|
テーマ:転職・再就職(1120)
カテゴリ:転職相談関連です
昨日のご相談者のお話。そうか。。。日本もこんなケースがこれからも出てくるんだ。。。と考えさせられてしまった。
山田さん45歳(仮名)。大学を出て、アパレルメーカー勤務の後、海外の医療機器を扱う販売会社に入社した。そこから1貫して20年近く、同じ専門分野の商品の営業、営業マネージャーを歩んでこられた。 医療機器など、専門性の高い分野は、営業といえどその専門分野に特化した知識が求められる。山田さんはそういった意味では一貫した専門分野を持つ優秀な営業マンだ。 ところが、びっくりしたことに勤務した会社が10社近くになる。 なぜそうなったかというと、その商品を取り扱う商社と日本の販売会社との販売契約が、ほぼ2年ごとに変わったからだそうだ。 Aという商品を売っていたB社が、ある日、販売契約が切れたことでB社では扱えなくなり、A商品はC社でのみ販売することになる。 極めてニッチな商品で専門性も求められるので、必然的にC社はこれまでA商品を販売していた山田さんを採用する。 山田さんも自分の専門分野として、A商品の販売をキャリアの柱として考えているので、C社の求めに応じる。 仕事の内容は変わっていないのに、会社は変わる。すなわち「転社」である。転職してきた企業はほとんど外資なので、このような転社には抵抗がない。 それよりも、山田さんがこれまで築いてきた専門知識や顧客を高く評価していた。 アメリカでは製薬の営業マンは、ほとんどの場合、プロの営業マンと聞いたことがある。いろんな製薬メーカーは、彼の持っている医薬品の知識や顧客を高く評価し、販売契約を結ぶのだそうだ。 山田さんもそのように評価され、処遇されてきた人である。 ・・・そのままうまく進めばよかったのだが、あるとき体調を崩し、離職を余儀なくされた。 健康な身体に戻り、就職活動を始めてみると、とても厳しい。職務経歴書に連なる勤務会社の多さに、ほとんどの場合、書類が通らない。しかも業界が狭すぎるために、いろんなしがらみもあり、転職活動をより難しいものにしている。 山田さんは、決して安易な転職をしてきた人ではなく、本当にその仕事が好きで、その仕事を継続するために会社を変えてきただけの人である。 彼のロイヤルティは会社にあるのではなく、仕事に強いロイヤルティを持っている人なのだ。 これから、日本でもこんな人、増えて来るだろうな。 企業も買収、合併、売却なんでもありの時代。会社にすがるのではなく、自分の仕事に誇りを持って、自分の仕事に忠実になろうとすればこの山田さんのような人が増えて当然だ。 ところが中途採用の観点は変わっていない。会社へのロイヤルティを求めている。 職務経歴書をしっかり見れば、独り善がりに転職回数が増えただけなのか、仕事に忠誠心を持った転職なのか、わかるはず。 山田さんのような人を採用すれば、長年の顧客も一緒に取れるのだ。そう考えると中途の採用も、転職回数を数えるだけでなく、内容を見て柔軟に対応しないともったいないな~と思いました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[転職相談関連です] カテゴリの最新記事
|