だだもれ堂筆記

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• 何が正解かなんて分からんがとりあえず物事を正確に伝えるために最大限の努力はした。

  何はともあれ一学期最大の仕事のヤマを越え、今日は昨日までの余勢を駆って怒涛の週末になだれ込むつもりだったのだけど、思いがけないことで神経を使う1日になった。ある子供の保護者。たまたま別件で立ち話をしていたのだが、話が次第に穏やかじゃない方向へ。担当の先生の方針に納得のいかないところがある、自分が何か言っても嫌そうな態度で聞いているように見えるし対応の仕方が変わらないので不信感がある、と相当鬱憤がたまっている様子。先生には直接言えなくても、教師じゃない立場で脇でちょろちょろしている私のような中途半端な立場の人間の方がおそらく距離が近く感じるのだろう。話を丁寧に聞いた上で「お母さんも大変なのに一生懸命がんばっているのはよく分かる、そう感じるのも自分としては分からないではないし、子供のためでもあるので気になることがあったら遠慮せずどんどんぶつけてほしい」と彼女に伝えたところ、聞いてもらってよかった気が楽になった、と言ってもらえた。なんだかんだで都合20分ぐらい話していただろうか。同僚の先生がこちらをしきりに気にしている。その後、同僚からどんな話でしたか、って訊かれるあたりから始まっていろいろ教師間でやりとりがあり、結局問題になっている先生の監督的立場にある先生から親御さんに連絡をした模様（具体的にどんな感じだったかは私が体育で子供たちの鉄棒の練習に付き合っていたので分からない）。私はとりあえず親御さんの懸念を先生たちにストレートに伝えたが、当の先生が今後どう改善していくかは私の領分ではないので生暖かく見守ろうと思っている。思ってはいるが、さすがにあんたそりゃダメだろ、的な部分はやんわりとでも伝えないと拙いよな、とも思っている。教員としての知識はともかく、親、特に女親とどう付き合うかに関しては自分自身がおばさんである分多少場数は踏んでいる訳で。今度その保護者に会ったらまた話を聞こうと思っているが、今回彼女の不満が私経由で先生たちに伝わったことが彼女にとって本意だったかどうかは分からない。もしかしたら言ってほしくなかった、と思っているかもしれない。しかし彼女が何度言っても変わらなかったその先生の対応（は私からみてもちょっとやりすぎじゃないのか、と思っていたので、彼女の気持ちが分かるというのは本当だ）が、今回のことで少しでも変わるとしたら少なくとも子供にとっては良かったのかな、とも思う。とりあえず自分がどう思われるかより子供が幸せであることが大事ではあるけど、やっぱり親のフォローってのもかなり大切な仕事だよな、と些か複雑な気分で帰宅。

  2014.06.27

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• 知ってるようで知らないクラス

  今の仕事で何が面白いといって、教える関係ということももちろんあるんだけど、教える以外の諸々が面白い。というか教えるのは全然メインじゃなくてむしろサブ業務。校外活動について行って道路を歩く時の誘導とか励ましとか叱咤とかトイレ探して走り回るなんてことがあり、更に予想外の事態が起きたりもするので実はかなり気が抜けないのだが、目を配って危険予測をしながら如何に安全に担当している子どもだけでなく他の子どもたちを目的地にたどり着かせるか、というのが仕事。こういうのってかなり気疲れするんだけど、でも楽しい仕事でもある。子どもたちとわいわいやり取りしながら外を歩くのはなかなか楽しい。畑仕事の時間がある。予め畑を耕し、元肥を入れて畝を作り、子どもたちが苗を植えたり種をまいたりする。時々一緒に草取りをする。この間は芋ほりをした。掘りきれていない芋が無いか、鍬で畑を耕しがてら掘り返す。芋の蔓の葉を落とし、リースを一緒に作る。この日の作業着に着ていったジャージは泥と芋の蔓の汁だらけになった。近いうち今度は掘った芋の料理会がある。子どもたちと焼き芋をしたりさつま汁を作ったりする予定。手の洗い方を教える、靴の履き方を教える、鉛筆の持ち方を直す、ズボンの中にシャツの裾を入れてやる、給食の食べ方箸の持ち方を教える、全て一緒にやりながら手取り足取りというのはまだるっこしいといえばまだるっこしいけど、何度もやっているうちにできなかったことができるようになるのを見るのはうれしい。この子が通常級にいると周りの子が迷惑するだろう言動がどうしても止められない子、知的だけでなく体力的にもかなり厳しくて行事の参加が難しい子、暴れ始めたら数人がかりで取り押さえなくてはならない子、ほとんど言葉の出てこない子（支援学校か支援級かかなり迷ったらしい）、おむつの取れない子など、支援級にはいろんな子がいる。それでもこの仕事、「子どもが成長していく」のを間近で見られるのが楽しいのかもしれない。教えるというより一緒にやっていく、やってみせる、やらせてみる、ちょっとだけ手伝ってみる。大変なこともあるけど、ただ教えるだけよりなんだか楽しい。ったくしょーがねえなあ、と思いつつ、でもまいっか、と日々が過ぎていき、いつの間にか子どもたちはできることが増えている。特別支援級はやっぱりいろんな点で普通級と違う。違うからよくわからない、だから大人からは遠巻きにされるとか、特に高学年になると普通級の子たちとの距離ができてしまう。それがわかるだけの能力のある子にとっては辛いことだろう、と思う。でもやっぱり彼らは彼らなりの速度でちゃんと育っているし、支援級の子どもたちの実情を知らない人が思うよりもはるかにいろんなことがわかるし、いろんなことができる。知的に全く問題の無い子は支援級全体の1/3強。将来が無限に広がっているわけではない子も正直多いとは思うけれども、それでもみんなが幸せだと思える人生を送れるように願いつつ明日もジャージで出動する。

  2013.10.22

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• シーズン初日

  今日から7月。本格的なお中元シーズンに突入した。6月最終週あたりからぽつぽつお中元が入ってきていたが、7月1日が解禁日というか、お中元シーズンということになっているので普段より多くの荷物が入ってきた。とはいうものの、今日は月曜日ということもあったせいか予想よりかなり少なめ。普段月曜日の荷物入荷量が少ないのは、企業などからの日曜日発送の荷物が少ないからだが、お中元はあまり関係ないと思っていた。でもやっぱり関係あったのかなあ。それとも猫や飛脚にシェア食われてるのかなあ。猫経験者から見るとどう考えても効率の悪いやり方ではあるが、確かに働く側の立場としては楽だ。楽だけどまあいろいろ思うところはある。こんな作業ここをこうすればどうとかなるだろうにもうちょっとどうにかならんか、とか。ただ言ったところで仕方ないし、今までのやり方で効率はどうであれとりあえず回っているんだから現場も変える気が特にある訳でも無さそうだし。期間限定の立場でどうこう言うつもりは無いけど、だから猫や飛脚にお株を奪われるんだよね、とは思う。会社になってもいろいろお上に守られて危機的状況にならないと思ってるみたいだし、親方日の丸体質が変わるのは当分、というかつぶれない限り無理なんだろうな、やっぱり。そういえば不在時の再配達システムとか時間帯指定システム、現場で使う端末機器などなど、旧国営は民間、とくに猫には完全に水を開けられてる。あんだけ人いっぱいいるのに猫や飛脚にできることが何故できないんだ、と思う。どうして鳥のシステム受け継がなかったんだろう。ここでバイトするたびにそういう風通しの悪い体質に毎度うんざりしてしまう。現場で働いてる人たちは良い人なんだけど上の正社員はなんだかな、な人も多い。上司にすごく良い人が1人いて朝の常勤にスカウトされたんだけど、この体質が続く限りは申し訳ないけどお誘いを受ける気にはなれない。結局旧国営より猫が贔屓なのだな私は。自分で発送する荷物はほぼ全て猫利用だし。

  2013.07.01

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• さてと

  4月から勤務先が異動になり、今日は新しい勤務先で打ち合わせ。同じ仕事のはずなのに、やはり所変われば少しずついろんなことも変わる。メンバーもまだ気心知れないので、やはり多少緊張する。こういう変化が煩わしいといえば煩わしいが、それなりに歳を食っていることもあってまあ大枠ではそう変わらないわな、細かいことはやってくうちに分かってくるじゃろ、と気を揉まなくなった。起きるべき事は気を回そうが回すまいが起きるのであって、先回りしてあれこれ案じても仕方ない。幸い基本的に善人（世知に長けた人に言わせれば「世間知らず」かもしれない）が大半の職場なので、気を回しすぎる必要が無いことも分かっている。特別支援教育ということに関わっていると、普通と障害との境界は本当に曖昧なものでしかない、と実感する。一般クラスの子とはほんの少しの差でしかないという子もいるし、一般のクラスではちょっと無理だろうな、という子もいて、それぞれに個性もあるし能力にも様々なグラデーションがある。同様に一般のクラスの中でも、落ち着いている子もいれば結構厳しそうだな、と感じられる子もいて、それぞれの子供にとっていったいどういう状況がベストなのか、ということを考え始めると、結局のところ一斉授業の多人数クラスという場でクラス全員のそれぞれのニーズを満たすことは不可能だとしか言えない（そのありえないことを個人的に要求するのがモンスターペアレンツ）。教育的ニーズを満たす、という視点だけで考えれば、もしかすると将来的には1人1人が端末を通じて本人のレベルや特質に合わせた個別学習をする、というシステムになるのかもしれない。横並び同質性大好き日本人がそれを受け入れるかどうかはともかくとして。

