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だだもれ堂筆記

だだもれ堂筆記

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2007.10.17
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カテゴリ:旅行けば
インドっていうととにかくインド人が旅行者を騙そうと手薬煉引いてる、
というイメージがあるけど、それは必ずしも間違いじゃないというのは
確かなんだよね。ぼったくるとか賄賂を要求するとか荷物をかっぱらうとか
睡眠薬を飲ませて身ぐるみ剥がすとか殺すとか強姦とか、旅行者が
そういう目に遭ったという話を聞いても、あるいは自分がそういう目に遭っても
またか、としか思わなくなる。
「だって、インドだもん」の一言で終了。カルマだわなあ、とか。

ただそうするインド人にもそれなりの理屈があって(泥棒にも三分の理)、
持てる国からわざわざインドまで来てるんだからそれなりに金を出せ、とか
騙される方が悪い、とか。だからこっちもどんどん人が悪くなって
インド人が信用できなくなったりして何かと身構えることになる。


インド人全てがそういう人間ばっかりかというともちろんそうじゃない。
もちろん正直なインド人の方が数としては多い。
要はてめえふざけんじゃねえ的インド人があまりにも目立ちまくるから
インド人は信用できない、って話になる(他の国でも言えることだけど)。
こりゃ真っ当なインド人には迷惑な話ではある。


真っ当なインド人にもたくさん出会っている。

コーチンの宿のすぐ近くにあった傘工場は手作りで傘を作っていて、
販売もしていた。そこで傘を買ったけど、すごく安くてびっくり。
安いのにちゃんとした作りでまたびっくり。2本買ったら安くしてくれた。
何だか申し訳ないぐらいだったなあ。その傘、まだどこかにあると思う。

カニャークマリからマドゥライ行きのバスに乗った時、小さなバッグを
ターミナルの待合室に忘れてきた。
私はそれに気付いていなかったが、待合室で近くに座っていた女性が
走って追いかけて来て、バスに乗っている私にバッグを渡してくれた。

夜行列車の中で、向かいの席に座っていたちょっと身なりの良い老夫婦は
「荷物が取られないように気をつけなさい、鍵とチェーンを持っているなら
私たちのように網棚に結び付けておきなさい」と忠告してくれた。

カタカリダンスの小さな劇場。
踊り手の顔につける飾りの準備をしているのは聾唖の青年。
にこにこと微笑みながら、身振り手振りで付ける場所を指し示す。
毎日の仕事なので手際は恐ろしく良い。

一言も英語の分からないニューデリーの老いたリクシャワーラー。
乗ったものの、走り出してすぐ、何かのパレードで通りを渡れなくなった。
じっちゃんは、パレードを指差し、ここで降りろ、と身振りで言う。
リクシャを降り、ここまでならいくらだ、と怪しいヒンディで訊くと
激しくかぶりを振り、いらない、と言う。乗っていないからいらない、と
身振り手振りで言う。そして、あっちの乗合馬車に乗れ、と指差す。
感動して5ルピーを彼のしわくちゃの手に押し付けた。

バラナシの裏通り。
小さいがずいぶんと地元の人で流行っている店でチャイをしばいた。
さて、と立ち上がり、2人分のチャイ代2ルピーを置いて店を出る。
ぶらぶら歩いていると、チャイ屋の店の子供が何か叫んで追いかけてきた。
あれ、チャイ代が足りなかったか、と足を止めて振り向くと、
その子は20パイサのアルミ硬貨を2枚私たちに手渡し、駆け戻って行った。
ああ、チャイは1杯80パイサだったのか。
子供の背中に「Thank you!」と叫ぶ。彼は振り返り、手を振った。


だからインドが嫌いになれないんだよなあ。
行ったらどうせ毎日何かで腹を立てるんだろうけどさ。

インドはまだちょっと遠い。





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最終更新日  2007.10.17 23:19:53
コメント(17) | コメントを書く


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お邪魔します   りゅうLONG さん
はまりますねぇ・・・・(^@^)
この雰囲気・・・・最高です(^@^)
いよいよ行かなければ・・・
そのときはストーカーよろしく
こっそりと後ろからついて行きます(^@^)
ではでは (2007.10.17 23:52:25)

どの国でも   トイモイ さん
向こうからいいよってくるのは、まあ、大抵カモを探しているだけですね。ただ、インドは100倍ぐらいぼったくろうとするから目立つだけだよね。 (2007.10.18 00:07:50)

どの国でも   トイモイ さん
向こうからいいよってくるのは、まあ、大抵カモを探しているだけですね。ただ、インドは100倍ぐらいぼったくろうとするから目立つだけだよね。 (2007.10.18 00:07:51)

Re:なぜ悪口を言いながらインドが好きなのか?(10/17)   alex99 さん
私もインドへは行ったことがありますが、ビジネスの出張だったから比較になりません。
インド人と中国人の比較はどうですか?

