はじめのいっぽのてまえ

王家の紋章（第15巻） （プリンセスコミックス） [ 細川智栄子 ]

 ■レビュー内容
　

　「なぜ、未来を知っておりながら、わたしに教えなかった」
　アルゴンにラガッシュ、嫌な奴ばっかり、アイシスもあっさり騙されちゃって…。それに比べたらイズミルはまともか…、嫌いだけど。未来の英知を持つナイルの娘の予言と授けた危険な策、面白くなってきました。

■あらすじ【ネタバレ注意】■

　キャロルを幽閉しウナス、ルカを人質にしたラガッシュは、キャロルにメンフィス宛の偽手紙を書かせる。メンフィスが長期滞在など許すはずもなく、キャロルはメンフィスをおびき出すためのラガッシュの罠だと気付く。ラガッシュは、キャロルに未来を読めと執拗に迫り、バビロニアの近隣の勢力に対抗する術を聞き出す。ラガッシュを困らせてやりたいとキャロルは、歴史書から学んだことを思い出し、月食が起こると嘘を言うのだった。それを聞いたラガッシュは、慌てふためき塔から出ていくのだが、あまりの騒動ぶりにキャロルは嘘だと知れたら命がないと脱出の策を探るのだった。
　通風口を見つけ、そばを通りかかったハサンを見つけたキャロルは、ただ逃げ出すだけではバビロニア軍に従者たちが殺されてしまうと考え、ハサンに策を授ける。ハサンはサパルの町へ向かう。
　キャロルが死んだことを喜び、いずれはメンフィスの元へ戻ることを考えていたアイシスだったが、周囲が騒がしくなりラガッシュも訪れないことに気づく。月食が起こると言う噂を聞き、ラガッシュに問うと、ラガッシュは黄金の姫が予言したと口を滑らせてしまう。何とか取り繕うラガッシュは、身代わり王を立てキャロルの元が安全だと塔へ隠れてしまう。ラガッシュの様子が解せないアイシスは、黄金の姫とはキャロルのことで、キャロルは生きていてラガッシュはアイシスを謀ったのではないかと疑念を抱くのだった。
　キャロルの手紙を読んだメンフィスは怒るのだが、キャロルが姿を現さないと言う報告に加え、ウナスからの報告が途絶えていることに不安がよぎるのだった…。