  2013.04.04

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• たなぼた

  乾燥中の関東地方ではあるが、昨日今日とこの辺りでも最低気温が－5度ぐらいまで下がっているので、朝は地面がかりかりと凍っている。晴れて風さえ無ければ寒いのは－10度以下でも全く問題ないので、こういう天気が続くのはむしろ気持ちが良い。いくら寒くなってもこの辺りじゃ真冬日になることはまず無いし。ちょっと前にひょんなことから以前勤めていた職場の上司とイベントで久々に会い、週2～3日で夕方から3時間ぐらいの仕事があったらやれるかも、という話をした。言ってはみたもののそううまい話もあるまい、と思ってそのことは忘れかけていたのだけど、ほんとにそういう条件の仕事の声がかかった。何でも言ってみるもんだ。職場もかなり近いし、体力勝負の仕事でもない（笑まさに犬も歩けば棒に当たる的な話で、コネクションで決まる仕事ってのも世の中には結構あったりするんだなあと今更ながら思う。この職場は個人企業じゃなくて結構規模が大きい（関東一円に事業所あり）んだけど、いいのかなあこんな決め方で。まだ正式決定はしてないけど、仕事が向こうから転がり込んでくるとはこのご時勢にありがたい話だと感謝。

  2012.12.11

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• ダブルワーク（笑

  年末にバイトした旧国営から電話が来た。お中元シーズンの仕分けに来てほしい、というお誘い。この仕事、確かに年末のバイト募集でも希望者が少ない感じで来てくれるんだったら何でもいい状態だったが、お中元シーズンもそうなのだろうか。とはいえ、今は一応日中の仕事を持つ身。向こうが提示した時間は無理。無理を承知で、今の仕事の関係で8時半までしかできない、また今の仕事の都合上出勤できない日がある、と言ってみた。さすがに向こうの条件より働く時間が短いと採用は無いだろう、とすっかり油断していた。すると翌日再び電話があり、8時半まででもOK、出られない日はあらかじめお知らせいただければOK、と言われてしまった。そんなに人手不足なのか、と思ったが、せっかくこっちの都合が押し通せるならお中元期間の1ヶ月ほどちょっと小遣い稼ぎに早朝バイトもいいか、終わってから今の仕事に出勤するのも十分可能だし、7月はそれほど忙しくないし、と受けることにした。猫に比べれば楽勝の仕分け業務。経験上お歳暮よりお中元の方が仕事は少ないだろうという見当もつく。体のあちこちの痛みもここ1週間ほどぐうたらしていたせいで今はだいぶ良くなった。しかしこんなの受けちゃうとまた年末に旧国営から「仕分けやりませんか～」という電話がかかってくるんだろうなあ（笑ま、かなり楽な仕事なので時間が取れたら行ってもいいけど。

  2012.06.16

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• 師走突入

  今日から12月。猫の会社に入っていきなり年末のお歳暮シーズンに突入し、怒涛の配達しまくり走りまくりで息つく暇も無かったのは1年前。当時の支店長が「一番のお祭りシーズン」と言ってたのも当然の、今思えば激務だった。アオタさんは今日はどうだっただろう。殺気立ったドライバーさんとかピリピリしている仕分け担当がものすごい勢いで営業所内を行き交っていたのだろうか。さて、1年後の今は旧国営。いくら旧国営とはいえさすがにお歳暮シーズン初日の今日はえらいことになるのでは、と身構えていた。確かに荷物量も昨日に比べるとどっと増えていた。増えていたが、猫に比べるとすげえお気楽な数。あの猫のトラックは実はこの時期にはとんでもない量が積み込まれている。去年はウォークスルーのトラックに同乗していたが、私は巨大な段ボール箱に挟まれるようにして隙間に立っているのがやっとだった。そういう時の荷物の数は確か約190個。その後別のルートに同乗するようになったが、そのコースのお中元シーズンは朝一の持ち出し数が更にすごいことになっていた。このMax状態を1猫ドラ（猫のドライバー）計算すると、朝一便の入り数＝4または5猫ドラ。昨日までに届いている期日指定便を入れてもおそらく6猫ドラぐらい。旧国営は配送の車両が軽ワゴンなので、猫に比べて車体が小さいから一人当たりの荷扱い量が少なくなるのは分かる。だがそれにしてもやっぱり荷物の量が全然違う。改めて猫の威力を実感した。仕事は辞めてもやはり猫には結構愛着がある。仕事がとにかくシステマティックに整理され無駄の無い形になっていて、しかもそれを運用する人間の裁量をある程度許容する（現場が修羅場になっていながらもとにかく何とかする、ということも含め）という点で、旧国営をはるかに凌駕している。とはいえそれなりに量が多いし別便が入ってきたこともあったので定時までには捌ききれず、1時間残業はしたものの後半30分ほどはもうあらかた仕事は終わってまったりしていた。こんな感じだと修羅場シーズンでもそれほどむちゃくちゃなことにはならずに済みそうで、その点ではやっぱり猫よりもずっと楽だ。あ、あとひとつ猫より良いのは、もしかすると今の支店に限ってなのかもしれないが、荷扱いが丁寧。これも効率か利益とかに猫よりもそんなに厳しくないからこその副産物なのかもしれない。

  2011.12.01

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• 同業他社

  いよいよお歳暮シーズン。昨年は猫の会社でハードな1か月（とその後約10ヶ月）を過ごしたが、今年は同業他社（某鳥の会社を吸収合併した旧国営）で荷物の仕分けをすることになった。時給は猫より安い。が、安いには訳があるんだろう、おそらく絶対楽に違いないと思っていたらやっぱり（笑一言で言って、良くも悪くも旧国営はユルい。働く立場から言えば労働環境は猫の営業所よりずっと良い。屋外同然で屋根があるだけまだマシ、ぐらいの猫の営業所と違って、荷下しの場所は風雨から守られ、仕分けも外気と遮断された屋内で行う。雨風の吹き込む猫の営業所とは違って、床はきれいだし従業員ロッカーや休憩所もきちんと整っているしトイレもあちこちにあって数に余裕もある（私のいた営業所はドライバーを入れて60人はいたが、トイレは男女各1）。コンプライアンスに関するDVDを見たり書類を書き込んだりということまで労働時間に入るというのも驚きだった。猫だと書類に記入して契約が済んだらさあ現場へGO、あとはドライバーさんとか仕分けのアシストさんの指示を受けつつ忙しい業務の合間を縫って仕事を教えてもらいながら覚える（だもんでいつまで経っても覚えられないと同僚に疎まれ、居辛くなって辞めるというパターンが多発）という完全現場主義だったので、いいのかなあこれで時給もらって、とつい心配になる。しかしいかんせん、仕事自体のシステムという点では猫の経験者から見るとどうにも効率が悪い。詳しいことは書けないが、猫なら端末で全て処理していたことが、旧国営では手書きだったりいちいち帳簿に記入したりと時間がかかる割に効果があるか疑問を感じるようなことが行われている。ど寒中でも大汗をかきながら荷物の仕分けをしたり積み込んだり伝票をチェックしたりと火を噴くような猫の修羅場を見てきているので、旧国営では忙しいといってもどうにもまったりしているようにしか見えない。これじゃ荷扱いが猫の一人勝ちになるのも仕方ないな、と思いはするが、働く方は猫に比べればずっと楽。都合の良い時間帯に短時間なので、しばらくまったりやらせてもらうことにした。