(2007.10.18 02:05:51)

Re:なぜ悪口を言いながらインドが好きなのか?(10/17)   ぼちぼち7203 さん
私はインド以外の外国でインド人の友人が出来ました。彼等は国の話を沢山してくれました。
一番印象に残っているのが、かくし芸のダンスと歌です。それを英語に訳した時ですが、
日本語の禅問答のようで、(宗教的な何か、、だったと思う)英語にするには英語がちょっと場違いだったようで・・(笑)something anything とか、、もう涙が枯れるまで大笑いしたものです。
食事に関して、毎日の暮らしに関して、、他にも沢山話しました。今では懐かしい思い出です。
息子の一人旅は初めての国がインドでした。
彼は以来、続けてネパールにも行き、嵌ってます。
こういうお話を読ませていただくと、病気・・が出てきそうです。(笑)


(2007.10.18 06:55:06)

Re:なぜ悪口を言いながらインドが好きなのか?(10/17)   alex99 さん
インドは、大好きになる人間と大嫌いになる人間に別れるようですが、私はボンベイ(今のムンバイ)の空港から都心に向かうタクシーの車中でインドの田園風景を見て、それから高級住宅街にあった支店長の社宅で朝を迎えた時の大量の鳥のさえずりを聞いて、瞬時にインドへの恋に落ちました。

韓国・中国人と異なって、日本人への反感というものが無い点もいいですね。

(2007.10.18 07:36:01)

Re:お邪魔します(10/17)   風任 さん
りゅうLONGさん
中国とは立腹ポイントが微妙に違いますが(笑)、
なんでもありで何が起こるかわからないところが素敵な国です。
やはりツアーなどではなく宿の予約なし一本勝負でぜひどうぞ。
旅のスタイル次第ですが、月3万円あれば結構楽しく暮らせます。
(2007.10.18 08:30:21)

Re:どの国でも(10/17)   風任 さん
トイモイさん
頼んでもいないのに向こうから日本語や英語で擦り寄ってくるのは
インドのみならずどこの国でも最高に警戒すべき対象ですね。
ぼったくり方もみえみえなので後で思えば楽しいです。
(2007.10.18 08:33:23)

Re[1]:なぜ悪口を言いながらインドが好きなのか?(10/17)   風任 さん
alex99さん
インドは王侯貴族の生活から乞食の生活まで何でもできるので、
豪華パックツアーで行くかビジネスで行くかバックパッカーとして行くか
ボランティアで行くか留学で行くかで全く見る場所が違うでしょうね。

中国も凄まじい格差社会ですが、階層間の乖離はインドほどではありません。
インドはカーストや宗教などで人々が細かく区切られていますが、
中国は満遍なく拝金主義という一神教の宗教に染まっていると言えます。
(2007.10.18 08:41:28)

Re[1]:なぜ悪口を言いながらインドが好きなのか?(10/17)   風任 さん
ぼちぼち7203さん
インド人と話していると、この人と自分は見ている世界が違うのだろうな、
と良きにつけ悪しきにつけ思うことが良くありました。
何というか、そういう世界があるのか、と思いつつも
彼らと同じように感じることはきっとできないのだろうな、という予感。
認めることはできるけど理解はできない、ということがあると
初めて心底実感できた国です。話せば分かるなんて嘘だ、と。
だから面白いのですね。ぼちぼちさんも1度いかがでしょうか。
(2007.10.18 08:56:06)

Re[1]:なぜ悪口を言いながらインドが好きなのか?(10/17)   風任 さん
alex99さん
インドのどこをどう見るかでインドに対する印象は全く違うでしょうね。
汚くて美しくておぞましくて神々しくて下品で上品で最低で最高です。

