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カテゴリ:そのた
中学1年の時、英語のリーダーの先生は、英国生活が
長かったという品のいい、厳しい女性だった。 わたしが通った学校は、小学1年から英語の授業があった ので、中学1年でも、そこそこの読解力はあったと思う。 それでも、使った教科書が、なんとディケンズの"Great Expectations "(大いなる遺産)だったので、(子供用 に短く書き直した本だが)、とにかく難しくて暗くて、 教科書そのものには面白みを感じなかった。 それでも、今、心から感謝しているのは、毎週必ず英作文 を書く宿題を出してくれたことだ。課題が出るときもあれ ば、自由作文もあったと思う。レポート用紙に1~2ペー ジの英作文。とにかく書かなければならない。 卒業後10年以上経ったクラス会で「あの先生のおかげで 英語が嫌いになった」と話題になったほど、毎週英作文を 書くという作業は、中学1年生にとっては重荷だった。 だが、嫌だ嫌だと言いながら、1年間、英作文を書き続けた おかげで、とにかく「英語で書く」ということに慣れた。 日本語で作文してから英訳するのではうまく行かないという ことが経験的にわかってくると、いきなり英語で書くように なる。和英辞典に頼りきりでは時間がかかりすぎるので、 持っている知識を総動員して、辞書を使わずひねり出すこと がうまくなる。 予備校で高校生に英語教えることになって、「毎月ひとつ 英作文」を宿題として出している。そうやってみて改めて 思うのは、作文の添削というのは大変な作業だということ。 毎月1本といえども、わたしの実力では大変な労力なのだ。 これが毎週、100人近い生徒の作文を添削していた、あの N先生には、ほんとうにほんとうに頭が下がる。 「先生、書けません」と可愛い顔で言われると、つい許して しまう自分の甘さ。N先生のように、生徒に恨まれるような 教師にならなければと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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