま言って、あんた今のままじゃダメだってわかってるでしょ?」 「そ、それはそうだけど・・・でも、でも絶対嫌なものは嫌なのよ!あたしは今のこれが気に入ってるのよ」 「こないだの戦闘でも量産型機相手に苦戦してたのは誰かしら・・・」 「う、ぐぐ・・・そ、それは・・・たまたまよ!たまたま、調子が悪かっただけよ」 「そう、調子が悪かっただけ、ねぇ?本当にそうかしら?」 「そ、そうよ!最近ちょっとスランプ気味なだけよ」 最近、プルト星人達の乗る機体性能が以前より向上しているというか、ケレスやハウメアの操る指揮官機の性能が良いのは当たり前だとして、それ以外の量産型機も強くなっているように感じるんだ・・・ いや、感じるんじゃなくて実際強くなってるというか戦いながら欠点を補強しドンドン強化していってるんだよな。 それで、それに対抗するために新武装を追加しようという話だったんだが、リゲル改に新武装を追加するには現状では無理だから改修を行いたいという話になったんだが・・・ んで、天音先輩が今のリゲル改に愛着持ってるもんだからそれを拒んでるというか駄々をこねてるっていうのが現状だ。 「ねぇ空、最近のリゲル改の稼働状況教えて頂戴」 「三星先輩はリゲル改の性能はよく引き出していると思います。これが機体の限界性能と現状三星先輩が引き出している機体性能です」 そういうと空は手元にあるタブレットを操作し、そのディスプレイに細かい機体データを表示させた。 そして、そんな空にすげぇ恨めしそうな表情を向ける天音先輩。 「このデータを見てもわかるでしょ?天音。確かに今のリゲル改が貴女にとって大切な機体であることはわかるわ。でもこのままでは絶対に今後の戦いを生き抜くことが出来ないのよ。私はもうこれ以上大切な誰かを失いたくないの。だからお願い、今回のこの話を受け入れて欲しいの」 陽子先生はまっすぐと天音先輩の目を見つめ、そんな彼女に天音先輩はすげぇ困った様子を見せた。 「う、ぐぐ・・・わかってる。わかってるわよ・・・」 「そう、なら言うこと聞いてくれるわよね?」 「そ、それは・・・」 確かに今後のことを考えれば戦力増強はした方がいいと思う。 というか、天音先輩は現状でもよく戦ってくれてるとは思うが、更に強化されれば鬼に金棒状態だろう。 だが、天音先輩がごねるのもわかる。 確かに長く使っていれば愛着がわくのはわかるし完全に別物になるかもしれない。そう思うとしり込みしたくなるのもわかるが。 正直話し合いは平行線だった。 「・・・ふぅ。わかったわ。とりあえずこの件は保留ということにしておくけど、一応天音の方も覚悟は決めておいて頂戴」 そういって席を立った陽子先生だが、その言い方は少しきつめで強要しているようにも聞こえる言い方だった。 そんな陽子先生の言葉に天音先輩は答えることなくただ静かに耳を傾けただけだった。 陽子先生がブリーフィングルームから出ていき、その日の話し合いは終わった。 第40話 リゲル改造計画 その1.終わり その2.へ続く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018年11月10日 00時25分01秒
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