造船・重機械製造業は、1960~70年代の日本が確固たる工業国として確立した業界で、日本経済を牽引した由緒ある企業群が割拠して、優秀な人材は挙って応募したものです。
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しかしながら現在は、造造船業界の雄とされた三菱重工、川崎重工とIHIは、昔取った杵柄の応用で客船や作業船を受注したのですが、大幅な赤字工事となってしまっています。
優秀な人材が払底して技術伝承が上手く行かず、製造中での問題解決や技術改良も出来なくなったと言うことの様です。
加えて、造船各社が持つ技術を技術拡散の名目で、韓国と中国に全面公開したのも今思えば失態でした。その結果、中国の人件費に価格競争で敗れ、韓国も高付加価値船に日本と違って補助金提供で公的資金投入していて、日本はWTO提訴するしか難局を打開出来ない事態となりました。
現在では、優秀な理科系人材は減り続け、その彼等も外資に流れて、それもサービス産業に就職することとなり、3K職場ともされる重工業企業に向かわなくなりましたので、技術伝承も技術改良も難しくなったのです。アメリカの90年代の後追いでしょうか?
幸いにも地域の安全保障の観点から、多少防衛費が上向いて来て、艦船や潜水艦製造も増強されますが、業界を潤す程の需要はありません。
又、防衛上の観点から各種迎撃機等の航空機も必要ですが、米国からは技術移転もない完成品購入を迫られて、重工業企業への供給寄与は見込めない苦しい状況なのです。日米同盟も、両刃の剣と思われ、自国産業を疲弊させる事態になるかも知れません。
株式市場でも、アメリカと同様に、IT産業やサービス産業が主体的で、重工業は影が薄くなりました。「重工業、昭和は遠くなりにけり!」、寂しい限りです。