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貧乏旅人 アジアの星一番が行く 世界への旅

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2024.03.03
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カテゴリ:作家


第165回は、公序良俗に抵触する可能性がありますので、掲載を中止しました。
このブログが削除されないようにしたいので、ご理解の上、ご了承願います。

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チェンマイに佇む男達 寺本悠介の場合 第166回 ~
あらすじ
悠介は、長野県安曇野の隣、池田町に産まれ、長野高校に進学した。大学は東京のM大学である。その間、小平由樹枝と良いお付き合いをした。大学2年になりとあるコンパで飲み過ぎて矢代美恵子と深い関係となる。小平由樹枝を愛していたが、愛想をつかされ振られてしまった。その後、美恵子とは変則的な付き合いを行い、1年先輩の美恵子は就職して大学もアパートも去った。悠介は大学4年になり就職活動も終わり、希望の会社に就職も決まった。そして友人高橋の結婚披露宴も無事終了。その後新婦の友人の唐橋由美子と親しくなったが、あまりに積極的な彼女に右往左往する悠介であった。別れたいが別れさせてくれないので困っている。一方、美枝子は玉の輿と言える結婚する事になった。3月末、悠介は就職の為、神田川辺のアパートから引っ越しする。実習中に由美子が自殺未遂をしたと言う連絡を受けて真っ青になった。大内人事課長と由美子の父親に会い、慰謝料も支払い由美子の心の問題を除けば問題は解決した。悠介は希望の鹿沼工場に配属され社会人生活が始まった。
悠介は女性問題からタイのシラチャへの出張が決まった。



写真はネットより借用

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昨夜から3回もの濃厚なセックスにハンサも悠介も満足仕切って身体を横たえた。二人とも行き絶え絶えである。
「良かったよ。」悠介が言った。
「私もこんなの始めて。」ハンサが英語で答える。その位の英語は悠介も理解出来る。何ら問題はない。悠介は9か月振りのセックスに、こんなに女性とのセックスは良いものかと女性を見なおしたい気持ちであった。誰としても気持ち良いが、久しぶりであるハンサとの交合は気持ち良すぎた。

「もう帰らないと。」
ハンサが時計を見ながら言った。もう7時になろうとしている。彼女は身支度を始めた。悠介はどうしたら良いのか分からない。朝食を一緒に食べてタクシーで送らねばならないと思っていた。しかし、ハンサは支度が整うと、「じゃー、又ね。」と言って帰ろうとした。悠介はお金を支払っていない事に気付く。幾ら支払えば普通なのかも分からない、昨日先輩に聞いて置けば良かったと思ったが後の祭りである。分からないが日本円で5000円相当のバーツを渡した。ハンサは嬉しそうに「ありがとう!」と言って受け取った。これで良かったのかどうか?

シャワーを浴びて食堂へ行った。大森と丸山が食べている。
「お早うございます。」
「お早う。昨夜はどうだった?」
「良かったです。最高です。先輩方は如何でしたか?」
「勿論良かったよ。太陽が眩しい。たまにはな、そう言った事もしないと。」
「そうだよ、現地長期滞在には必要な事だ。」
大森と丸山が口を揃えたように、必要な事だと言っている。悠介は長期滞在とは関係なく必要ではないかと思ったが黙っていた。
「ところで、幾ら位支払えば良いのですか?」
「3000円位で良いんじゃないか?」
「そうなんですか? 相場を知らないので、5000円払いました。」
「そうか、彼女は喜んだろうなー?」
「どうなんでしょう。ありがとうと言ってニッコリ笑っていました。」
悠介は相場より少なくなくて良かったと思った。
「そうそう、羽田協定の件、忘れないでくれよ。」
「はい、分かっています。」
大森から言われて、当然、誰にも言えない事であると再認識した。

皆さんで一緒に出勤した。現地の社員は全員出勤している。日本人より早く出勤するなどと言うルールはない。しかし皆さん早く出勤しているのには感心する。
「お早うございます。昨夜の2次会はどうでした?」
ハンサが聞いて来た。悠介は、今朝別れたばかりのハンサを思い出してしまう。乱れた肢体が記憶に鮮明に残っている。2次会と聞かれてその事かとドキッとした。
「僕はあまり唄は上手でないのでね。」
「あら、そうなのですか? 私はカラオケ好きです。私も行きたかったです。」
純粋にカラオケだけのお店があるのかどうか悠介は知らない。昨日のような店にハンサを連れて行ったら、間違いなく場違いである。
「今度一緒に行きましょう。」
ハンサにそう言われて、返事に困った。ハンサは同僚である。同僚と深い関係になったら、煩雑な関係になってしまう。それが問題になったらシラチャーに長く働くことが出来なくなる。性欲処理はカラオケのハンサで問題ない。お金で解決出来るのである。

「そうだね、機会があったら皆で行こう。悠介はそう答えて書類に目を落とした。仕事は忙しくない。暇である。従って、1日に1回は現場を見て回った。悠介は建設現場が好きである。やはり大学時代に4年間も現場の仕事をしていたからであろう。
「寺本君!」
山下課長から呼ばれた。
「ちょっと打合せ室に来て欲しい。」
「はい、分かりました。」
悠介は、メモ用のノートを持って山下課長の後に従った。
山下課長から1冊のファイルを渡された。
「これはここの工場の完成した図面です。それに組織図も入っている。ここに必要な事務備品を全て挙げて下さい。」
「はい。」と悠介は答えたが、何を準備したら良いか、面食らった。一応、本社も工場も新入社員教育で見学しているので概ね想像はつくと考えたら、そう難しい作業でないと思った。
「いつまでにリストアップしますか?」
「リストアップだけではない、費用も見積を取って全て予算書としてくれ。」
山下課長から、一応、ここに滞在する期間内に作成するよう指示された。今回の出張は3ヶ月である。もう半月が過ぎたので後2ヶ月半で作業を終えねばならない。
「分からない事があったら大森君に聞いてくれ、それからハンサも上手く使って業者との連絡をさせてくれ。」
「はい、分かりました。頑張ります。」

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Last updated  2024.03.03 15:07:53
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