|
テーマ:野鳥好きっ♪(15897)
小鳥のシジュウカラには二つの連続する鳴き声を一つのまとまりとして認識する能力があることを、京都大白眉センターの鈴木俊貴特定助教らの研究グループが発表した件を新聞で読んだが具体的にはどんなものかと鳥友から質問をもらいました。 これまで、シジュウカラは「ピーツピ」に対しては警戒行動、「ヂヂヂヂ」に対しては集合、「ピーツピ・ヂヂヂヂ」に対しては警戒しながら集まることがわかっていました。 しかし、聞き手のシジュウカラが「ピーツピ・ヂヂヂヂ」を1つのまとまりとして認識(併合)しているのか、2つの個別の音声の連なり(「ピーツピ」と「ヂヂヂヂ」)として認識しているのか、区別されていませんでした。 検証では、シジュウカラに「ピーツピ」、「ヂヂヂヂ」の2つの音声を1つのスピーカーから連続させて聴かせる場合と同じタイミングで2つのスピーカーから分けて聴かせる場合とで、行動の比較が行われました。その結果、単に耳に入った「ピーツピ」、「ヂヂヂヂ」の2音に反応しているのではなく、 「これら2つの音声が1羽(1つの音源)によって発せられた1つのまとまり(メッセージ)である」と認識して追い払い行動をとっていることが明らかになりました。このことからシジュウカラには「2つの音声が1個体によりまとめて発話されているか」を認識した上で、音列の意味を解読していることが判明したということです。 ヒトの多彩な言語表現は、2つの要素を1つにまとめる力のもとに成り立ちます。 例えば、「小さくて黒い犬」という表現は、「小さくて」と「黒い犬」が1つにまとまったもので、 うち「黒い犬」は、「黒い」と「犬」が1つにまとまった表現です。 このように、2語を1つのまとまりとして認識する能力は言語学では併合と呼ばれるものですが、 人間以外の動物でその存在が確認されたのははじめてです。 ![]() ![]() (参照文献) 鈴木俊貴、松本結.2022.野鳥の音声コミュニケーションにおけるコア併合の実験的証拠. Nature Communications DOI: https://doi.org/10.1038/s41467-022-33360-3 PDF: https://rdcu.be/cWgT0. (写真)上記研究報告とは直接の関係はありません。
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.10.07 12:08:14
コメント(0) | コメントを書く
[Bird's Cafe(鳥の話題のいろいろ)] カテゴリの最新記事
|