EU憲法を否決した後のブリュッセルはどうする?
これは「Time June 13,2005 page28-32」の記事の一部をご紹介するものです。 驚いたことにベネルスク三国の一つ、EUのコア国家であるオランダが、EU憲法を否決しました。またフランスもEU憲法を否決し、EUの中心的な二ヶ国から否決されたEU憲法は完全に中に浮いてしまう形になりました。 これで、EUの政治的統合は頓挫し、ブリュッセルとしては何らかの手立てを講じるように迫られることになりました。 そもそもEUは拡大の一途をたどっております。旧ユーゴスラビアや東ヨーロッパ、旧ソ連、更にトルコまで参加予定となっており、政治的、経済的、宗教的、地理的に多様性が増しつつあります。これはナショナルジオグラフィック日本版の「2004年5月号 第10巻第5号 通巻No.110」に詳しい記事が載っています。 そして拡大しながら新規に加盟しようとしている国は比較的経済援助を必要としている国々であり、ことに低賃金で働く移民に関して、高失業率で頭を抱えている旧EU諸国では一種の怖れを抱いております。 原案のEU constitution(EU憲法)は新規に加盟する諸国に対して経済的な配慮をするように、またEU presidentの任期を現行の6ヶ月から大幅に延長するといった記載もあり、諸国の反発は予め予想されたものではありました。 そこで、ブリュッセルは次に何をするかが焦点になります。unainomous=everyone could ageeな要綱を定めることにより、come into force = work 実行可能な憲法になりうるのかもしれません。 ”It would be the ten commanments, would not it?” 「そんなの『汝殺すなかれ』になっちゃうんじゃない?」と申しましたら、Amyはくつくつ笑って”Maybe”っておっしゃってました。 いずれにせよ、大国2国が否決して、そのほかの国が賛成しても実効性が疑われますから、イギリス、チェコ共和国、ポーランドなどはreferemdum=voting about policy EU憲法に対する国民投票を中止するかもしれません。実際、ルーマニアなどは中止する方向のようですね。 原案の憲法でダメなのならrenegotiate the constitution 憲法の再検討が理屈では必要になりますが、元の憲法でさえ28ヶ月もかけてやっと練り上げたものらしく、そこで賛成を取り付けた国々の意向を無視するような形で再検討が始まれば再び紛糾しますね。 賛成してくれる国だけで何とかする forge ahead = keep going という方法もなくはないですが、包括的な合意がさらに難しくなってしまいます。 まあ、そこで出てくるのが「汝殺すなかれ」程度のごく一部の案だけを皆さんに納得していただくという方法なんでしょうか。 ブリュッセルも苦労しますねぇ。ブリュッセルとはEUの中央組織を暗喩しているものです。 ここで出てくるのがフランスで特に問題になっている若者のunemployeementですね。イギリスの一部でも問題になっているし、今回の国民投票ではことに若年者の失業者が反対派に回ったと言われています。 では、次回はイギリスにもいるらしいNEETの問題です。かしこ