テーマ:読書日記(1670)
カテゴリ:Books
久しぶりに、読んでいて楽しい書籍に出会いました。
著者はフィンランドのカンキマキ(Kankimaki)女史、執筆当時の2010年はアラフォーの40才世代、フィンランド出版会で名を挙げ、日本の皇室来訪の際は接待役を仰せつかる程の名士となっていました。 偶然、枕草子の英訳版The Pillow Book of Sei Shonagonを知ることで、その随筆に夢中になって関連書籍を出版することを思い付き、フィンランド出版会にその由を申請して、2010年春に1万ユーロの助成金を得ることに成功して、日本行きを、春に3ヶ月、秋に3ヶ月の京都滞在を決行します。 Amazonで購入して届きましたら、500ページで細かい文字で書かれている大作ですので、読了できるか否かは、甚だ心許ない感じがしている処です。 未だ、春の京都行に差し掛かった処で、60頁少々ですが、もう清少納言に対する畏敬の念が吐露されているのです。 セイ、世紀の変わり日までに、平安京は長安と共に世界で最も開花された文化中心地になった。そこに美意識と美が息づく宮廷文化が生まれた。これは中世ヨーロッパとは昼と夜程にも違うものだった。その当時、ヨーロッパを支配していたのは、デンマーク人、サクソン人とノルマン人で、戦争と遠征を行い、血に染まった後進的な国と言う暗いイメージを作り出し、900年代のヨーロッパの学識者や詩人は片手の指で数えるほどしかいない。 アラビア文化圏では「千夜一夜物語」が書き留められ、アメリカ大陸ではマヤ文明が花開いていたが、代わって平安時代の宮廷では、独自の詩情豊かな世界が広がっていた。 著者は、この本を「文学的な趣のある自伝紀行文学」と規定し、書き上げるのに3年を要したとされています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2021.09.29 11:06:07
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