1536140 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

真理を求めて

真理を求めて

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2012.08.14
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類
『増税は誰のためか』というマル激の議論を書籍化したものの第2章は第549回の「「分かち合い」のための税制改革のすすめ
を元にしている。この回の冒頭では「足りないから増税」は安直すぎるという指摘をして、この増税法案が、深い洞察の元から考えられたものではなく、短絡的な思考から導かれたもの、すなわちデタラメであると言うことを指摘している。

ゲストの神野直彦さんは次のような指摘をしている。

「そもそも財政が今日のような極端な歳入不足にに陥った原因は、バブル崩壊以降の相次ぐ減税に直接の原因があったと東京大学名誉教授で財政学の権威である神野直彦氏は指摘する。バブルが崩壊した1990年代以降、政府は景気回復と国際競争力の向上という目的のため所得税と法人税を減税し続け、その一方で、やはり景気対策の名のもとに、公共事業支出を増やした。その結果、税収は急速に落ちていった。日本にとって「失われた10年」というのは「減税の10年」でもあったと神野氏は言う。減税が所得税、法人税、資産税に集中していたため、減税の恩恵を受けたのが富裕層に偏り、それが経済格差が広がる原因にもなった。2000年代に入ってからは公共事業費は削減されたが、その分、高齢化にともなう社会保障費が膨らみ、ワニの口は広がる一方だ」。

所得税と法人税の減税が歳入不足の原因であるなら、それを視野に入れた対策こそが必要なのに、なぜ消費税だけなのか。マル激でもこのような問題意識を次のように語っている。

「このように、相対的に所得税が低いことが、日本の税制を富裕層に有利ないびつなものにしているという事実があるにもかかわらず、昨今の増税論議は消費税増税ばかりに論議が集中しているのはなぜか。消費税は所得逆進性があるため、現在の歪んだ所得税制をそのままにして消費税率を上げれば、その歪みは更にひどいものになってしまう。税の再配分機能が更に弱まり、格差がより広がることが避けられないということだ」。

日本の税制は歪んだものになっているのに、なぜその歪みが正されないのか。神野さんは税に対する意識の違いを指摘する。これは興味深い視点だ。神野さんは次のように語っている。

「欧米では「公共サービスや秩序が維持されることの恩恵を受けている」という意識を、豊かな人たちが持っています。だから富裕層が「秩序維持のコストを我々が負担しよう」と考えるのです。昨年、アメリカの投資家ウォーレン・バフェットが提唱した「バフェット・ルール」が話題になりましたよね。自分の税金と部下の税金を比べて、「部下の方が税負担が重いのはおかしい。私たち富裕層にもっと税金をかけるべきだ」と言って、富裕層への増税を提言しました。フランスでも、ロレアル、エールフランス、トタルなど大企業の経営者・創業者16人が、「我々富裕層に課税する『特別貢献税』の創設を」と提言しています。

どうも国民全体の風潮として、経済成長しないと自分たちの生活も成り立たないのでは、と言う意識が強い。企業や成功者の減税をすることで国際競争力が上がるのだ、と言われると、みんなが納得してしまう傾向があります。それでは格差が拡大するではないか、と言う批判に対しては、「いや、トリクルダウン(滴り落ちる)だ」というわけです。トリクルダウンとは、お金持ちが儲かれば、貧しい人にも富が浸透するという考え方ですね。」

これに対して神保さんは、

「未だにトリクルダウンなんてことを言っているんですか。レーガン政権下のレガノミクスの経験則から、富は滴り落ちないと言うことで、この議論には決着がついているのだと思っていました。」

そして神野さんはこれに答えてさらに次のように続けている。

「少なくとも、減税を推進していた時期には言われていました。豊かなものがより豊かになれば、おこぼれが滴り落ちてきて、貧しい人々も潤いますよ、と。しかしこれについてはノーベル経済学賞のジョセフ・E・スティグリッツも「理論的に間違っていて、幻想に過ぎないにもかかわらず、未だに信じられていることが信じられない」と言っているぐらいです。そんな迷信がまかり通って、ここまで減税してきてしまったんですね。」

この間違いを訂正しないで消費税だけを増税しようとする野田政権は、やはり間違っている。マル激では「このままでは貧しい人ほど負担が重くなる」という点を指摘している。ここにも消費税だけを増税することの間違いが現れている。この消費税だけに偏った増税になることの原因を問う神保さんの質問に神野さんは次のように答える。

「どういう国にするのか、と言うビジョンがないままに、増税論を考えているからだと思います。本来、税制と国の有り様は、リンクしているべきものなのです。」

消費税を上げたいのは、国のためではなく、財務省が省益を守るために出てくる動機だ。だからビジョンがないのは、国益よりも省益が優先しているからだと言えるだろう。それを見破り、トリクルダウンというごまかしに騙されないように我々は気をつけなければならない。

消費税を上げることは財務省の省益にかなう。しかし他のことを考慮して税制を議論すれば財務省の省益が損なわれる。だから深い議論がされずに、諸費税だけに議論が絞られてしまう。他の大事な点がどれだけ抜けているかを次のエントリーでは考えてみたいと思う。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2012.08.14 13:17:55
コメント(0) | コメントを書く


PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

日記/記事の投稿

コメント新着

真の伯父/じじい50@ Re:自民党憲法草案批判 5 憲法34条のロジック(02/03) 現行憲法も自民草案も「抑留」に対する歯…
秀0430@ Re[1]:自民党憲法草案批判 5 憲法34条のロジック(02/03) 穴沢ジョージさん お久しぶりです。コメ…
穴沢ジョージ@ Re:自民党憲法草案批判 5 憲法34条のロジック(02/03) ごぶさたです。 そもそも現行の憲法の下で…
秀0430@ Re[1]:構造としての学校の問題(10/20) ジョンリーフッカーさん 学校に警察権力…

フリーページ


© Rakuten Group, Inc.