面白いアンソロジー 北村薫『教えたくなる名短篇』
送料無料/教えたくなる名短篇/北村薫/宮部みゆき価格:972円(税込、送料別) (2017/3/30時点) 夕方から読んでいる本です。北村薫のアンソロジー、『教えたくなる名短篇』。名短篇シリーズもここまで来たんだなあ、とタイトルを見て思いました。次はどう来るんでしょうね? 北村薫は業界でも一二を争う読書家。そのため、アンソロジーは通好みでそれこそ、「読書体力」なしには読めないものがありますが、この本に収録されている若竹七海の短篇はよかったです。その名も「手紙嫌い」。手紙が苦手、という人は結構いますが、この小説のヒロインはちょっと行きすぎ。切羽詰まった状況に立たされ、やむなく手紙を書くことになったヒロイン。古本屋で手に取った実例集が思わぬ方向に話を持っていきます―。 正直、落ちは中盤で分かるのですがこの実例集が面白くてつい笑ってしまいました。こんな本があったら読んでみたい。というか、実際にあったら歌人の穂村弘さんあたりが喜んでエッセイにしそう。 そのほか、角田光代、ヘンリー・ジェイムズ、メリメなど古今東西の小説がぎっしり詰まっています。お得感があるのでおすすめです。