|
カテゴリ:そのた
きのう書いた、スリッパで仕事をするか?という話の続きで、きょうは「靴」について。
日本人と西洋人(いっぱひとからげでゴメンなさい)では、「靴」に対する感覚が全く違うんですよね。というわけで、思い出したこと、いろいろ。 (1)靴カバー ブラジル・サンパウロの日本料理店、鉄板焼き、すきやき、寿司、天ぷらなどと、和服の女性が案内してくれるのが人気の高級店。ここには、「靴カバー」なるものが用意されている。 日本では靴を脱いで家に上がるということは、ブラジルでもかなり知れ渡っているので、この店で「座敷」に入る手前で靴を脱いでもらうのもスムーズに行くことがほとんどだ。が、しかし、たまに 「なんで食事をするのに靴を脱がねばならぬのだ!ワシを侮辱するのか?」 「やだ、人前で靴を脱ぐなんてはしたないことできませんわ!」 というお客様もまだいるらしく、そういう場合に、靴の上からすっぽりとかぶせる大きな靴下のようなものが用意してある。 私が案内したブラジル人のお客さんに、こういう人はいなかったけど、何度かこの靴カバーを履いて、靴のまま座敷に座っている人を見たことがある。(座敷は掘りごたつ式) (2)ベビーシューズ ドイツからのお客さんを案内して、すぐ近所のすし屋に行くことになった。歩いて3分。日本人の友人は、生後9ヶ月の赤ちゃんを抱いて外に出た。すると、ドイツ人のお客さんが、 「赤ちゃんに靴をはかせるのを忘れてますよ?」 「あ、いいんです、まだ歩きませんから ^^」 「@@ ・・・・ た、たしかにそうですね・・・」 (3)ソファーに上がる イタリアのホテルのロビーで、日本人団体客の子供たちがソファーの上で飛び跳ねて遊び始めた。ちゃんと靴を脱いで(笑) あんまりひどく騒ぐようなら、注意してあげたほうがいいかな・・・などと、他人事ながらハラハラしていると、近くにいたフランス人らしき子供が真似をして靴を脱いでソファーの上に上がった。(子供は何でも真似しますからね) すると、その子のお母さんがあわてて靴をはかせて、「靴を脱いではダメ」(たぶん)と叱っている。そこでその子は、靴をはいてソファーに上がり、飛び跳ねて遊び始めた。フランス人のお母さん、それは叱ろうとしない。 なるほど、アメリカ映画なんかでも、事務机の上に靴をはいたままで足を乗せているのを見るけれど、もちろんお行儀のいいことではないにしても、靴を脱いで足を乗せるよりはまだいいってことなのか。 (4)羽織はかま ブラジルの高級レストランでは、男性はネクタイ着用でないと入れてもらえないところがある。(ノーネクタイはOK、ジャケットは必要という店もある)ただし、貸し出し用のネクタイとジャケットがあるので、それを着れば問題はない。 日本から文化使節としてブラジルを訪問した能楽の先生をサンパウロのレストランにご案内した。先生は、羽織袴、白たびにぞうり履きの盛装。ところが、レストランの入り口でとめられた。和服にネクタイをしろとでも言うのか?と思いきや、「ぞうりは困ります」と言うのだ。 仕方ない、マネージャーを呼んで説明した。このスタイルは、日本では最上級の盛装で、結婚式の花婿もこのスタイル、この先生が天皇陛下の前に出たときも(出たことがあるかどうか確認したわけじゃないけど、たぶんあるだろう・・・・と)この服装だったのだから、ビーチサンダルといっしょにしてもらっては困ると熱弁をふるい、「失礼いたしました、どうぞこちらへ」と、夜景の見える最高の席に案内してもらった。(実は、他の客から見えない席に隔離されたのかも) (5)クツの発音 これは全然別の話だが、韓国語には「ウ」の発音が2つあるとのこと。唇を丸めた「ウ」と、唇を横に引いて発音する「ウ」と。 説明してもらって、発音してもらっても、私の耳には同じ「ウ」に聞こえてしまう。同じに聞こえるから、当然同じにしか発音できない。「難しいねぇ~」と言うと、 「日本語にも、ちゃんと2つのウがあるじゃないですか。」 「そんなことない。日本語はアイウエオの5母音だから・・・」 「いえいえ、ちゃんとありますよ。靴と言ってごらんなさい。クの音とツの音は、別々のウの音ですよ。」 これ、ほんと。ためしに、唇の両はじに軽く指をそえて「靴」とゆっくり発音してみると判る。 ね?動いたでしょ? 同じ母音なら、唇の形は同じはず。明らかに、「ク」のときは唇が丸く、「ツ」のときは唇を横に引いている。 以上、靴あれこれでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年09月24日 19時31分15秒
コメント(0) | コメントを書く
[そのた] カテゴリの最新記事
|
|