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ルビオという相棒を得て『勝てるエース』へ、デビン・ブッカーがサンズを変える

昨シーズン、ウェストのダントツ最下位に沈んだフェニックス・サンズ。

そのサンズが、ここまで7勝4敗と好調のシーズンを過ごしています。

昨シーズンまでは、ドラフトで指名した若手選手たちを中心に戦っていましたが、彼らの多くがチームを去りました。

マーキース・クリス選手、アレックス・レン選手、T.J.ウォーレン選手、ジョシュ・ジャクソン選手、ドラガン・ベンダー選手ら、ドラフト1巡目で獲得した選手たちの多くが、ここ1〜2年でサンズを去りました。

代わってオフに加わったのは、弱点であり層も薄かったPG、そしてインサイドプレイヤーでした。

PGにはリーグ屈指のゲームメイカー、リッキー・ルビオ選手。

昨シーズンは、エーススコアラーのデビン・ブッカー選手がPGを務める時間帯を長くせざるを得ませんでしたが、ルビオ選手が加わったことにより、ブッカー選手の負担が減り、またチーム全体でのパス回しが格段に良くなりました。

そして、パス回しが良くなったのはルビオ選手だけの力ではありません。
弱点だったインサイドに加わったアーロン・ベインズ選手、ダリオ・サリッチ選手、フランク・カミンスキー選手。

彼らのうち1人か2人は常にゲームに出ているわけですが、3人とも高いレベルでパスを捌ける選手たちです。

ルビオ選手が起点とはなりますが、その後誰の手にボールが渡ってもボールの流れを止めることなくフィニッシュに持っていくことができます。

また、3人とも3Pが打てるほどシュートレンジが広いので、相手ディフェンスも広がることで中にスペースができ中へパスも出しやすくなります。

生え抜きの選手が減り移籍組が増えたサンズではありますが、有り余っていたスウィングマンを整理し、大変バランスの良いロースターになりました。

そして、彼らが加わったことでプレーが変わったのがエースのブッカー選手です。

いや、変わったというか、本来は元からこのようにプレーしたかったのかもしれませんが、PGの不在やチームのタレントの不足から、自ら点を取りまくるスタイルを取らざるを得なかったのかもしれません。

ブッカーはチームを勝たせられる選手ではないとか、ディフェンスしないブッカーを中心に据えている限りプレーオフチームにはなれないとか、そんな批判を数度見たことがあります。

しかし、今シーズンは、そんな批判の声を抑えるだけのプレーをしていると思います。

昨シーズンまでは得点偏重のプレースタイルでしたが、今シーズンはディフェンスも含め、大変バランスの良いプレーをしています。

試合を見ていても良い意味で目立たないというか、ボールを持つ時間やシュートを打つ機会がチームの中で特別多いわけではなく、チームオフェンスの流れの中でチャンスが来たらシュートを狙っている感じがします。

昨シーズンまでと平均得点は大して変わっていませんがFG%や3P%が大きく向上しているのは、ただ好調なだけでなくシュートセレクションが良くなったことも要因だと思います。

それでいて、ここでぜひ一本欲しいなという、狙うべきときにはきっちりと狙ってきます。

全勝のフィラデルフィア・76ers戦で40点を挙げ76ersに初黒星をつけた試合などは、そんなブッカー選手の今シーズンを象徴するかのようなプレーでした。

まだ23歳のブッカー選手は、まだまだこれからの選手です。

オフに加わった選手たち、そして昨シーズン途中から加わったケリー・ウーブレ選手ら、頼もしい味方を得たブッカー選手とサンズの時代がまもなくやって来る。

2010年代は暗黒時代だったサンズが、2020年代には黄金時代を築いてくれる。

サンズファンとして、そんな夢を見ています。

今シーズン、この調子で大きな飛躍のシーズンとしてほしいですね。