  2011.11.29

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• 宅配のバイト

  今回この業界に入ったのは、12月の1か月限定、年末のお歳暮シーズンの配送補助のバイトだった。荷物の多いコースのドライバーさんのトラックに同乗し、指示通りの家に行き荷物を配達して伝票に印鑑をもらう。不在の場合は不在票に記入して投函する。要はこれだけなので簡単。と思っていたら。結構これ以上のいろいろ、差しさわりの無い範囲で言えば、たとえばドライバーさんが手が空いてなくて電話に出られない時に代わりに出るとか、代金引換の荷物の金額計算とか、出庫前に荷物の伝票を剥がして端末でバーコードを読み取るとか、仕分けの荷物を担当の場所に運ぶとか、集荷した荷物を下ろすとか、ホントはもっといろいろあるんだけどほんとはバイトがやっちゃいけないこともやってるかもしれないので割愛。まあ要するにあまりにもくそ忙しかったので、ルール守ってたら終わらねーよ、ということではある。繁忙期が終わってもそれなりに配送補助のニーズはあるらしく、営業所長から雇用延長とバイトからパートへの身分変更の話があり、まあいいかと続けることにしてそのまま今に至っている。繁忙期でなければ週4日、仕事は遅くても1時半から2時には終わって帰れる。昼食は帰宅後なので、やや遅いが午後は結構のんびりできる。繁忙期になるとパートの自分は基本週5日、帰れるのは3時頃になる。昨日今日のように夕方まで乗るとなると、営業所戻りが2時半から3時、その後午後に営業所に到着した荷物を積んですぐ出発、6時半過ぎまで配送と集荷、再び営業所に戻って荷下ろしまでやると休憩時間はほぼ０で働きっ放しになる。ただ、トラックに乗ってるだけの時間もそこそこあるのでそれが休憩タイムと言えなくもない。昼食も、ドライバーさんや営業所長の裁量で短時間だけど営業所で食べる時間を取ってくれることもある（があまり期待しない方がいい）。食事はおにぎりとかサンドイッチとかの食べやすいものにするのが無難。ドライバーさんも、片手にハンバーガーを持って食べながら伝票のチェックとか荷物の積みこみをしてたりする。普通の弁当を食べるのは繁忙期には無理かも（笑別の形の配達補助だとまた話は変わる。台車に荷物入れのボックスを積んで、そこに担当エリア内の荷物をどかどかぶち込んで1人で歩いて回って配達するという場合もある（主にターミナル駅周辺やオフィス街など都会だとこの形態かも）。この場合はある程度自分のペースで動けるので休憩も取りやすいかもしれない。が、さすがにおおっぴらにカフェでまったりというのはNG（笑。営業所に通報されるかもしれないし。この勤務の募集広告を見たことがあるのだが、結構小ぎれいな格好で見るからに軽そうな荷物を持ってにっこり微笑んでいる女性（特に美人ではない）の写真が載っていて、「こんな荷物だけじゃ苦労しねえわ！」と思わず毒づいた。20kgの冷凍豚骨とか30kgの米とか3メートルの何かのパーツとかを運んでる女性の写真も載せないと納得いかんぞわしは。気が付いてみれば半年以上働いていて、半年前だったらこういう勤務だと夜はへろへろで使い物にならなかったのだが、今は確かに疲れてはいるものの特に辛くは無い。ちょっと足や腰が疲れたな、とは思うが、帰宅したらもう何もできない、というほどでもない。要するに体力がついたということなような気がする。あちこちの関節の痛みを除くと体調はかなり良い。体重も体脂肪も大幅減。相棒のドライバーさんなどは、繁忙期の体脂肪率は一桁になると言っていた。アスリートかよ（笑

  2011.07.02

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• 業界秘話（でも何でもない）

  宅配便業界は、1年に2回bigwaveがやってくる。12月のお歳暮シーズン、そして7月のお中元シーズン。12月のお歳暮シーズンは1年で最大のお祭りわっしょい状態で、12月1日から怒涛のようなお歳暮攻勢にさらされたドライバーはもう必死。お歳暮が一段落しても、今度は帰省や旅行の荷物、クリスマスプレゼント、正月用品やおせちの配達で年内はもうとんでもない状態になる。普段の倍の荷物なんてのもよくある話。それに次ぐのが今日から本格的に始まったお中元シーズンで、年末に比べるとピークの期間は短いし物量も12月ほどではないが、やはり通常期より3割は増える。この時期に個人集荷依頼、それも午前中指定の上に普通の荷物じゃなくてメール1通だったり、「荷物の再配達お願いします、12時に来てください」などとピンポイントで時間指定されたりすると、実は多くのドライバーが「マジか、この忙しい時にぃぃぃ！」と車の中で叫んでいたりする。皆さん、気に食わないドライバーに対する嫌がらせ以外に、7月12月の繁忙期にそういうことをするのは極力止めましょう。メールはコンビニでも受け付けてるし、再配達は確実に家にいる日付と時間帯（できるだけ長く、可能な限り午後）を指定してあげてください。そんな訳で今日から始まったお中元攻勢。初日の今日は8時半から18時半までほぼ休憩無しで仕事。それでも私は年末のお歳暮の修羅場を経験しているので、まだマシと言えるかもしれない。暑さと忙しさで昼食を食べる気にならず、スポーツ飲料や麦茶などの水分を3L近く飲みまくっていたが、仕事中トイレには2回しか行ってない。飲んだ先から汗になって流れている感じ。健康に良くないのかもしれないけど、体が水分しか受け付けなかった。お中元は6月中もしくは7月下旬以降に出してもらえると分散されて楽なのだが、そうは言っても浮世のしがらみというのもある以上仕方ない。何とかこの半月余りのお中元攻めを乗り切りたいと思っている。それに、うちの会社を使って荷物を送ってくれれば1個10円が被災地への寄付になることだし。「宅急便ひとつに、希望をひとつ入れて。」のシールを車体に張った会社をどうかよろしく。

  2011.07.01

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• 脛に傷持つ身

  構内作業中、重い鉄製の台車にうっかり脛をぶつけることがある。これがすっげえ痛いのなんのって。長ズボンを穿いていても脛が切れていたりする。半ズボンだったらひとたまりも無かろう。某飛脚系のドライバーさんは夏は半ズボンの制服があるので正直言って羨ましいのだが、こんなふうに脛をぶつけた時だけは半ズボンでなくてよかった、と心底思う。それにしても4月にぶつけた脛の傷は結構切れていてどうやら深手だったらしく、かさぶたが取れたのが5月で、痛みはないものの今もケロイド状に傷口が赤く盛り上がり薄い膜が張った感じで完治していない感じ。恐るべし、鉄製台車。と思ってたら、今日またうっかりやっちまったよ反対側の脛。今回はざっくり切れるほどではないものの軽く切れていて、周囲が腫れ上がっている。これも治りにくいということは無いだろうがうっかり触ると痛い。その他にも、肩や腕、足のあちこちにいつやったか覚えのない打ち身や擦り傷がたくさんあって、青とか紫とか赤とか結構カラフル今日相棒のドライバーさんから、会社支給の安全靴を履いていないと事故で足を怪我した時に労災認定されない、と聞いた。会社支給の靴が足に今一つ合わず、親指の側面にタコができてしまうので古くなったジョギングシューズで仕事していたのだが、もしものことを考えると我慢して履くべきなのかもしれない。実際重い荷物を取り落しそうになることがあって、これを足の上に落としたら骨折しそうだよなあ、と思ったこともあるのでやっぱり安全靴が良いのだろうか。てか冷静に考えると安全靴を使う職場ってもしかして結構ハードなのかなあ、今頃気づいても仕方ないんだけど。にしても安全靴だと走りにくくてすごく鬱陶しいんだけどなあ。ううむ。

  2011.06.17

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• 変装

  バイト先の雇用形態が変わってパート扱いになったので、制服一式も支給されることになった。それこそ頭のてっぺんからつま先まで。靴はちゃんと安全靴だった。制服は辞める時に返す（悪用する奴がいるかもしれないので）のだが、会社のマークがついている服と違って、靴はぱっと見てすぐに勤務先がわかるような代物じゃないのでおそらく支給だろう。安全靴は当面使い道がある訳ではないが、ちょっと欲しいと思っていたので何となく嬉しい。全部着てみると、まさに宅配便の人と化した。これは面白い。何というか、コスプレやってるような気分になる。これを着ている時知り合いに会ったとしても、すぐには気付かないだろう。「制服」ってのは、それを着ている人の個人的な人格を隠して、制服が持つ意味という記号だけにする作用がある。この制服を着たままスーパーに買い物に行ったり市役所に書類を取りに行ったりPTAの会合に出たりしたら、ものすごく違和感があるだろうなあ。そう考えるとちょっとやってみたくなるのだが、どう考えても要らぬ誤解を招きそうなので我慢しなくちゃ。ちぇっ。

  2011.01.20

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• おとどけものでーす通常期編

  宅配便の仕事に戻って数日。1年で最も忙しい12月を経験すると、通常期の今は荷物の量も減ってお気楽なことこの上ない。繁忙期はドライバーさんたちもピリピリしていて、もたついていると叱られたりもするが、今は皆どこかのどかでまったりしている。おかげで私も久々の仕事復帰で勘がすぐには戻らなかったが、とんでもない量の荷物を運ぶ訳でもないのでドライバーさんものんびりしていて救われる。やってて思ったのだが、この仕事って方向音痴の人には勤まらないな、と思う。入り組んだ裏道の住宅地などでは、車を停めて走ってあちこちに荷物を届けるのだが、その時道をちゃんと把握しておかないと慣れない場所では容易に迷子になる。「加藤さんの家の横にある細い道を入って突き当りを右に行ってすぐ左の道に入って右から2軒目の緑色の屋根の家の2階」とか口頭で言われて一発で覚えるのは私には難しい。だもんで、そういう時は加藤さんの家の横の道をイメージし、そこを移動しながら変わる景色をシミュレーションしつつルートを映像として頭に描く、という作業をする。字面だけでは私には覚えられない。ようやく年末に行った家の名前や場所もだいぶ思い出してきた。年末の戦場から離脱し、ようやく戻ってきた職場はすっかり平和な景色。このユルさに便乗して、あんまり頑張らず程よく働こうっと♪

