テーマ:政治について(19785)
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前回の日記でちょっと触れましたが、今回は民主党の財源について特集してみたいと思います。まずは元ネタとして読売の記事を。
民主「20兆円捻出」公約、無駄削減で9兆・埋蔵金も活用 記事は個別に読んでいただくとして、問題は記事の横にある小さい表。書き写すとこんな感じです。 民主党の主な財源確保策
とりあえず、どれもこれも問題だらけなのが「歳入改革」の部門です。「埋蔵金の活用」「政府資産の売却」とありますが、どちらも恒久的財源とは言えません。使ってしまったら終わりです。 自民党も埋蔵金を流用した政策(高速道路休日1000円、エコカー減税等)を実施していますが、使い切るまで数年の時限措置であることは明言されています。民主党が埋蔵金や政府試算を恒久財源のように数えるのは、明らかにおかしいと思います。 「租税特別措置の見直し」はもっと問題です。租税特別措置と言うのは、住宅ローン減税、研究開発減税やナフサ減税など、税制優遇措置が大半です。これらを見直すと言う事は、実質的には増税をするのと同じです。例えば研究開発減税が廃止と言う事になれば、自動車や電気製品の価格が上昇すると言う形で、国民にツケが回ってくることになりますし、ナフサ減税がなくなれば、日本の石油化学産業は大打撃を受ける事になるでしょう。 もちろん「歳出改革」の欄もツッコミどころだらけです。最大のものは「地方自治体への一括交付金化」で4.3兆円という項目。 現在国は地方に各種の補助金を約19兆円交付しています。これらの補助金は使い道を国が指定しているものなので、使い道を各地方自治体が自由に決められる一括交付金にすれば、地方自治体の裁量次第でいくらかはお金が浮く可能性はあります。 しかし、この19兆円の中で最大の使途は社会保障費であり、その額は12.2兆円に上ります。これを削るのは困難でしょうから、残りは6.8兆円。この中にはやはり削減は困難と言うか、むしろ増額すべき義務教育費が1.7兆円含まれます。これで残りは5.1兆円です。このうち、公共事業費が4兆円です。公共事業を全廃しろと民主党は言うつもりなんでしょうか? そんな事を真顔で言う奴はどこかの最低人2838だけで十分です。 5.1兆円から4.3兆円を削ったら、残り8000億円しかないのですが、その8000億円で地方に何をしろというのでしょうか。結局、多くの地方自治体が社会保障や教育費を削らざるを得なくなるか、増税をせざるを得なくなるでしょう。ちゃんと民主党が地方への交付金の中身を吟味しているのか、疑問に思います。 多くの地方自治体は深刻な財政危機を抱えており、全国知事会は「地方交付税の復元・増額、地方の共有財源の明確化」を中央政界に要求しています。民主党の主張は現実を見ていないか、適当な事を言ってるか、どっちかでしかありません。 「国家公務員の人件費2割削減」も実現性が極めて不透明です。自治労など公務員労組を支持母体とする民主党が、本当に公務員の既得権を削るような改革を実行できるのでしょうか? それに、公務員も幹部級ならともかく、一般の人たちは月給が25万前後ですから、手取りは20万円程度です(参考)。いきなり二割も給料をカットされたら、生活に困る人が相当数いると思われます。 給料カットではなく定数削減だとすれば、かなりの失業者を生み、かつ行政サービスの質的低下は避けられないでしょう。民営化という手もありますが、特殊法人や特殊行政法人の存在を天下りの温床と批判し、見直しを進めようとしている事とは、どう折り合いをつけるつもりなのでしょうか? また、民主党のマニフェストには「家計所得を二割増」と言う項目があったはずですが、国家公務員はその例外なんでしょうか。民主党が政権をとった暁には、国家公務員の皆さんが普通にブチ切れてサボタージュに走ってもおかしくないと思います。 「天下り禁止、入札改革等で物品購入費、中央官庁の施設費を三割削減」も良くわかりません。民主党は天下りを禁止する代わりに、公務員の早期退職慣行をやめて、定年(65歳)まで働く事を原則としています。しかし、これは明らかに「国家公務員の人件費2割削減」と対立する内容であり、どうやって整合性を取るのか全くわかりません。むしろ支出が増える項目であるとしか考えられないのですが。 これと同列に並べられている入札改革についても疑問があります。天下り禁止がむしろ国家公務員の人件費増大に繋がる事を考えると、実際には入札改革で1.8兆円以上の削減を実現しなければならないでしょう。 現在国の事業費は56兆円程度ですから、1.8兆円と言うのは3%くらいの削減幅になります。これ以上……例えば5%以上の最低入札価格を実現、と言う事にしようと思ったら、企業側としては国家事業を受注することが採算割れになる可能性が出てくると思います。本当に可能なのでしょうか? そして、歳出改革最大の問題が「議員定数一割削減」の0.6兆円です。つまり6000億円と言う事ですが……これが正しいとすれば、今の国会議員にかかる支出は6兆円と言う事になります。 防衛費より多いのですが、到底ありえる数字とは思えません。ここで実際に国会議員にかかっている費用を調べてみましょう。 