218925 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

やさしい未来

やさしい未来

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

引地達也

引地達也

Calendar

Rakuten Card

Favorite Blog

共に学びし友なれど… New! hoshiochiさん

野口五郎 「19:00の… New! an-daleさん

シャローム大学校 … シャローム大学さん
オレンジ進行中 orangepage_sugiさん
知的漫遊紀行 Ryu-chan6708さん

Comments

コメントに書き込みはありません。

Freepage List

Headline News

2024.05.01
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類

「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」が4月に施行された。これは「売春をなすおそれのある女子に対する補導処分・保護更生」が目的だった売春防止法からの転換を意味する法律であり、「女性の福祉」「人権の尊重や擁護」「男女平等」となった。厚生労働省は「女性をめぐる問題は生活困窮、性暴力・性犯罪被害、家庭関係破綻など複雑化、多様化、複雑化」しているとし、コロナ禍により課題が顕在化した「孤独・孤立対策」の視点も含めて支援の強化が喫緊の課題との認識だ。一方で公的支援の資源の乏しさから、先駆的な女性支援を実践する民間団体との協働を念頭に施策を進める方針という。各都道府県で支援の枠組みをどのように構築するのかが急務である。今月、私は民間団体が運営する「自立支援施設」を訪問し、支援に奮闘する様子を目の当たりにし、新法施行をきっかけとした支援の機運を高める必要を強く感じた。

 

新法では都道府県が基本計画を立て施策を実行する計画で、支援調整会議が関係機関や民間団体で構成され、支援内容を協議していく。そのために必要な施設・機能として、旧法では「婦人相談所」「婦人相談員」「婦人保護施設」だったのが、新法ではそれぞれ「女性相談支援センター」「女性相談支援員」「女性自立支援施設」に変わった。これらが民間団体と協働し支援を展開する構想である。活動の内容は、支援対象者の意向を勘案し、巡回、居場所の提要、インターネットの活用等による支援の予定である。「婦人」が「女性」に変わるだけではなく、女性に対する認識をあらためた上での行動が求められる。この民間団体との連携の中で、みんなの大学校の学びの提供が機能できないかを協議するため、首都圏にある自立支援施設の実態をうかがった。そこでは、厚労省が明示する「複雑化」に現場の支援員は奮闘しながら「安心できる場」の運営を確保しようとする努力が胸を打ったが、施設の性格上、その努力はあまり表に出てこないから、社会認知度は高くないのが実態だ。

 

ここで言う「困難な問題を抱える人」を具体的にすればDV被害者や知的障がい者がいる。知的障がい者に関して言えば、福祉サービスの支援が必要であるのに、家庭の事情で福祉サービスに結びつかなった結果、社会と接する中で困難が増幅したケースがある。困難な問題を抱える人を支援するプロセスの先には、自立した生活が置かれているものの、その自立とは何か、は人によってさまざま。DV被害を繰り返させられない安全な仕組みは確立できるのか等の課題は多い。それでも個人の尊厳を確保するための前提となる「自分が自分らしく生きていくための自己肯定感」を付けることは誰にでも必要である。これを「教育」という枠組み、もしくは最近はやりの学び直しの視点から展開することを一案と考え、訪問ではその方法論について議論した。

 

新法の第16条には「教育・啓発」として、広く外部に対しては「支援に関し国民の関心と理解を深める」とし、支援が必要な人には「自己がかけがえのない個人であること についての意識の涵養を含め、女性が支援を適切に受けることができるようにする」とある。ここに学びを機能させられるかが知恵の出しどころである。私が施設を訪問したのは夕暮れ時。DV被害者を守るために門扉は厳重に施錠され、厳かな雰囲気と交わりの空間が相まってひとつの社会を形成していた。新法の理念を深く理解し、行動に移すことが求められつつ、個人の尊厳と保護を確保しながらの、「教育・啓発」は簡単ではない。それでも担い手を育成し、行動し続けること。私自身も障がい者の学びで培ったのは、行動と検証を繰り返しながら、周囲とのコミュニケーションを活発にし、前に進むことだった。誰が担うのかがまだ不明瞭であるものの、困難な状況にある人の尊厳を確保するためには、誰かが先駆的に動かなければ始まらない。気概のある自治体と民間団体はどこだろうか。

 

――――――――――――――――――――――

 

学びで君が花開く! 要支援者のための学びの場「みんなの大学校」

一般社団法人みんなの大学校 (minnano-daigaku.net)

 

当事者中心の発信サイト「ケアメディア」

https://www.caremedia-site.com/

 

引地達也の公式ブログ「やさしい未来」はこちら

http://plaza.rakuten.co.jp/kesennumasen/

 

ニュース屋台村

http://www.newsyataimura.com/

 

―――――――――――――――――――――――――――

 

執筆者紹介 引地達也(ひきちたつや)仙台市出身。みんなの大学校学長、フェリス女学院大学准教授、博士(新聞学)、一般社団法人みんなの大学校代表理事、一般財団法人発達支援研究所客員研究員。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

意見・感想・質問・相談等 ⇒ Hikichi.shalom@gmail.com

(毎週水曜日発行)ジャーナリスティックなやさしい未来

発行:引地達也






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2024.05.01 07:31:10
コメント(0) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.