  2011.01.19

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• 不思議

  「仕事探してるんだけど良い仕事がなかなか無くって」と母親仲間が時々言うのを聞く。確かにこのご時世、そう簡単に仕事なんて見つからないだろうな、と思っていた。でも、以前の経験があるとはいえ某宅配便会社にはあっさり採用してもらえたし、この先も自分さえその気なら働き続けることができる。自分に関して言えば正直言って仕事探しに全然苦労していない。同じバイトの男の子はドライバーにスカウトされてたし。以前光ファイバを入れる時に工事に来てくれたのは若い女性だった。彼女は最初は工事の交通警備のバイトをしていたのだが、そのうち工事会社の人と仲良くなってヒマな時にあれこれ手伝ううちに工事の仕事にスカウトされてこの業界に入った、と言っていた。仕事が決まるのって、きちんとした募集応募採用みたいな流れとは別に、そういうよく分からないうちになし崩しに仕事が決まっちゃう、みたいなパターンも結構多いんじゃないのかなあ。そんなに簡単に仕事に就けるんだったら、就職難の話っていったいどうなんだ、とか思ってしまう。たぶん求人と求職のミスマッチみたいなのがあるんだろうな、と想像している。首都圏近郊のこの辺りだとあれこれ選り好みし過ぎさえしなければ、そして本人に何とかしてやろうという気があってそこそこその業務を遂行する能力があれば、それなりに仕事はあるんじゃないのだろうか。小さい会社だからとか学歴のプライドがあるとかきつそうだとか休みが少ないとか（ちなみに今バイトしている会社はドライバーも年間休日120日厳守だそうだ）いう理由でそこにある仕事に応募しない、ってことも多いんじゃないのかな。見栄を捨てて本気で何が何でも稼ぎたいと思えば、とりあえず40代以下なら何かしら仕事というのはあるような気がするがどうなんだろう。そういえば母親仲間に宅配便会社で配送のバイトしてる、と話した時に「えー、すごーい」と言われたことがあるが、いったい何がすごいのか自分ではさっぱり分からない。仕事を持っている母親なんて当たり前だし。女だてらに力仕事、というイメージ？確かにそうだが女なのでとりあえず20kgの物を持って20m移動できれば一応勤まる。これぐらいならたいていの女性にはできると思うのだがどうなんだろう。あまりにも重いとドライバーさんが持ってくれるし台車もあるし。このご時世に仕事が見つかるなんてすごい、という意味？でもこういう仕事ってそんなに応募は無いと思うのだが。よくわからん。確かに事務のパートで土日祝休みで9時から2時で時給850円、なんて条件だととんでもない倍率になる、と聞いたことがある。1人募集したら150人の応募があったとか。仕事でいろんな会社や商店に重い荷物を運んで行くと、この寒い中でも事務所内は暖かく、化粧も服装もきれいにしている事務の人に「あ、そこに置いといてください」なんて言われると確かにこの人たちは事務パートのものすごい倍率を勝ち抜いたんだろうな、と一瞬ちょっと羨ましいような気分にはなる。足腰痛くないんだろうな、とか（笑とはいえ、この時期でもジャンパーの下は半袖Tシャツ1枚で仕事してられるのって健康的だよなあ、抜け道裏道も覚えられるし筋力も付くし、体力的にはきついかもしれないけど人間関係のきつさは無いし、と結構喜んでもいたりしているんだから、結局自分の場合事務でなくて正解か。

  2010.12.16

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• おとどけものでーす

  お歳暮シーズンのみの短期のバイトって、実はなかなか楽しい。自分はドライバーじゃないので車を止める場所などいちいち心配しなくていいし、荷物を持ってあちこちに行くと結構な運動量になる（体脂肪率が落ちた。現在胸筋筋肉痛）。ドライバーさんは基本的に同じ人なので、何日か一緒に仕事をしているとだんだん馴染んできて雑談も楽しい。今日びの宅配便の正社員のドライバーさん、特に若い人は、一昔前とは違ってずいぶん礼儀正しくなっている。ドライバーさんは営業も兼ねているし、会社はお客からのクレームには神経を尖らせているので、あまりにも態度が悪いと宅配便のドライバーは勤まらない（とはいえ古株のドライバーさんの中には、まだこういう人が生き残っていたんだ、とびっくりするような人が一部いたりすることはある）。今回のバイト先では10年以上前、5年ほど前と2回バイトしたことがあるのだが、10年前当時のドライバーさんがまだ大勢勤めているのにちょっと感心した。ざっと見た感じ、5割は10年前に既にいた人、5年前からいた人となると8割弱ぐらいか。こういう業界ってかなり人の出入りがあると思っていたが、この会社、定着率は良いのかもしれない。もちろん運送業なので現場はそれなりに荒っぽいことは荒っぽいのだが、別に取って食われる訳でもない。普通にやることさえやっていれば文句は言われない。気楽といえば気楽なものだ。細かいことをいちいちチェックしなくてはならない事務仕事よりも、自分はこっちの方がずっといいや。仕事はシンプルだしパンプス履かなくてもいいし（笑このバイトやってて何が一番楽しいって、荷物を受け取る人が嬉しそうな表情を見せることかな。玄関のインターホンに向かって「宅配便でーす」って言うと、皆さんいそいそと出て来るし、嫌な顔する人っていないんだよねえ。赤の他人といえども人の嬉しそうな顔を見るのって、自分の精神衛生にも良いんだな、とつくづく思う。

  2010.12.07

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• 職業適性検査って一度受けてみたい

  まだ小学校に上がる前、母親が仕事で車に乗ってあちこちに出かけるのについていくのが好きだった。別に面白いところに行く訳ではなく、行き先はいつも得意先とか取引先とか銀行とか。たまに店に寄って買い物をすることもあったがそんなことはほとんど無い。しかし子供にとって全然面白い場所や物珍しい風景でなくても、とにかく車に乗っているのがとても好きだった。母と他愛無いお喋りをすることもあったと思うが、車の窓から町の景色を飽きもせず眺めていた時のことが今も記憶に残っている。今や自分で車を運転できるし、現在はバイクに乗ってもいるのだが、それでも実は自分で運転するよりも誰かの車に乗せてもらう方がずっと好きだ。自分で運転すると、当然だけどどう動くか自分で予想がつく。他の人が運転すると、次にどこで曲がるか、どこでブレーキ踏むか、ということが自分では予測がつかない。それが楽しい。どこに連れてってくれるのか、というわくわくした気分に近いものがある。電車に乗るのも好きだが電車に乗るのと車に乗るのとではちょっと、というか大幅に違う。電車の風景は常に一方向にしか流れないし通るルートは一定だが、車は速度も動き方もルートも一定していない。たとえ決まりきったルートがあっても、ちょっとした変更はいつでも加えられるという潜在的な自由度は基本的に担保されている。なので、車に乗るが自分では運転しない、という仕事が実は結構好きだったりする。配送助手とかバスの乗降調査とか営業助手とか、その手の「運転席の横にいる」系のバイトはかなり好きで、以前バスの乗降調査のバイトをした時にはバイトが終わるのが嫌なほどだった。年末を控えて、今その手の「運転席の横」系のバイト中。どっちかというときつい部類だが精神的なストレスはほぼ無い。楽しくて仕方ない、という訳では無いけど、かなり気楽に働いている。肉体労働系のバイトはもともと嫌いではないうえに運転席の横。オフィス勤めよりもこっちの方が正直言ってずっと性に合っている。なんというか、自分の適性って結局こういうのなのかも、と思う今日この頃。

  2010.12.02

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• ついついいろいろやっちゃう年末

  スーパーはいつもより1時間早い開店。朝一で買い物に行く。大晦日の明日はおそらく恐ろしい混雑になるだろうと予想し、突然思い出した買い忘れがあれば別だが、基本的に買い物に行かないつもりで生鮮食品などを購入。寿司刺身は食べないので特に困らない。洗濯掃除はのんびり休憩をとりながら、嫌にならない程度にしかし徹底的に。明日はトイレと床のみ。夜は干し椎茸を冷蔵庫戻しにし、黒豆の下準備。黒豆は著名な料理研究家、故・土井勝氏のレシピで、最初から調味料全てを加えた熱湯に黒豆を一晩浸けてあとはゆっくり煮る、という簡単な方法なのだが、ほぼ失敗無くしわの無い柔らかな黒豆ができる。息災で迎えられた平和そのものの年末で、これはこれで悪いことは無い。来年はうちにも変化がある。息子は1月いっぱいで塾を止めて通信に切り替えることになったし、私は復職を目指す。予期せぬ変化もあるかもしれないし、こんなご時世だと世の中何が起きるか分からない。平和で息災、というのは簡単なようでいて得難い貴重な状態なのだろう。いや、本来人間も病気や戦や天変地異に何の手立ても持てなかった時代、平和で息災、なんていう状況はとても貴重で有難いものだったはず。してみると、平和で息災というのは人として望み得る幸福の中でもかなり極楽浄土的な状況だったんだろうなあ。それなのにあれもしたいこれも欲しいと自分の煩悩は無くならない。108じゃ済まないだろう。罰当たりなことだ。来世は畜生道か地獄だな＿|￣|○

