かみぽこぽこ。

さて、幹事長に返り咲いた
麻生さんだが、
総理総裁の座を目指すには
茨の道であるという
以前書いた認識を
私は変えていない。
（2007年8月28日
安倍人事を考える（１）：麻生・谷垣・町村、それぞれの選択（前編）
安倍人事を考える（２）：麻生・谷垣・町村、それぞれの選択（後編） ）

総理総裁を狙う
自民党政治家にとって

「泥船には乗らない」

というのは鉄則であった。

それに従えば、麻生さんは
支持率低下に喘ぐ
福田執行部に加わるべきではない。

せめて「外相」くらいであれば
政治的責任を負うことも
少ないからいいが、
幹事長は選挙の責任者であり
重い政治責任がのしかかる。
（2005年11月1日
小泉内閣改造を読む（１）：麻生外相の重要な意味。）

しかし、それはあくまで
自民党が長期政権を維持できるという
前提があってのものだろう。

自民党が政権の座から転落してしまっては、
「ポスト福田」どころではなくなる。

端的に言えば、
福田さんが倒れたら、
政権の座が回ってくるのは
自民党の中の
責任のない場所で
寝ている人じゃなくて

「小沢一郎民主党代表」

だということだ。

逆に言えば、
麻生さんが首相になるには
福田さんが倒れないことが
最低限の必要条件となるわけだ。

まあ、これは他の総裁候補も
同じようなもんであって、
それで、みんな首相を
支えざるを得なくなって
入閣していたわけだけどね。

ただ、麻生さんの場合は
総裁選を戦ったという
経緯があるので、
福田首相から
距離を置いていたわけだけどね。

麻生さんとしては、
閣外にいて

「福田がダメなら麻生がいる」

という立場を築きたかったが、
現在の政治状況の困難さに
遂に耐えきれず
他の総裁候補同様、

「福田がダメなら麻生も終わり」

という立場に陥った。

では、麻生さんが
幹事長就任を受けたのは
やむを得ずの
苦しい選択であったとしても
なにか局面打開の
戦略はないのだろうか？

そんなことはない。

麻生さんが実際、
どう考えているかは
知らないけれど（苦笑）
私が麻生さんなら
いろいろやれることは
あるように思う。

少なくとも、福田さんが倒れたとしても
「野党の総裁」になるための
布石は打てるように思うね。

うひょひょ。。。

麻生さんと言えば
まずは古賀さんとの関係だ。

麻生さんが総理総裁を目指すには
なによりもまず、
麻生派が小派閥であり
数の力が足りないことが
問題であることは
何度も書いてきたことだ。
（2006年5月31日
自民党総裁選（４）：「旧宏池会・麻垣冷戦」のとほほ。。。
2006年8月1日
自民党総裁選、最後の分析（中編）：麻生太郎、谷垣禎一はどうする？）

そして、数の力という意味で
麻生さんの生殺与奪を
ずっと握ってきたのは
同じ「旧宏池会系」である
古賀さんだったわけだ。
（2007年5月31日
「大宏池会」も「中宏池会」もできっこないわけ。（前編）
「大宏池会」も「中宏池会」もできっこないわけ。（後編））

要は、古賀さんの協力を得ない限り
総裁選に勝つことは
困難だったということ。

麻生さんは、
古賀さんの呪縛から
逃れるために
清和会（町村派）に近寄ったり
中川昭一さんらの
「真の保守」との連携を
強めようとしたりしたが
（2007年12月31日
「中宏池会」と「真の保守」とはなんなのか。（前編）
「中宏池会」と「真の保守」とはなんなのか。（後編））
なかなかうまくいかなかった。

ただ、今回の幹事長就任は
麻生さんにとって
状況を打開する
チャンスになるかもしれない。

福田首相を支え切れば、
総裁派閥にして
党内最大派閥である
清和会の支持を
得られるかもしれない。

清和会のサポートがあれば
古賀さんから

「麻生VS谷垣」

で、天秤に掛けられることもなくなる。

清和会の支持を得るには、

「オタクからアキバ系まで」

の、幅広い人気（？＝苦笑）を生かして
政権浮揚に貢献することもあるが、
それよりも重要なのは
幹事長が握る
政治資金と公認権で
清和会を優遇することだろう。

これは、選対委員長である
古賀さんと完全に
バッティングする部分でもあり
今後、「麻生VS古賀」の
微妙な関係が
どうなっていくかに
注視していかないと
いけないだろうね。

それでは（３）へ。