平成19年度 主管・所管別の概要 (財務省HP) これによると、国会の運営費は年間約1283億円です。国会議員の給与は、最近平均値が発表されましたが、大体年2500万円くらいのようですね。 国会議員の所得、平均2482万円…前年比98万円減 (読売新聞:09年6月30日) 国会議員は717人とありますから、全額国からの給与と仮定しても、180億円。これに年1200万年支給される交通費、約2000万の公設秘書給与を含めても、国会議員の人件費は400億円程度です。国会運営費とあわせても、1700億円。1700億円からどうやって6000億円を捻出するのでしょうか? 民主党はマトモに計算ひとつ出来ないアホ集団なのでしょうか。 以前に民主党の財源論を検証した時もツッコミどころだらけでお話にならないと思いましたが、どうも民主党は大きな数字を適当に並べれば、人は簡単に騙されると思っている節があります。 もし民主党が政権をとったとして、これらの財源を実現できずに崩壊した場合、後始末をする次の政権と国民がどれだけ苦労するのか、考えるだにゾッとします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
>民主党が埋蔵金や政府試算を恒久財源のように数えるのは、明らかにおかしいと思います。
きっと毎年その分だけの万札を刷ればいいと思ってるんじゃないでしょうか? >民主党は大きな数字を適当に並べれば、人は簡単に騙されると思っている節があります。 それっぽいことはマスコミと知識人?と評論家?害ってくれますし、都合の悪いことは報道されませんからね。 (2009.06.30 22:20:52)
Mp419さん
>>民主党が埋蔵金や政府試算を恒久財源のように数えるのは、明らかにおかしいと思います。 > >きっと毎年その分だけの万札を刷ればいいと思ってるんじゃないでしょうか? > >>民主党は大きな数字を適当に並べれば、人は簡単に騙されると思っている節があります。 > >それっぽいことはマスコミと知識人?と評論家?害ってくれますし、都合の悪いことは報道されませんからね。 ----- 本当だったら、マスコミはこういうインチキをもっと糾弾すべきだと思うんですけどね。与党さえ責めてればそれで良いと言う怠慢には本当に愛想が尽きます。 (2009.07.01 01:07:39)
>きっと毎年その分だけの万札を刷ればいいと思ってるんじゃないでしょうか?
万札を刷る(正確には国債を刷って日銀に買わせる)のは現状での景気対策の特効薬なんですけどね。 民主党のことだから、きっと素直には実行してくれないんだろうな。 (2009.07.01 01:17:03)
どうもっ!
記事また読ませてもらいました^^v 私今日は2記事アップしたんで良かったら遊びに来て下さい! → http://ameblo.jp/happy3meron/ (2009.07.01 04:58:58)
コメントを入れようとしたのですが、ブログ作成者の禁止キーワードというものに引っかかってしまい、書き込みできません。
特に該当するものはなさそうだと思うのですが・・? お時間ありましたら、メッセージにてこっそり、返信をいただけるとありがたく思います。 (無理なら、いいですが・・) (2009.07.02 10:45:11)
こちらのブログでも、この矛盾について日記を書きました!
内容の重複、ご了承ください。 (2009.07.02 17:18:01)
白物さん
>民主党のことだから、きっと素直には実行してくれないんだろうな。 無駄を削ってとか言ってますが、GDP削減になることをあの人達は知らんらしいです。 生王さん >こんな政党を支持するのが、現在の民意なのでしょうか? 何しろ、マスコミがその辺のいい加減さを全然伝えませんからね。特にテレビは酷い。 (2009.07.05 22:21:03)
買収同然のばら撒き公約。
政権さえとっちゃえばこっちのもの…どうせ大衆は次の選挙までには公約違反など忘れてしまうし。 そんな声がきこえてきそうです。 (2009.07.12 05:59:35)
七詩さん
>買収同然のばら撒き公約。 >政権さえとっちゃえばこっちのもの…どうせ大衆は次の選挙までには公約違反など忘れてしまうし。 >そんな声がきこえてきそうです。 ----- こんな政策だったら忘れてほしいと言うのが本音です。これ実行された日には日本経済は大打撃を受けますよ。 (2009.07.13 23:30:40)
民主党も政策的意義や効果があると判断すれば、措置の継続や恒久化を検討する考えだ。石油化学製品の原材料となるナフサへの免税措置(3兆7890億円)については、プラスチックなど幅広い製品価格の上昇にはね返るため、すでに免税の継続方針を示している。(久保庭総一郎 2009年8月7日04時53分 読売新聞)
誰かさんに言わせれば民主党はナフサ利権に屈したという表現になるんでしょうか? (2009.09.02 22:14:44)
お世話になります。とても良い記事ですね。 マークジェイコブス 通販 http://marcjacobs.bufsiz.jp/
(2013.03.14 00:56:59)
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