  2009.12.30

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• もうすぐ2年生のはずだけど

  去年の4月にこんな日記をアップした。切なる願いでもあったのだが、現実というやつはそうそう理想のようにはいかない。去年4月に入学してもうすぐ2年生になろうという1年生の現状を報告することにする。新入児童が、入学前に家庭でちゃんとできるようにしておいてほしいこと。1）自分の持ち物は自分で出し入れする、片付ける。→出し入れはできる。片付けはゴミ屋敷タイプと几帳面タイプに分かれる。　男子にも几帳面な子はいるし、「片付けられない女」もいるので男女差無し。2）チャイムは学校の合図。勉強する時間や休み時間を知らせるもの。　どのチャイムがどんな意味を持つか、注意して聞ける。→クラスの5％が理解していない、あるいは全く無視する。3）先生が話している時は先生の方を向き、話している事を聞く。　先生の指示には従う。→クラス担任の力量にもよるが、10～90％（←笑。どこのクラスだ）ができない。4）トイレは休み時間に行く。授業中どうしても我慢できない時は先生に言う。→これが学年末段階で全くできない子がクラスの5％存在する。5）授業中は勝手に立って歩かない。周りの子と勝手なおしゃべりをしない。→おしゃべりはともかく、勝手な立ち歩きが何度注意されても治まらない場合、　何らかの問題が存在する可能性がある。　心配な時には躊躇わず担任やスクールカウンセラーに相談するのが吉。　年齢が高くなればなるほど万が一何かしらの問題があった場合の対処が難しくなる。6）授業中椅子に座っている時は、膝を前に向けてそろえ、ちゃんと腰を下ろす。　ずり落ちたり椅子に正座したり背もたれに足をかけたりしない。→普段家でいかに行儀が悪いかよく分かる、と呆れ果てるほどの子が10％。　それほどでなくても、落ち着きの無いのは3割に及ぶが大半は男子。7）他の人のものを勝手に触ったり使ったりしない。→さすがにほぼ全員がクリアしている。　どうしても触りたがる子の中には、何らかの心理的ストレスがある場合も。8）登校時刻、下校時刻を守る。遅刻しない。勝手に帰らない。→これが全く守れない子は、経験から見て何らかの障害のある可能性が高い。9）人を叩いたり蹴ったり、嫌がることを言ったりしない。→男子の大半と女子の一部が該当する。　高学年になっても克服できない問題のひとつ。10）勉強に使う持ち物、教科書やノート、鉛筆は毎日準備して持ってくる。→自分だけでやるのは、今時の1年生だとよほどしっかりした子でない限り無理。　手伝う必要はないが、ちゃんとやっているかのチェックは欠かせない。　連絡帳や筆箱は特に要チェック。ランドセルの中身点検は定期的に。11）登下校の時寝そべったり、車道に飛び出したり、他の所に行ったりしない。→だいたいこういう事をするのは特定の子で、たいていの子は全くやらないが　やる子はずっとやり続ける。叱ろうが諭そうが何しようが止まらない。　車に轢かれたり、犯罪に巻き込まれたりしないのが奇跡だといつも思う。12）給食の準備や後片付け、掃除などがちゃんとできる。→給食の方はできる。　しかし掃除は、ほうきで掃く、雑巾を絞る、ちりとりでゴミを取るという動作が　全く、あるいは上手にはできないという子が大半。家庭で全く経験が無いから。　13）自分で着替えられる。→これは全員できる。ただ、保護者の方に是非お願いしたいのは、特に女子で　自分で脱ぎ着できない服を学校に着て行かせるのは止めていただきたい。　自分で着られない、脱げないというのは本人にとっても大変だし、時間の無駄。　同様に、特に体育のある日の帽子がかぶれない髪型や、すぐ解けるような髪型は　子供にとって厄介な問題になる。自分で自分の身の始末がつけられないうちは、　おしゃれは学校の外で、と考えてほしい。14）困ったことがあったら自分で先生に言う。泣くだけでは分からない。→今の子は昔に比べてずいぶん幼くなったなあ、と思うのは特にこの点。　なんでもすぐ先生に言いつけに来る子は、自分もトラブルメーカーだったり　子供同士で上手く関われない子だったり大人に構って欲しがっている子が多い。　また、普段はぎゃあぎゃあ大声を出していても、いざちゃんと人前に出て　話をしなくてはならなくなると、とたんに蚊の鳴くような声になる子も多い。　全体的に見て、クラスメートとの関わりが下手くそな子が増えている。15）玩具や漫画など、私物、特に遊び道具類は絶対に持ってこない。→さすがにこれはほとんど無くなっているが、私も見つけ次第没収し、下校時まで　本人には絶対返さないのが知れ渡っているからかもしれない。16）箸やスプーン、鉛筆が正しく持てる。→これはひどい。本当にひどい。鉛筆がちゃんと持てるのはクラスの半分程度。　箸に至っては、ちゃんと持っているのはクラスの2割そこそこではないか。　給食の食べ方も、茶碗を持たず犬食いの子が大半。　気がつくたびに注意はするが、これはやはり家庭での教育が必要な場面だろう。17）数字と具体的なものの数が結びついている。→これは知的に何らかの問題がない限り、まず問題なくできる。この春入学のお子さんがいる保護者の方はどうか参考にしていただきたい。学校だけじゃ指導しきれないのが現実というか、家庭でそう教わっていないと学校でいくら指導しても結局子供の身に染みないのである。いやほんと、学習指導より生活指導の方にしょっちゅう時間とられたりしてるし。そんな事やってると学習指導どころじゃなくなってしまう。結果、学習時間が短くなる、学ぶべきことが十分に身に付かない、学力低下、やる気が無くなる、生活がだらしなくなる、生活指導…というスパイラルになる。くもんとか塾とかより前に、まず生活がちゃんとしているのがほんとに大事なのだ。

  2009.03.09

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• 年度末

  いよいよ今年度もあと1ヵ月。ロボット氏も担任のすげ替えという最悪の事態になることは避けられたが、管理職がとっかえひっかえ遠慮会釈無しにロボット氏のクラスに入り込むという情けない状態のまま何とかここまで来た。ロボット氏が不在の1日、私が暫定担任となり、他にも管理職や学年主任の先生が次々にロボット氏のクラスに入り込み、がんがん締め上げまくった。その結果、その日だけはクラスがぴしっと締まり、休み時間が終われば全員着席し、授業中は立ち歩きはおろか私語もほとんど無く、話をすれば顔がみなこちらを向き、教室にはゴミひとつ落ちていないし机も椅子もきちんと並んでいた。元々ポテンシャルの高いクラスではあるので、全員がちゃんとしさえすればまるっきり別の超優秀なクラスのようである（爆「あのクラス、担任がいない方がずっといいクラスだよねえ」と関わった教員が異口同音に同じ事を言うので笑ってしまった。無論翌日ロボット氏が戻ってくると元の木阿弥になったのは言うまでも無い。ロボット氏がクラスをまとめられない以上、他の者がいくら彼のクラスに入って子供たちをきちんとさせても、結局のところその場限りの指導になってしまう。ロボット氏1人になればあっという間にクラスは崩壊しまくっているのだから。という訳で、最近では他にマンツーマンで対応しなくてはならない子もいるのでそちらの方の仕事が中心になり、ロボット氏のクラスにはあまり入っていない。というか、入っても仕方が無いという諦めもあり、また学年主任も「いいよ行かなくて。だって、本人から何の働きかけもレスポンスもないんだから」と言い放っているので、クラスの状況が目に余る時に首謀者をつまみ出したり説教食らわせたり喧嘩の仲裁に入ったりする以外、関わることは少なくなった。自分も契約更改の季節である。単年度ごとの雇用契約なので、4月からまた契約のし直し。その前に一応面接（世間話になる可能性大）やら作文やらをこなし、採用の連絡をもらうという作業がある。これが3月上旬から中旬にかけて。今年度はチームにロボット氏という史上最強（破壊力が）のメンバーがいた訳だが、幸い他のメンバーが仕事のできる楽しい人たちだったし、管理職も強圧的ではなく、総合的に見てなかなか楽しい年度だったと思う。で、4月からまた新しいメンバーと組んでの仕事が始まる訳だ。今度はロボット氏のような強烈なのがいないことを祈っている。というか、少なくとも今いる他学年の同僚たちを見渡してもあそこまで強力なのは私が見る限りいない…いや待てよ、1人いるけど組む可能性はかなり低いな。なので、来年度は同僚に関しては結構期待している（がどうなることやら）。ああ、しかしもしかすると年度始めあたりに腹をかっさばく可能性があるのだな。その可能性もちゃんと考慮しとかなくちゃ。エコーやCTを撮って専門医の方に回ることになったら管理職にも根回ししておこう。良性悪性の可能性も含め、いろいろ段取りを考えておかなくては。とりあえず3通りぐらいシミュレーションしておけば用は足りそうだ。

