テーマ:海外生活(7772)
カテゴリ:ドイツ生活
シューマンの家からさほど遠くないところに「陶器博物館」がある。
ここでJapan und Jugendstil(日本とユーゲントシュティール)という展覧会が9月25日まで開催されている。ユーゲントシュティールは日本や英米仏ではアールヌーボーと呼ばれている、19世紀末から20世紀はじめにかけて起こった芸術様式である。詳しくはこちらをご覧いただければ幸いである。 http://hebeglied.hp.infoseek.co.jp ユーゲントシュティール直前の時代は過去の様式をまねたりくっつけたりした歴史・折衷主義(ネオゴシック、ネオルネッサンスなど)が流行したが、ユーゲントシュティールではそれまでにない新しいカタチが求められた。それらは動物・植物からモチーフがとられたが、ジャポニズムの影響についての言及もある。 しかしどの辺が日本の影響を受けてるのかよくわからなかった。それでこの展覧会のポスターを見かけたとき非常に興味が出た。またユーゲントシュティール建築や家具は結構見てきたが、陶磁器は見たことがない。 ひょっとして陶磁器という領域ではジャポニズムの影響が明確になっているのでは、という期待感もあった。 ところが実際の展示は特に日本とユーゲントシュティールの関連性をあえて示唆するようなものはなかった。またそういった説明もない。要は自分の目で見て確かめろ、ということなのか。では受けて立とうではないか。 まずはこの品、ユーゲントシュティールの旗手、リーマーシュミットのデザインによる白磁器の皿。マイセンの窯で焼かれたものである。 このほかマイセンの皿は4枚展示されていた。もともとマイセンの焼き物は東洋への憧憬から生まれたものである。だからもともと東洋的なものであるが、今回の展示の中では一番純粋にユーゲントシュティール的なデザインであった。モチーフはすべて植物の部分をかたどったものである。 今回の展示では日本の白磁器も平たい皿もなかったが、ここで4つの瀬戸焼の茶碗に注目してみる。これらの背後には茶道的な要素がひそんでいることだろう。 茶道と言えばわび・さびという言葉を思い出すが、欧米人はどちらかと言えば茶道の精神的、宇宙的な面に魅力を感じるらしい。これはどちらかと言えばユーゲントシュティールより後の作品群にその影響を感じさせる。 ユーゲントシュティールの時代に受けた日本の影響というのは精神面というより、どちらかと言えば外形的なものだったのではないかと思った。 今回思ったのはエミール・ガレの作品が多かったことである。ガレはアール・ヌーボーの芸術家として有名で僕もいくつか家具・調度品は見たことがあった。ガレは陶磁器の分野でも多くの作品をのこしていたのだ。 特に目を引くのが写真のような猫や犬の置物である。どれも派手な彩色がされていて、中にはトランプ模様のブルドッグなどもある。 ガレのこれらの作品はおそらくこの写真のようなものを真似たのだろう。これは有田焼の猫の置物である。ガレの犬や猫と同じショーケースに入れられていた。 色はガレのように派手ではないが、大きさや姿・形などが似通っている。 もうひとつガレの作品として東洋的なデザインの皿を紹介したい。(写真下) 日本、というよりはバロック時代の東洋趣味を思わせる。いずれにせよエミール・ガレが東洋の何かに魅力を感じていたのは確かだろう。 経過時間 1月 2日 6時間 28分経過 吸った煙草 0本 吸わなかった煙草 332本 浮いた煙草代 66ユーロ 延びた寿命 1日 3時間 40分 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.08.17 05:57:28
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