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カテゴリ:テスト
高2の私立クラスでは、そろそろ大学入試に向けてのガイダン
スを始める。ガイダンスと言っても、受験のテクニックを教え るわけでも、志望校選びの話でもない。 今までやってきたテスト勉強はなんだったのか、これからやる 大学入試に向けての勉強はどうやっていくのか、大学に入って からの学問はどんなものなのか、そういう流れの中の今の自分 を考える、という方向性の話をする。 中学からずっとやってきた「中間・期末テスト」の勉強と、大学 入試との違いはなにか。そもそも、学校の定期テストの目的は なにか?教師はなんのために試験をするのか。 M「学習の定着をはかるため」一人がボソっと答える。 I「つまりは、君たちがテストで点数評価されないと勉強する気に ならない、ってこと?それは確かにあるだろうね。でも、その 点数って、何のためにあるの?」 M「どのくらい理解したかを知るため」 I「誰が?」 M「センコーが」 I「ちがうだろ、君が自分を知るためじゃないのか?」 M「う~~~ん」 I「たしかに先生も知る必要がある。みんなの到達度を知って、 自分の授業がどのくらい成果をあげたか、やり方は良かったのか、 どこを改めたらいいのか、その参考資料として、テストの結果は 必要だよね。テストの結果をもとに、生徒も教師も・・・」 K「そんな先生いねえよ・・・」 休み時間にもコツコツと宿題をしている物静かなK君のひとこと。 いつも静かなK君のはき捨てるような言い方に、ドキっとする。 I「どこまで理解したかを見るためには、全員が100点取れる ようなテストは意味がない。そんなテストをする教師は、生徒を バカにしてるとしか思えない。でも、ただただ難しい問題を出し てみんなを落第させるためのテストではない。」 I「じゃ、大学の入学試験の目的は?」 M「落とすこと」 I「それですね。できるだけ優秀な学生を選んで、あとは落とす、 それが目的だよね。君が大学の教授だとしたら、どういう問題を 作って、どういう学生を入れて、どういう学生を落としたいか。 ということを考えてみる必要がある。」 I「入試問題には、必ず意図がある。このポイントを理解している か見たい、というポイント。これが解らないようでは優秀とは 言えないぞ、というポイント。それに加えて、点差をつけて落とす ための引っ掛け問題もある。テスト問題は、出題者からのメッセー ジなわけだ。」 I「そこで君は、自分の持っている実力を100%示して見せる必要 がある。私はこれだけ理解してますよ、これだけの能力がありますよ、 こんなヘボなひっかけ問題でしくじるようなことはありませんよ。 どうですか?こんな学生が欲しいでしょ?と、テスト用紙を通して メッセージを送るわけだ。入試は、出題者との勝負、そこで自分を 表現するには、ただただ問題練習をするだけじゃなく、それなりの 方法とテクニックを身につけないとね。」 I「これからの授業では、そういう視点を持って、aggressive な 受験勉強を進めていきます。確かに、受験生は、入試の本番では 「選ばれる」存在だけど、今、君たちは「大学を選ぶ」立場にいる ってことを絶対に忘れないように。」 I「私の前では「○○大学なら入れる」とか「この点数じゃ○○大学 は無理だ」とか、そういう受身の発言は禁止します。「○○大学に 行くんだ」「自分の希望には○○大学がぴったりだ」そういう言い かたをしてください。選ぶのは君たちだということを、くれぐれも 忘れないように。」 I「本日は、以上」 M「よし、aggressiveだ。ボクはaggressiveになるぞ。うん。」 そうつぶやきながら、M君は出口に向かった。さようならの挨拶を 忘れるぐらいaggressiveに前を向いて。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年03月24日 03時35分29秒
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