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カテゴリ:実況の仕事
ミツオーです。ザクの語源は雑魚なんだってさ。かわいそうな扱い…。
さて、先日の続きですが。「塗り絵」を作成する上で満たすべき要件は以下のとおり。 1)馬の番号と名前がわかる(できれば騎手の名前もわかる) 2)帽子の色(帽色=ぼうしょく、と呼称)がわかる 3)勝負服の色と柄がわかる 以上を満たしていれば、どんな形態であってもかまいません。事実、使っている「塗り絵」はひとによってずいぶん違います。以下いろんな塗り絵をみてみます。 わたしは現在、主催者発行の出走番組表に直接色を塗っていますが、予想紙(いわゆる競馬新聞)を利用するひともあります。写真は及川サトルアナウンサーの塗り絵です。色の塗り方が芸術的というか何というか、わたしみたいにガシガシ塗りこんでいません。うっすらと、シャッシャッという感じで塗ってます(写真ではわかりにくいのですが)。 「塗り絵」は、とくに写実的である必要はありません。使う自分が判断できさえすれば、どういう表現をしてあってもかまわないわけです。写真をよく見てもらうとわかりますが、たとえば勝負服の「星」、だいたい胴体部分には前後5つずつの星が描かれているのですが(岡崎準騎手は3つ)、本当に5つ「塗り絵」する必要はありません。わたしは2つ、及川アナウンサーは1つしか星を描きません。省略できるものなら省略してしまったほうがいいのです。塗る手間がかかりすぎるとたいへんですから。 勝負服の柄にはいくつかの決められたパターンがあり、そのいずれであるかが認識できるように塗りわける。「塗り絵」はあくまでも記号であり、その記号を見て騎手(馬)が特定できればそれでいいのです。表現の仕方はひとそれぞれ。写真は山中寛アナウンサーの塗り絵。袖がかわいらしい(笑)。 山中アナウンサーも独特の省略法を用いていて、例えば森騎手(写真いちばん下)のダイヤモンド柄は明確ではなく、なんだか点々であらわしてあるようです。 そして3つめの写真は、わたくしミツオーがうつのみや時代に使っていた塗り絵です。これはうつのみや競馬最終日最終レース終了後に、欲しいという方があり差し上げたのですが、こうして今でも保存してくださっています。ありがたいことです。 思えばこの塗り絵、うつのみや時代の塗り絵で唯一この世に残ったものなのですな。ほかは全て捨ててしまいましたから。 予想紙を使っています。よく見ると、袖が片方しか表示されていません。どうせ袖は2本とも同じなんだから片方だけ塗ればそれで充分という判断です。左から4人目は内田利雄騎手ですが、ピンクで塗りつぶしてあります。本来なら胴体部分に白い星がなくてはいけないのですが、省略。(この手法を南関東で使うと、的場文男騎手と山崎誠士騎手の区別がつかなくなってしまうので、今はちゃんと星を描いています) 「塗り絵」は実況のための道具ですから、それぞれ使いやすいように工夫されています。これをその道(どの道かはわからない)の専門家がみれば、同じ絵柄をみても捕らえ方が違うのだとか、脳内での処理方法が違うのだとか(いや、処理方法はさすがに同じか?)、とにかく、そういう話になるのかもしれません。が、そんなことを考えたりはせずに(当たり前)、各地の競馬場で、今日も道具としての塗り絵がせっせと製造されては捨てられておるのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年07月26日 08時46分04秒
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