糞を踏むは吉
イタリアでは、道端で過って糞を踏んづけてしまうと「Porta fortuna(幸運を呼ぶ)」と言われる。・・・いや、私はあんまり糞を踏んづけたことはないんだけど。幸運なことに。それでも何度か踏んづけた覚えがある。一度、派手にアムステルダムで踏んづけたっけ。あれは悔しかった。旅行先だっただけに足元には不注意だったし。子供を乗せたバギーを押していた夫が犬の糞を踏んづけそうになっていたのに気付いて、ぎゃ~~っ、糞だぁ~~っ!! と言っていた側から、グチョ・・・っと散らばった糞の一部を派手に踏んづけてしまった・・・。夫もバギーで糞を派手に踏んづけたし・・・。近くにあった水溜まりで洗っては芝生に擦り付けてどうにか糞を取ろうと必死。道端にあんなに沢山糞を落としていくなよ(量からして大きい犬だったと推測)、犬の飼い主・・・。・・・汚い話で済みません・・・。夫は糞をよく踏む。どうしてか知らないけどよく踏んづける。多分、夫は足元を良く見て歩かないからだろうと思うんだけど。足元よりも自分の周囲に目をやっていて。私は一般的に糞にはすぐに気付く。きっと夫よりも目線が下の方に行っているんだろうなぁ。私自身はあんまり糞を踏まないのに、悔しいことに夫が汚して帰ってきた靴を洗うのは私・・・。どうして人が踏んづけた糞まで奇麗にしなきゃ行けないの?? おかげで夫と歩く時は以前よりも余計に糞に注意するようになった。踏ませないために。夫だけじゃなくて私も悔しい思いをしなきゃ行けないもん、踏まれたら。そんな糞当たり夫も、日本では一度も糞を踏んづけなかった。日本は飼い犬の糞を持って帰るのが常識だもんね。イタリアには当然そんな常識はない。犬を飼っている人は多いけど、そんなことしている人はひとりも見掛けたことがない。人の家の前に堂々と糞を落としていっても知らん顔。20年くらい前の日本と一緒で、道の脇に糞をさせるのが一応常識、となっている。一応常識、=当然常識をどうでもいいと思っている人もいて、イタリアにはそういう常識を常識と思っていない人が日本の比にはならないくらい沢山いて、道に当然のごとく糞がボトボト落ちている。歩道に、だよ! 歩道の真ん中に、だよ!?これはイタリアだけに限らず、フランスにもフツーに沢山糞が落ちてたし、アムスでも結構見かけた=多分オランダもなんだろう。オーストリアはそうでもなかった気がする・・・。そんな環境なので、当然、糞を踏んづけちゃう人も結構いるわけだ。うちの夫みたいに。で、糞を踏んづけると、冒頭で言ったように「porta fortuna」と言われる。何が「porta fortuna」なんだか!! これって不幸だよ!! この「糞を踏んづけると幸運を呼ぶ」と言うの、きっと、夫みたいに糞をガンガン踏んづけていた人が悔しくてそう言って自分を慰めていた、もしくは周囲の人間がその人にそう声をかけて慰めていたんだのが始まりに違いない(ちなみに夫は最近、あんまり踏まなくなった)。犬を飼っている人はこういう道の糞が当たり前だから、皆が注意して歩けば良いと思って、自分の犬にも道でさせちゃうのかな? 自分は注意して歩くからどうでもいい、踏む方が馬鹿とでも思っているのかな?でもそういう人に限って自分で踏んづけちゃうとすっごい悔しがるんでしょ。イタリアの犬の飼い主さ~ん、犬にはちゃんと道の端で糞をさせるようにしてくださいね~。