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2005年03月19日
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カテゴリ:テスト
高2の私立クラスでは、そろそろ大学入試に向けてのガイダン
スを始める。ガイダンスと言っても、受験のテクニックを教え
るわけでも、志望校選びの話でもない。

今までやってきたテスト勉強はなんだったのか、これからやる
大学入試に向けての勉強はどうやっていくのか、大学に入って
からの学問はどんなものなのか、そういう流れの中の今の自分
を考える、という方向性の話をする。

中学からずっとやってきた「中間・期末テスト」の勉強と、大学
入試との違いはなにか。そもそも、学校の定期テストの目的は
なにか?教師はなんのために試験をするのか。

M「学習の定着をはかるため」一人がボソっと答える。

I「つまりは、君たちがテストで点数評価されないと勉強する気に
ならない、ってこと?それは確かにあるだろうね。でも、その
点数って、何のためにあるの?」
M「どのくらい理解したかを知るため」
I「誰が?」
M「センコーが」
I「ちがうだろ、君が自分を知るためじゃないのか?」
M「う~~~ん」

I「たしかに先生も知る必要がある。みんなの到達度を知って、
自分の授業がどのくらい成果をあげたか、やり方は良かったのか、
どこを改めたらいいのか、その参考資料として、テストの結果は
必要だよね。テストの結果をもとに、生徒も教師も・・・」

K「そんな先生いねえよ・・・」

休み時間にもコツコツと宿題をしている物静かなK君のひとこと。
いつも静かなK君のはき捨てるような言い方に、ドキっとする。

I「どこまで理解したかを見るためには、全員が100点取れる
ようなテストは意味がない。そんなテストをする教師は、生徒を
バカにしてるとしか思えない。でも、ただただ難しい問題を出し
てみんなを落第させるためのテストではない。」

I「じゃ、大学の入学試験の目的は?」
M「落とすこと」
I「それですね。できるだけ優秀な学生を選んで、あとは落とす、
それが目的だよね。君が大学の教授だとしたら、どういう問題を
作って、どういう学生を入れて、どういう学生を落としたいか。
ということを考えてみる必要がある。」

I「入試問題には、必ず意図がある。このポイントを理解している
か見たい、というポイント。これが解らないようでは優秀とは
言えないぞ、というポイント。それに加えて、点差をつけて落とす
ための引っ掛け問題もある。テスト問題は、出題者からのメッセー
ジなわけだ。」

I「そこで君は、自分の持っている実力を100%示して見せる必要
がある。私はこれだけ理解してますよ、これだけの能力がありますよ、
こんなヘボなひっかけ問題でしくじるようなことはありませんよ。
どうですか?こんな学生が欲しいでしょ?と、テスト用紙を通して
メッセージを送るわけだ。入試は、出題者との勝負、そこで自分を
表現するには、ただただ問題練習をするだけじゃなく、それなりの
方法とテクニックを身につけないとね。」

I「これからの授業では、そういう視点を持って、aggressive な
受験勉強を進めていきます。確かに、受験生は、入試の本番では
「選ばれる」存在だけど、今、君たちは「大学を選ぶ」立場にいる
ってことを絶対に忘れないように。」

I「私の前では「○○大学なら入れる」とか「この点数じゃ○○大学
は無理だ」とか、そういう受身の発言は禁止します。「○○大学に
行くんだ」「自分の希望には○○大学がぴったりだ」そういう言い
かたをしてください。選ぶのは君たちだということを、くれぐれも
忘れないように。」

I「本日は、以上」

M「よし、aggressiveだ。ボクはaggressiveになるぞ。うん。」

そうつぶやきながら、M君は出口に向かった。さようならの挨拶を
忘れるぐらいaggressiveに前を向いて。





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最終更新日  2005年03月24日 03時35分29秒
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