黒川温泉の温泉街から渓流沿いの狭い道を2km程いくと、田の原川の渓谷沿いの林の中に山みず木はある。今の黒川温泉流をつくった新明館が、平成元年に別館として渓流の眺めのよいところを選んで、山・みず・木をコンセプトにつくった宿だ。
雑木林の中の石畳を降りていくと、山みず木の建物がみえてくる。三千坪の敷地に純和風のきれいな建物が散在し、とても二十年とは思えない落ち着きのあるたたずまいだ。全22室、うち8室が温泉付きで、連日満室である。
今回は、日帰り入浴なので、右側の通路へ。
少し歩くと、茶房の井野家がみえてくる。喫茶店兼日帰り入浴の受付となっている。
中には、喫茶とお土産、休憩所がある。受付をして、露天へ。
混浴露天の幽谷の湯。引き戸を開けて広い脱衣所へ入る。
九州のPRのCMで使われた有名な露天は、とても広く、開けた雑木林に囲まれ、手が届くような近さを筑後川が流れ、あきれてしまうような絶景の湯だ。ナトリウム塩化物硫酸塩泉の源泉かけ流し(加水あり)、やや青みがかった透明な湯で、山河の硫黄泉には負けるがなかなかの泉質だ。浅めでぬるめの湯に浸かっては、岩に座って景色を眺め、時には打たせ湯にあたり、時が流れるのを忘れる。渓流沿いの露天としては、これ以上のところがあるのだろうか。(撮影禁止なのに申し訳ないのだが、朝の誰もいない時間帯に写真を撮った。)
女性用の木もれびの湯は、川沿いの露天と林の中の露天の二つがあり、裸の散歩道を通って、幽谷の湯にくることができる。ただ、透明で浅めの湯なので、よほど空いているときでないときついと思う。
露天が特に有名だが、山みず木は、施設のきれいさと風情、眺め、素朴でおいしい料理、徹底したサービスで大人気だ。(って、満点ということか。)
ちなみに、宿泊料金は一室二名で一人18000~26400円。休日は、日帰りも混むし、宿泊は予約するのも難しい。それでも、黒川温泉というか日本を代表するすばらしい宿なので、なんとか(できれば平日に)休みをとって行きたいところだ。
山みず木の看板猫。井野家のレジのとなりに大人しく寝ている。毛並みもつやつやで、人なつっこい。また行くから、待っててニャン。
http://www.yamamizuki.com/
山みず木
熊本県阿蘇郡南小国町奥黒川温泉
0967-44-0336
日帰り入浴は、8:30-21:00、入浴料500円か入湯手形1200円で