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2011年08月30日
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そこで川崎製鉄が川崎造船所から分離独立すると同時に 千葉に銑鋼一貫の製鉄所を建設するという計画をたて 1950年11月 通産省にその計画案を提出した そのための設備資金は163億円で その調達方法は見返り資金八十億円 社債31億円 銀行借入金十億円 増資25億円 自己資金17億円という内容だった 当時の川崎製鉄の資本金は五億円だったが その三十倍以上の資金を投下して製鉄所を作るというのであるからこれは暴挙という以外にはない

編注 批判されるコトバであるが これでは一万田のペンペン草が生えるという発言はあたりまえのことで 日銀の反対はあたりまえのことではないか



西山弥太郎は 東大工学部冶金学科を卒業して川崎造船所にはいった技術者であり のちに取締役にまでなったが 技術者として活躍しただけだということでGHQの経済人追放にあわなかった そこで川崎造船所から川崎製鉄が分離した際に社長になった
私は1950年代 新聞記者として川崎製鉄を何回も取材し 西山社長にも会ったことがある 当時の川崎製鉄の本社は神戸にあったが 隣の神戸製鋼の本社にくらべても いかにもみずぼらしい木造の建物であった 製鉄所にはカネをかけるが 本社の建物にはカネをかけないという いかにも技術者らしい西山社長の方針によるものだと聞かされた
日銀総裁に反対されるような建設計画を進めているのだから 当然のことながら会社の資金計画 そして財務状況について西山社長に質問するのだが 経理のことは担当の役員に聞いてくれというだけである
当時 われわれ新聞記者仲間では 西山さんは経理のことはさっぱりわからない だからこそこんな無謀な計画がたてられたのだというのが通説になっていた

編注 金策には 誰かフィクサーがいたんでしょうね



この川鉄の計画では 日本銀行が第一銀行(川鉄のメインバンク)に資金を貸し それが川崎製鉄に貸すということになるのだから 日銀総裁がこれに対して警戒するのは当然のことであり ペンペン草発言もそこから出てきたものであった
当然のことながら第一銀行も川崎製鉄の計画には慎重にならざるをえない そこで第一銀行の常務であった大森尚則を川崎製鉄の会長に送り込んだ
一方 千葉建設計画の資金のうち半分は政府の見返り資金である
そこで政府にも川崎製鉄は働きかけねばならない そのため西山弥太郎は見返り資金を所管している通産省内部にいる一高人脈を利用して工作をした その通産省はもともと川崎製鉄の計画は過剰設備を生むものだとして反対していたが この川崎製鉄の工作によって折れる
川崎製鉄はやがて通産省からも天下り役人を迎えるのだが 当時 新聞記者として私は川崎製鉄の政府に対する工作をみききしてきた この工作によってその後 川崎製鉄は世界銀行からの借款にも成功するのである

会社はなぜ事件を繰り返すのか 奥村宏 NTT出版より

うまくいったからいいんですけどね 今 それができるのか 許されるのは別で この手法を評して 官に逆らったとするのは まことにおかしな話です 経営史も ハリセン叩いた講釈のような物語が跋扈するんですね








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最終更新日  2011年08月30日 21時09分51秒
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