迷いを断つ猛稽古
HOME > 今日のことば 5/9 Sat迷いを断つ猛稽古 大事な試合やテストなどを前にすると、「大丈夫だ」という心と、「いや、ひょっとすると」という不安と、二つの心がせめぎ合うのですね。そして、一度不安に捕まってしまうと、それにどんどん引きずられてしまいます。日蓮聖人は「異体同心なれば万事を成ず」と教えられたあと、一人の心であっても二つの心があると、争い合ってなにごともうまくいくことがない、とおっしゃっておられます。どうしたら、この二つの心の葛藤をなくせるかです。お相撲さんの世界では、不安を克服するには「稽古しかない」といいます。自分の限界にいどむ稽古によって、「これだけ稽古したのだから、ぜったいに大丈夫だ」と、自分の相撲をとりきる精神力ができてくるというのです。早朝から全身砂まみれになり、土俵にはいつくばって、もう動くこともできなくなるほどの猛稽古は、技を身につけるのはもちろんのこと、心に迷いが芽生える余地をなくすためでもあるわけです。常精進によってこそ、人生の不安や迷いをなくすことができるのですね。 庭野日敬著『開祖随感』より