カテゴリ:美術・博物・展示
今日は、午後から、大阪歴史博物館で開催されている「古代都市誕生展」に行って来た。
6世紀頃、中国や朝鮮で、仏教寺院とともに都市が建設されて行ったが、これが日本に伝わり、天皇の権威を示すものとして、長安を真似た都市作りが始まった。飛鳥京、難波京、大津京、藤原京、平城京、恭仁京、難波京、長岡京と遷都が続き、この間に、各地に都市が形成された。地方でも、大宰府や多賀城のようなところに都市が築かれた。その歴史を、発掘された資料とともに見せるのがこの展覧会であった。 飛鳥時代とか奈良時代とかいうが、難波宮があったのに、難波時代とか大阪時代とは言われない。前記難波宮時代は10年、後期難波宮時代は40年と、短かかったことよりもむしろ、つい最近まで難波宮というのが伝説のものでその存在自体が認められていなかったからなのだ。山根徳太郎という歴史の先生が、戦前に偶然見つけた一片の瓦の破片から、難波宮の存在を信じ、戦後退職してから、個人的にこつこつと調べ上げて行った結果、世紀の大発見となったものである。遺跡の場所は、大阪のど真ん中で、さまざまな開発の計画が進んでいたのを、献身的な保存の訴えにより、間一髪、破壊を免れたものだそうだ。大極殿礎石の発見がもう少し遅れていたら、開発は計画通り進んでいたのだ。大阪市にとっても、国にとっても重要な、難波宮遺跡の実在の証明とその保存。氏がいなかったら、難波宮は、歴史から永久に消えていたかもしれないのだ。 この展覧会の目的ではなかったかも知れないが、難波宮遺跡の大切さを知った展覧会であった。 その他、いろいろなことを勉強した。万里の長城にははるかに及ばないが、九州・春日の水城というのも始めて知った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2004.12.28 06:27:32
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