テーマ:今日聴いた音楽(75557)
カテゴリ:音楽
きょう久しぶりに小田和正のソロCD「K.ODA」を聴いた。駅からの帰り道、歩いているとなぜかこのCDに入っている「悲しみをそのまま」が頭に浮かんできて、「ゆうひが~きみのほほを、やさしく~そめている~」と小声で歌いながら歩いた。へんなおやぢだ。
家に帰ってから早速このCDを聴いた。昔はあんまり好きではなかったが、きょう聴いたら結構いい。なにがいいかっていうと、歌い方がいい。 僕はオフコース初期の小田さんの声が好きだ。「SONG IS LOVE」くらいまでかな、或いは大負けにまけると「FAIRWAY」までの小田さんの声は、まるみを帯びていて、声が笑っているというか暖かく包み込むような声なの。 しかし「Three and Two」以降ずっと、おそらく「軟弱」、「やさしい」と言われるのがいやでハード路線を志向したせいか、小田さんの声のまるみが消え、非常に平板で冷たい感じになった。そこいくと財津さんはいろんな声が出せ、いろんな歌い方ができる。だから飽きない。小田さんの歌は飽きる。特に「We are」~「I love you」あたりが飽きる極致。「I love you」なんて曲自体は良い曲が多いのだが、小田さんのあの平板な声を思うと、なんだか薄っぺらで聴きたくなくなる。 ところがこの「K.ODA」はそういう歌い方からちょっと抜け出していていい。小田さんは不器用な人だから何でもそつなくこなせない。だから一気に歌が上手になったりはしないのだが、このアルバムは現在の小田さんの歌い方につながるものがあるように思う。 「たしかなこと」というインタビュー本にも書いてあったから小田さんははっきり意識してやっていることだが、最近小田さんは歌うときにささやくような歌い方をしたり、声をひそめたり、いろいろバリエーションをつけている。どういう歌い方をするのが説得力があるか、存在感があるかを意識しながら歌っているためだ。最新CDの「そうかな」なんてその辺の意識的な所作がよくわかり、確かに小田さんの歌に魅力をつけている。 しかし、本来ブレスすべき場所でない、文節の区切りでもないところ、単語の途中で切ってブレスするのは日本語としてよくないと思う。クリ約の3回目にミスチル桜井君が出たときに指摘されていた通り、なんかへん。本人は「歳取ってるから息が続かない」とその時言っていたが、多分それは嘘で、小田さんなりの方法論でわざとやっているはず。でも最近はそれさえも少しおもしろがることができるようになってきた。結局好きになればあばたもえくぼということか。歌手のへんな「くせ」も段々魅力になっていくということだろう。昔森昌子は歌がうまいなあとは思ったが、あまりにくせがなさすぎておもしろくない、惹きつけられないというのがあった。少しばかりくせがあると、いつの間にか、それがいつ出てくるかと楽しみにしちゃったりする。そういう効果を小田さんは狙ったんじゃないか。不器用な小田さんらしい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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