  2009.02.27

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• ディスレクシア

  ディスレクシア（識字障害）の子供への対応は、非ディスレクシアである者にとっては実際のところなかなか難しい。自分は字が読めるので、読めない、あるいは読んでもそれを理解できないという状況がどうにも実感できない。それでも少し近いのではないか、と想像されるのは、韓国語を習い始めてハングルを覚え、一通り何とか読めるようにはなったもののまだ一文字ずつを追って「えーとこれはma」、などとやっている時にいきなりひとまとまりの文を渡され、さあ読んでみなさい、と言われた状況みたいなものか、ということである。ハングルを追って発音するのに必死で、自分がその時どんな意味の言葉を発しているか全く分かっていない。あとで思い出そうとしても思い出せない。そういう事態が母国語に起きていれば、本人にとっては苦労以外の何者でもない。日本は識字率の高い国であり、通信ツールもメールなど文字情報が少なくない。耳で聞けば理解できることが、文字で表記されているがために理解できなければ学校であれ職場であれ著しく不利になること間違いない。識字障害の教師の書いたものを読む機会があった。それを読んで、早速自分が担当するディスレクシアの子に役に立ちそうな準備をその子の担任と協力してやってみた。1つめは、教科書の文章を全てスラッシュで単語毎に区切ることである。文節ではなく、おおよその目安として単語で切るのがポイント。「ぼくはきのうどうぶつえんにいってぞうやきりんをみました」を、「ぼくは／きのう／どうぶつえんに／いって／ぞうや／きりんを／みました」ではなく、「ぼく／は／きのう／どうぶつえん／に／いって／ぞう／や／きりん／を／みました」と切る方が読みやすいという。確かに、音読させると相変わらず拾い読みではあるが、意味を理解したうえでの読み方に変化しているな、と感じた。というのも、それまでは全てが棒読みだったのだが、知っている単語は正しいアクセントで発音できるようになっていたからだった。そうとは知らなかったので実はかなり驚きなのだが、実際にその子に訊いてみると「ぼく／は」の方が読みやすいし意味も少し分かるようになった、と言う。なるほど、やっぱり当事者でないと分からないことってあるなあ、と感心する。もう1つは、18×6cmぐらいの画用紙の真ん中に、教科書の活字の大きさに合わせて長さ13cm幅1.2cmぐらいの長方形の穴を開けたものを用意した。文を読む時、そのスリットを読む行に当てると、読むべきところだけが見えて、その前後の行が見えないので、読むべき行だけに意識を集中することができる。ディスレクシアの人にとっては、たくさんの字が何行にもわたって並んでいるとそれぞれの文字が干渉しあって重なったり反転したりしているように見えたりする。それでなくても文字を読み取るのに恐ろしい労力をかけてやっと読んでいるのに、文字が文字ではなく意味のない模様の羅列にしか見えなくなってしまうのだそうだ。1行しか目に入らなければ、少なくとも他の行からの干渉は防げるし、どこを読んでいるか見失うことも大幅に減る。その子に使わせてみたところ、やはり「こっちの方がずっと見やすい」と言うので、早速このスリット用紙を進呈した。使ってもらえれば有難い。字が読めないハンデはこの先更に大きくなるだろう。しかし、だからといって努力すれば人並みに読めるようになるという訳ではない。それはもうどうにもならない事実である。ならば。願わくばその子の周囲にはいつもディスレクシアについてちゃんと知っている人がいて、その子の持っている識字以外の能力を伸ばすための手助けがありますように。

  2009.02.20

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• クローズアップ現代

  今日の特集は「才能を開花させよ～どう支える発達障害児～」であった。自分の仕事とも絡むテーマだったので、真剣に見入ってしまった。イギリスの例と日本の現状を取り上げていたが、イギリスやアメリカなどでは発達障害への教育面での対応は日本に比べると総じて手厚い。無論地域差や学校間での差はあるものの、日本に比べればシステムもノウハウもかなりしっかりしていることは知っていたが、予算のかけ方に驚いた。７千億円。そんだけありゃああの子にもこの子にも彼らの能力に応じた個別対応ができるのに、と職場の現状を考えて暗然とした気分になる。職場の現状。発達障害、もしくはその可能性の高い子は全児童のうち約9％。そのうち特別支援級でトータルな支援教育を受けている子は1/4弱。残る3/4は通常級に在籍し、継続的な支援や経過観察の対象にはなっているが、障害に対する支援はまとまった形では受けていない。私の勤務先にいる特別支援コーディネータは障害児教育のエキスパートで、非常に有能な人である。彼女がいるからとわざわざ他学区から引っ越してきた人もいる。しかし、彼女が日常対応しているのは特別支援級に在籍している子供たちであり、普段はその子供たちへの対応で手一杯で、通常級に在籍している発達障害、あるいはその可能性が高い（要するに診断を受けていない）子供たちまでは彼女の手は回りきらないのが現状である。彼女がそうした子供たちへの対応として実際にできることは、クラス担任から上がってきた発達障害の疑いのある子を実際に見て、どう対応していくかを担任と相談しながら具体的なクラスでの支援の計画を立てたり、専門家に繋いだり親と相談したり、というのが精一杯である。結果として、通常級在籍の発達障害の子達への対応は担任と学年付きの先生、それに養護教諭や管理職などが行うのだが、当然ながらそうした子達の専属ではなく、自分の本来の業務の空き時間や片手間に対応するしかないのが目下の現実。そしてもっと問題なのは、特支コーディネータは個人の資質に負うところが大きく、学校によって全く対応が異なることが珍しくないということ。私の勤務先のコーディネータは優秀な人だが、他の学校では全くお粗末な人がやっている、などという事実を知ると、それはすごく拙いだろうが、と思うのである。また、校長教頭や担任が特別支援教育に全く無関心という言語道断な話もある。どこの学校に行っても、障害のある子がそれぞれの特性に合った形でケアされるのが大前提であって欲しいと思う。これは研修とか教員養成という形で職員数とその質（←これ大事）を確保する必要がある。となるとやはり先立つものは金、という話になり、それでなくとも文教予算の削減の折、ますますお先真っ暗な気分になるというもの。もうひとつの問題点は、発達障害の可能性のある子の保護者の考え方。自分の子に他の子より遅れているところがある、障害がある、という可能性を示唆されて親としては当然心穏やかではいられない。いられないが故に、専門機関や病院での診察や相談を受けてみては、と提案しても少なからぬ保護者がそれを拒否する。今は学校側の一存で子供を支援級に入れたり養護学校に入れたりすることはできない。また、在籍級を替えるほどではないケースの方が圧倒的に多いのだが、診断を受けると元のクラスにいられないのでは、と不安になる親御さんは少なくない。本当なら早い段階で気付けば、障害の特性に応じ、その子に合ったやり方を使って学習していくことでハンデを小さくすることができるはずなのにそれができず、結果としてクラスに上手く適応できなくなったり、勉強についていけなくなって不登校になったり、クラスでのいじめの対象になったり、問題行動を起こしたりする例が自分が実際に見る限りでも一つや二つではない。その一方で、親御さんがコーディネータの勧めに従って専門機関で診断を受けた上で、どんな形で支援していくか担任やコーディネータ、その他の職員で相談し、親御さんの了解を得た上で、苦手な科目を静かな場所でゆっくり個別に見ていき、ロールプレイングで行動の仕方を学んで、自信を取り戻し学力差も縮まった子もいる。（その子は通常級に在籍のまま、変則的に一部教科で取り出しをする、という形を取った）実際に現場で辛い思いをしている子供たちを見ている者として、心からのお願い。もしかしたら、と不安なら、保護者は世間体だの子供にこうあって欲しいという理想をとりあえず脇に置いて、なるべく早く何らかの手を打って頂きたい。そして、もし発達障害という診断を受けた場合、一刻も早くお子さんに合ったメニューを在籍する学校のコーディネータや担任と相談して作り、受けさせてあげてほしい。在籍する学校のコーディネータや担任が使えない奴だったら、なおさら子供が大変。そんな時には、学校ではなく専門の相談機関や教育委員会などありとあらゆるルートで自分の子供がどうするのが一番良いのかを、大変だけど是非探っていってもらいたい。この世界で自分の力で生きていかなくてはならないのは他ならぬ子ども自身。我が子の力を卑下もせず買い被りもせず、現実を把握した上でその子に合った道を親が他の協力者と一緒に探す、という心積もりであってほしいと思う。