召使を道具のように自然に使える人がいることにも驚きました。
道具扱いされても何の感情も示さない人にも。
人はみな平等である、という日本での教育ががらがらと崩れていく
ある種の爽快感を感じて以来、インドに捕まってしまいました。

インドは結局何もかもを混沌の大海に飲み込んでしまいます。
仮に日本が先の戦争でインドを植民地にしたとしても、その遺恨は
反感という形ではなく日本をなし崩しに丸め込むことで晴らすのでしょう。
(2007.10.18 09:04:49)

Re:なぜ悪口を言いながらインドが好きなのか?(10/17)   いしま3430 さん
うわー
ワクワクしますね、この感じ。
一度はだまされて盗まれそうだけど。

試したらはまるのだろうか。。
(2007.10.18 14:36:08)

Re[1]:なぜ悪口を言いながらインドが好きなのか?(10/17)   風任 さん
いしま3430さん
騙されるか盗まれるか病気になるか、とにかく何かしら嫌な目に遭うのは
おそらく100%であると保証いたします(爆
しかし、マザーテレサが暮らしていたのもこの国なのですよね。

ハマる人はハマりますし、ダメな人はとことんインドを嫌いになります。
しかし、中国で普通の中国人と日々付き合っているなら
結構インドも大丈夫なのではないかという気がします。
そっちの方は100%保証はできませんが。
(2007.10.18 20:36:22)

Re:なぜ悪口を言いながらインドが好きなのか?(10/17)   Lucy Wen さん
インドにはまだ行きたいと思ったことのない私でも
この数々のエピソードを読んだら思わず日本脱出したくなりました。
いつもより長い文章に、風任さんの思いが溢れているような気がして熱いものを感じます。

ちなみに私は出張で中国に行くと中国初体験の上司に
「だってここは中国ですから」を乱発しています。
インド、中国あたりに通用する免罪符ってやつですかね。(笑)



(2007.10.18 23:00:36)

Re:なぜ悪口を言いながらインドが好きなのか?(10/17)   郡山ハルジ さん
20年前にインドを旅したとき「“生きる”というのはこういうことなんだよな」と思いましたが、同時に「これがほんとに“生きる”ということなら、生きていたくないや」とも思ったのを思い出しました。
今は仕事で教養ある上層のインド人(...に違いない)と仕事をすることがありますが、「いつまでに何をする」といった基本的な約束事が成立したためしがなく、いまだにあの文化は克服できずにおります。 (2007.10.19 11:31:46)

Re[1]:なぜ悪口を言いながらインドが好きなのか?(10/17)   風任 さん
Lucy Wenさん
>インドにはまだ行きたいと思ったことのない私でも
>この数々のエピソードを読んだら思わず日本脱出したくなりました。

大陸経験者ならインドもそこそこいけると思いますがいかがでしょう?

仏教や各種哲学が生まれた地でもありますが、この地で奇麗事の哲学なんぞ
屁のつっぱりにもならない、ということがとてもよく分かります。

>ちなみに私は出張で中国に行くと中国初体験の上司に
>「だってここは中国ですから」を乱発しています。
>インド、中国あたりに通用する免罪符ってやつですかね。(笑)

タイや香港や台湾ではそういえば言ったことがないなあ。
中国とインドがすごすぎるのかもしれませんねえ。
「だって○○だもん」はオールマイティの免罪符です(笑
(2007.10.19 18:44:11)

Re[1]:なぜ悪口を言いながらインドが好きなのか?(10/17)   風任 さん
郡山ハルジさん
>20年前にインドを旅したとき「“生きる”というのはこういうことなんだよな」と思いましたが、同時に「これがほんとに“生きる”ということなら、生きていたくないや」とも思ったのを思い出しました。

ああ、それすごく分かります。ほんとにそうですよね。
人間として生まれるのって結局カルマなんだな、と私も思いました。

>今は仕事で教養ある上層のインド人(...に違いない)と仕事をすることがありますが、「いつまでに何をする」といった基本的な約束事が成立したためしがなく、いまだにあの文化は克服できずにおります。

そもそも約束というのは自分にとってあくまで都合の良い決まりごと、
という程度の認識なのだろうと思います。
あんたのところはそういう文化なんだろうけどこっちはやってらんねえよ、
ってやつですよね。相互理解なんて到底不可能です(断言。
(2007.10.19 18:48:03)

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