■レビュー内容
「王子の母であるタワナンナシュのわたくしに相談もなく…」
下神殿の書記プワフと奴隷のゼビウ。10巻以上前の伏線がやっと回収、これってまで続くのか…。ヒッタイト王宮が内輪もめ、イズミルもキャロルにちょっかい出してる暇はなさそう、そのまま結婚してしまえ。
■あらすじ【ネタバレ注意】■
エジプトでのメンフィスへの謁見も見事にこなしたミノスは、キャロルから立派な王になってと言われ、その言葉を心に刻み帰国の途に就く。その船上で、ミノスはプシタから王弟の声に聞き覚えがあるのだが、それはタルシシの養子ではなく奴隷の中の一人だったと言い出す。ミノスは、そのことが気になりタルシシの件を、キャロルのために独自に調べようと心に決めるのだった。
ナイル河の増水に民たちの移動と祭が始まり、あちらこちらで喜びが沸く。キャロルは、以前に助けた奴隷の子供ゼビウのことを思い出し、医師メニの医院を訪れようとルカを伴って向かう。だが、医院はゼビウの元主人書記のプワフによって破壊され、ゼビウも連れ去られていた。住民の間でプワフの評判は悪く、係るなと言われたキャロルだったが、ゼビウのことが気になりプワフの屋敷へ向かう。キャロルは、酷い仕打ちを受けるゼビウを助け、隣の州で医院を再開していたメニ医師にゼビウを託すのだった。
宮殿に戻ったキャロルは、イムホテップに内々にメニ医師を援助してほしいと書状を書く。イムホテップは、キャロルの初めての願いに、国立の病院とする旨、約束するのだった。
ヒッタイトに到着したトラキアの王女タミュリスは、イズミルを気に入り、トラキアの良薬をもって花嫁である自分がイズミルの傷を治すと称し、ムーラらヒッタイトの侍女をイズミルの側から排除しようとする。トラキアとの婚姻による同盟は、王妃にも一切伝えられておらず、意識が混濁しているイズミルは知る由もないのだった。
乳香の輸出を差し止めているシバ国女王は、エジプトからの再三の要求にも応じない。エジプト神殿では、乳香の不足が儀式に影響し始めるのだった…。