  2009.02.10

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• あと実質約50日

  度々のロボット氏ネタの垂れ流しに些か忸怩たるものはあるのだが、どうかご容赦。もちろん3学期になったからとて彼の状況が好転するはずもなく、学級崩壊継続中。とはいえ、この時期寒いので教室の戸が締め切られていて、大騒ぎは外に聞こえない。しかし教室に一歩入れば朝の会の最中だというのに教室の後ろでは数人がプロレス中、お絵描きに夢中でロボット氏の話など聞いちゃいない子がクラスの半分、あとは隣とお喋り、あるいは立ち歩いて他の子の席に出向いてのお喋りと相変わらず。先日ロボット氏のクラスの前を通りかかった時、全校自習タイムだったにもかかわらず独楽回しで何人かが教室の後ろで遊んでいたので、こりゃロボット氏が教室に不在で勝手に立ち歩いて遊んでいるのだろうと思い、教室のドアを開けるなり「こら今何の時間だ、あんたたちその独楽没収だよ、よこしな」と叫んだ。と、ストーブ近くにロボット氏が腰を下ろして足を組み、本を読んでいるのに気付いた。内心、何だいるのかよ、と一瞬動揺したがしかし今更後に引く訳には行かない。独楽回しをしていた奴らから独楽を没収し（ロボット氏に対しては「嫌だ」と言うが、私にはそれを言っても無駄な事を彼らはよく知っていて素直に渡してくれる。笑）、職員室に持ち帰った。この時間は全校が自習タイムって決まっている。どのクラスもドリルとかやってて、このクラスでもやってる子はやってるんだから、やってない子がいるなら注意しなよ、とロボット氏に言ってやりたいのはやまやまなのだが。しかし、彼にそう言っても多分無駄であることは分かる。「彼は子供の頃から他人との関わりが苦手で友達もほとんどいなくて、高校でやっと数人友達はできたけど、大学でもやっぱり人付き合いはほとんど無かったんだって。人と接するのが苦手だし、人に注意するとか指導するとかいうことも苦痛だから、そういうことを支援に入ってくれる先生にやってもらえると助かるって言ってたよ」と先だって管理職から聞かされた。そもそもそういう性格の人間が一体全体何故教師になる、という根本的な疑問は本人以外周囲の同僚全員が持っていると思うが、とにかく今は現状を少しでもまともな状況に近づけなくてはならない。彼にできなければ私や管理職が乱入だ。という合意があったので、私がロボット氏を差し置いてクラスを仕切るのはいいらしい。それなら遠慮なく暴れさせてもらうよ。生活指導担当かな（笑しかし、ロボット氏自身も大変なことは大変らしい。夜眠れなかったり、ストレスで軽い鬱状態になったりしているという話を聞いた。ある意味仕事の手を抜きまくり努力しなかった彼自身の教員の仕事をなめた態度が今の結果を引き起こしているのだから、同情の余地は無いといえば無いのだが。そんなプレッシャーのせいか、最近ロボット氏が固まっている姿をよく見る。休み時間も、職員室にも校庭にも行かず、自分の教室の片隅に座っている。そう思うのは私だけかと思ったが、同僚も「あれ、自分の教室に引きこもってるよねえ（笑」などと酒の肴にしている。3学期、実質あと50日ぐらい。その間に、ロボット氏が来年度に向けて自分自身の処遇にどういう結論を出すのかに目下各方面から関心が寄せられている。

  2009.01.16

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• もういくつ寝ると冬休み♪

  などという能天気なタイトルとは裏腹な深刻な事態。2学期末である。この時期、漢字は30字ほど、カタカナはたぶんカリキュラムにもよるが学校によっては全部、少なくとも半分ぐらいは既習というところだろうか。算数は20までの数の繰上り繰下がりが終わり、完成している時期。ロボット氏のクラスで、カタカナがほとんど書けない子が6人いることが判明した。漢字がほとんど書けない子が7人、ひらがなも半分以上書けない子が少なくとも2人。教科書の音読が拾い読み、という子が5人（一部メンバー重複）。やややややばい。クラスが崩壊しているだけならまだしも（ぜんぜん良くはないが）、学力まで他のクラスと明らかな差がついてしまっているのは拙くないか。他のクラスはポテンシャルこそロボット氏のクラスより下であっても、上記のような学習上の問題を抱えている子は、何らかの障害の可能性がある子を除けば最大でもほぼクラスの1割程度という状況である。なのにロボット氏のクラスは子供たちのポテンシャル自体は高いのにこの状況。こうなってしまうと、問題はほぼ担任の力量によるところが大きいと言わざるを得ない。ロボット氏もできない子を把握していない訳ではないようだが、その子たちへの対処を全く考えていなかったというのが問題である。確かに面倒な話ではあるが、今やらずにどうする、放っておけないだろうということで独断でカタカナの書けない子達を指名し、休み時間にカタカナの指導をした。ロボット氏の補佐は嫌だが、こういう子を相手にするのならいくらでもやる。「あの子たちどんな様子でした？」と自分が本来見るべき子供たちの様子をとうとう最後まで訊ねることもなく、PCに向かって黙々とキーボードを打つロボット氏。そういう人だとはもう重々分かってはいても、「自分のクラスの子なんだからきっちり最後まで学力をつける責任はわしにやらせず自分で取れや」とつい胸倉掴みたくなる。いかんいかん、穏やかに穏やかに。それにしても、非常勤が勝手に教材作って指導していいのだろうか。厳密に言えば、本当は職務内容をとっくに超えているから実はヤバいんだろうなあ。

  2008.12.16

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• 怪我の功名というか何と言うか。

  体調不良の名残がしつこく続く。年のせいか、すっきり治らず引きずるようになった。今は咳がひどく、多少息苦しさがある。何かの拍子に咳き込むとひとしきり続く。その影響もあってか、この数日声がひどいことになっている。まるでオッサンだ。同僚が「すごい声だねえ」と褒めてくれる（違ゆえに、仕事中も大声が出せない。だもんで、注意する時はするすると静かに本人の傍に近寄って「座りなさい」などと言う。すると言われた子はドスの利いた声にぎくりとして慌てて席に戻る（笑それにしてもこの声になってから何だか皆妙におとなしく言う事を聞くのである。別に怒鳴ったり怒ったりしている訳ではなく、あくまで静かに言ってるのだが。自分の方針として「ダメなものはダメ」とある一線から先は絶対に子供に妥協しないので、私には逆らうだけムダであると子供たちは知っている。それでもそう簡単に収まらないこともよくあるのだけれども、今は何故か収まってしまう。しかし思うに、これは当然声がオッサンだからじゃなくて、声が出ないが故に当事者のすぐ傍に行って「あなたのことだよ」と直接本人に知らしめるからであろう。遠くから言ってるだけでは、言われている本人が自分のことだと自覚しにくい。一対一の立ち位置で言われりゃさすがに自分のことだと本人も気付かざるを得ない。こちらも大きな声を出さずに済む。フットワークは必要だが。これは結構良いやり方だと気付いたので、声が戻ってもこの方針で現場に臨む所存である。まさに怪我の功名だなあ。ちょっと違うか。ひょうたんから駒か。いやこれも違う気がする。

  2008.11.26

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• 思わぬ効果

  この仕事に就いて3年目。業務の都合上毎年同じ学年を担当しているので、どの時点でどんな問題が起きるか、作業の手順はどうすればスムーズにいくか、子供が分からないのはどんなことなのかなど予想がつくので、あまり困ることなく対応できるようになってきた。2学期後半、1年生の学習の最大の山場である繰上がりの足し算・繰下がりの引き算の時期。いつもここで少なからぬ子供が苦戦を強いられる。ここでの最重要ポイントは「10の補数」と「9までの数の合成と分解」なのだが、意外とこのことは知られていない。もし繰上がり繰下がりの足し算引き算で苦戦している子供がいたら、1）「8と□で10」「□と3で10」といった10になる整数の組合せを（「0と10で10」も含め）完全に覚えさせる。2）「5は2と3」「1と8で9」など、合計が9までの2つの数の組み合わせを徹底的に練習する。ものすごく地味な内容だが、これをマスターすれば足し算引き算のクリアまであと一歩。これらは実は九九のように暗記するぐらいでも良いと思っている。この段階で躓く子には少し難しいかもしれないが、もし余力があれば実は「5と1で6」「5と2で7」など、5との組合せの数が考えなくても出るよう覚えてほしい。指を使って数えるのは構わない。しかし、「9－6」の計算をする場合指を9本出してそこから6を引くのだが、その時に1本ずつ指を折らないと6が引けない子供が少なくない。6が5と1であると知っていれば、一気に片手の5本指を折り、あとはもう1本折れば良い。そうすると途中で指の折り方を間違えて答えが違ってしまうという心配が少なくなる。とまあこんな事を毎年毎年やっていると、恐ろしいことにどうやらこれが今時流行りの脳トレになっているのか、最近暗算が以前より速く正確にできるようになっている。足し算引き算のみならず、掛け算割り算もスピードが上がった。ついでに息子の難しそうな文章題を解くのに付き合っているうちに、要素を整理し筋道だてて物事を考える訓練になったのか、40歳になった頃に比べるとあれこれ考えるのがずいぶん億劫でなくなった。文章題に付き合うというのは論理的にモノを考える訓練になっているのかもしれないと思う。小学生の算数といえどなかなか馬鹿にはできない。昔に比べるとどうも頭の回転が悪くなった、ともし感じることがあるなら、小学生向けの計算ドリルの数をこなしたり難しめの文章題をじっくり考えたりすると結構効果があるのではないだろうか（ただし続けなければどうにもならない）。もし可能なら、子供に教えつつ自分も必死でやるというのが一番楽しいかもしれない。

