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2024.05.15
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カテゴリ:ブックレビュー
今回の物語の著者である川越宗一は、新聞の連載にて「パシヨン」という物語を連載しておりました。単行本としてPHP研究所から出版されております。
この物語ですが、江戸時代において、キリスト教を信じているだけでむざむざと処刑されてしまいます。
そのなかで、小西マンショを苛烈な拷問のうえ獄死させた井上筑後の守政重は、その後に職を辞することになります。
そして、政重は隠れキリシタンをかくまっているという浄土宗のお寺を訪れ、キリシタンの教えというものを聞かされるのです。
そのキリシタンの教えというものは、生前にいいことをすれば天国に行けて、悪いことをすればインヘルノというところに堕ちる、というものです。
仏教では、生前にいいことをすれば極楽に行けて、悪いことをすれば無間地獄に堕ちる、といわれております。
このことから見てみるならば、キリスト教と仏教の「根っこ」というものは同じ、つまりは、同じ宗教である、といえるのです。
しかし、この日本・・・とりわけ、江戸時代においては、仏教はとくに何もなく、キリスト教を信じているだけで、処刑というかたちで殺されてしまう、というのがまかり通ってしまっていたのです。
こういうところから、宗教というものはどういうことを目指していけばいいのか、ということを考えなければならないのかな、なんて思ってしまいます。

その2に続きます。

川越宗一著「天地に燦たり」文藝春秋刊 2018年





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最終更新日  2024.05.15 10:06:40
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