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テーマ:きくスキルの研究(496)
カテゴリ:松野日記
既に1000人を超える方が認定を受けているであろうCOPCについて、昨日まで賞賛するような記し方をしておりましたが、COPCも完璧ではありません。今日は個人的に思うCOPCのウィークポイントを記してみます。
COPCのウィークポイントは、色々あるでしょうが、主だったものは大きく分けて以下の2つがあると思っています。 1)コンタクトセンターで稼動するシステムの定義がない 2)COPCの講習を受講する人の「必然性」 上記2つを順に掘り下げてみます。 1)コンタクトセンターで稼動するシステムの定義がない まず、ここでいう「システム」とは、「しくみ」を意味するものではなく「コンピュータシステム」とそれに類推するものとご理解下さい。 コンタクトセンターで稼動するシステムは、ソリューションの種類こそ多々あるものの、大きく分類すれば音声系のシステム、トラッキング用のシステム、ナレッジ、マイニング関係のシステム、メール対応、バックオフィス系のシステムくらいに分類できると思うんですよね。 勿論これだけではない独特のシステムを活用されているところもあろうかと思いますので、システムの構成自体をCOPCで規格化することは無理だろうと思っています。 語弊があるかも知れませんが、コンタクトセンターで稼動するシステムの殆どは、センターの現場最前線のことを理解しておらず、所詮は机上の空論で設計されたシステムが多いように思っています。 そしてシステムは定まったフローの上で稼動させるだけなら非常に効率的ですが、イレギュラーなことが発生すると最も融通が利かないボトルネックになってしまいます。 また、別の視点から見た問題として、システムの設計またはカスタマイズをする際、運営の最前線にいる人間ですら自分の仕事内容をしっかり理解していないために、トンチンカンな要件定義が出来てしまうことも多々ありますね。 加えて購買部門や最終的に判断する人間がコンタクトセンターのシステムに関する理解がないために、安価なオフィス用のPBXを導入してしまったり、通話録音など機能を省かれてしまったりすることもありますね。 こういうことが起こらないためにも、標準的にはこうあるべき、という基準があると、横並びが大好きな日本人には効果覿面だと思うんですけどね。 2)COPCの講習を受講する人の「必然性」 コンタクトセンターの世界には、例えば簿記検定、秘書検定、●●士のような客観的な資格がありません。なにか物差しになり得る基準があれば良いのにな、といつも思います。 企業によってはキャリアパスに絡めて独自の制度を設けているところもあるようですが、そのような取り組みを業界全体でやっていこう、という旗振り役も出てきません。きっとこれらは各社の「ノウハウ」としてあまり他社には知られたくないのでしょう。しかし、現実は人材流動性の高い業界ですから転職者が媒介して流布しやすいんですけどね。 実際に講習を受けてみると、仕事上の必要に駆られて受講する人が大半のようでしたが、その背景にある意志が能動的なのか、受動的なのかによっても成果は大きく異なってくるように思います。 アウトソーシング・エージェンシーにおいては業務委託者サイドの要件でCOPCの認定がないとダメ!なんてところに合わせるかのごとく取得をさせるところもありますね。事情は分かりますけど、願わくば志を持つ人間に受講させてあげてほしいところです。 また、講習は5日間を要します。人材不足の中、5日もセンターを空けるなんて難しいところも現在はありえるでしょうね。私の周囲でもCOPCの講習を受けたい、お金は自腹を切っても構わない、でも5日も会社を休めない、なんて人がいます。こういうのを思いが殺される、という意味での「忙殺」というのでしょう。残念です。 COPCはバージョンアップを重ねていますので、いずれはシステムの問題は解決されるでしょう。しかし、受講者の必然性は受ける側の問題なので自分次第で解決させるしかありませんね。 コンタクトセンターの仕事は大変だ、将来が見えない、勤務時間が長い、給料が安い、上司が同僚がどうのこうの、こんな仕事やってても・・・、と不満を挙げればきりがありません。 ただ、実際はコンタクトセンターの仕事ではなくても、同じようなことはたくさん起こっています。受身ではなく志をもって取り組みましょう、ホントに。 (この項続く) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年07月03日 07時08分08秒
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