  2008.11.07

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• いやあ、やっぱ毎日が真剣勝負っすよ。

  10月以降職場にいる時間が長くなっている。夏休み前はほぼ定時で出ていたのだが、9月から次第に残っている時間が増え、今は定時を1時間ほどオーバーすることが少なくない。理由は心当たりがないでもない。ロボット氏の問題が職場全体の問題として顕在化してくると同時に居残りが増えた。どうフォローするか、ということを同僚や管理職と打ち合わせる必要があるからである。また、入学から半年が過ぎて学習面でさまざまな問題が明確になってくる時期であり、どんな形で自分が関わるかについても担任との打ち合わせが必要になってきたこともある。いずれにしても、非常勤だから時間になったらさようなら、という訳には行かない。10と4で14になる。6から3取ると3になる。17－6＝11。こういうことが全然分からない。ひらがなが書けない。拗音が読めない。カタカナとひらがなの区別がつかない。漢字の読みがひらがなと同じように1音しかないと思っている。教科書の文章は拾い読み。チャイムが鳴ったら椅子に座る、ということができない。時間割に合わせて教科書やノートを持ってくることができない。筆箱には折れた赤鉛筆が1本しか入っていない。何かというとすぐ暴力をふるう。何度言っても体操服や鍵盤ハーモニカを家から持ってこない。このあたりは親にも問題がある場合がある。とまあこういう子たちを担任と一緒にフォローするのが仕事である訳だが、こういうのも担任の適切な観察や判断あっての私の仕事である。行動だけを見ると問題がある子でも、原因をいろいろ探っていくうちに家庭での問題が根本にあると分かるケースも少なくないので、一概に切り捨てられない。むしろ、そういう子ほどきちんと認めてやることが肝心だったりする。あるいは発達障害など医学的な原因が考えられる場合もあるので、見極めが必要になる。真剣に子供と付き合わないと、見えてこないことはたくさんある。ちなみにロボット氏のクラスは他クラスの担任と私との合議でフォローを考えている（笑昔はデモシカなどと揶揄されたこの業界ではあるが、現在は人間観察や臨機応変な対応ができないと、少なくとも真剣にそれをしようとする努力ができないと全然勤まらない。今も何か勘違いしている人物がこの業界には結構存在しているのは確かだが、昔に比べるとその割合は減少していると内部で見ていて思う。少なくとも私の同僚はみんな（除く一部。←しつこい）「毎日が真剣勝負」でやっている。こういう業界って即結果が見えるようになるもんじゃないから難しいよねえ。

  2008.11.05

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  手探り

  子供の世界に関わる人の間で最近ようやく広く知られるようになった「発達障害」。しかし、その内実はまさに千差万別で、ADHDやアスペルガーや高機能自閉症やLDと多彩な分類がなされている。更に何かしらの診断名がついたとしてもその現れ方は子供によって実にいろいろであり、共通する部分も多いが問題となる点はそれぞれ異なる。実はこの世界に入るまで、言葉と大まかな概念は知識として知ってはいたが、現場で実際にそういう子と接してみて初めてこれは知らないじゃ済まされない、と痛感した。徒手空拳で立ち向かうには、あまりにも複雑にして繊細、かつ広大な世界だからである。子供のありようもその保護者の姿勢や考え方も実にバラエティに富んでいる。子供の抱える問題が小学校に入学してから明瞭な形で見えてくる場合がある。LD、特にディスレクシアである。ディスレクシアはトム･クルーズが抱える障害として多少世間に知られるようになったが、それがどんなに本人にとって困難な状況であるか、本人の実感には遥か及ぶべくも無い。ただ、傍から見ていてもおそらくとても辛いだろうと想像はつく。文字が音と繋がらない。「ほ」と「は」の区別がいつまで経ってもつかない。「ちゃ」「ど」が全然読めない。文章は指で字をたどりながらの逐字読みで、発音はできるが何を読んでいるか意味は全く理解していない。ハングルが少し読めるようになって新聞を音読してみたが意味はさっぱり分からない、という状況に近いかもしれない。既に書いてある式の計算はできるが、式を自分で書くのは困難である。文が読めず意味が取れないので文章題が全くできない。まだ診断は受けていないが、この子はおそらくほぼ間違いなくディスレクシアだろう、と担任は判断していた。担任は特別支援担当ではないが、こういった発達障害について研修を受けたり本を読んだりしているので、この子の問題には早くから気付いていた。まず保護者に話し、その後相談しながら診断を受け支援を考えるという方向を探っていた。このケースでは、親や子供からのSOSの前に教師が気付いた、というパターンである。自分自身が現場に関わるようになって、こういうことって本当に担任の考え方ひとつで早い段階からその子のニーズに合った支援をしていける場合もあれば、明らかに何らかの支援が必要であると思われるのに、担任が単なる躾の悪さや性格であると見過ごし、学校生活が難しくなってしまうケースもあったのを目の当たりにしてきた。それでも、最近の教師は発達障害の知識がかなり一般化してきているので、関心の度合いに濃淡はあっても「発達障害？何ですかそれ」みたいな対応は減っているはず。むしろ教師の側で発達障害を疑っていても、それを決して認めたくない保護者にどう伝え、支援方法を一緒に考えていくかが難しくなっている。多くの親や教師が、子供の抱える問題を軽く考えたり放置したり知ろうとしなかったりする。それは世間体であったり面倒だったり事実を直視するのが嫌だったりするからだが、ならば一番しんどい、そしてこれからの長い人生を生きる子供の立場はどうなるのだろう。まず保護者、そして子供と関わる仕事に携わる全ての人に発達障害を知ってほしい。その上で幼稚園から大学院、更に塾や予備校まで、およそ教育関係者と名のつく人々、特に学校の教師は全員発達障害に関する詳しい内容及び対処・指導法を学ぶべきである。なんとなれば、発達障害の子が傷付き辛い思いをするのは第一に学びの場だからだ。学校を出て就職すれば更に辛いことが待っているかもしれない。しかし、ニーズに合った教育と進路指導で社会に出てからの辛さを軽減することは可能だ。そういった面からも、学校現場での発達障害の知識は全職員が共有すべき情報である。できない子をただできない、頭が悪い、躾が悪い、努力しないとレッテルを貼る前に、その子に何らかの問題が無いか、きちんと見ることはたいへん重要である。世の中の親御さんたちや先生方、「手を焼く子」をちゃんと見てますか？子供がディスレクシアという状況を生きることが如何に大変か。この本が出た当時と状況は多少変わりつつあるだろうが、困難であることには変わりが無いはず。ディスレクシアに関する入門書。発達障害全般に関する簡潔にして非常によくまとまった一押しの１冊。

  2008.07.25

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• 当人に当事者意識が欠けてるってことか。

  暑い１日だったが、朝晩は結構涼しい。カエルも鳴いている。まだ本当の夏ではない。上からロボット氏のクラスが学級崩壊に近い状況であるという話を聞く。私が入り込んで締め上げている（笑）時はそんな感じはないのだが。他の先生を手本に自分がやっていることはそんなに特別なことではないと思っている。教室全体を見回り、授業を聞く準備のできていない子には個別に注意をして最後までやらせるようにするし、叱る時には叱るべき子だけに対して心底叱る。いい加減とか態度の悪いのは絶対に見逃さない、と４月の段階で悪ガキに叩き込んだ。やるからには徹底的にやるが、ちゃんとする子はきちんと見てほめる、という感じでメリハリのある指導をするよう心がけてはいる。普段叱り飛ばしまくっている悪ガキどもに限って纏わり付いてくるので、こういうのは悪ガキ対応モードなのかもしれない。というか、悪ガキに限って結構叱ってもらいたい、構ってもらいたい、というのがあるような気がするのだが。特に難しい専門的な事をやっている訳ではない、と思う。当該校種の免許は無いし。とにかくいくら悪いやつらでも、実は自分は今持っている子供たちがかなり好きなのだ。要は陳腐な表現ではあるが、愛だよ、愛。管理職が言う。「ロボット氏はさあ、子供たちへの愛が薄いっていうか通り一遍なんだよねえ」ああ、なるほどなあ、と腑に落ちた。まさしくそうだと思う。ここんとこ上からの介入が日を追ってきつくなっているので、ロボット氏なりに子供に厳しくしようとしているのは分かるのだが、とにかく教卓に陣取って「静かにしろ！」と怒鳴っているだけ。そりゃ私も全く同じこと言って怒鳴るけど（笑腹の底から声が出てないから、ロボット氏が怒鳴ってもさっぱり静かにならない。というか、誰に対して言っているのか分からないから子供たちは当事者意識がない。しかも、怒鳴りっ放しなのでもうBGMみたいになってしまって効き目がない。見かねて私が教室に乗り込む。教室をぐるりと見回し、「ちょっとあんたたち、」というところで少し騒ぎが治まる。私と目が合って慌てて席に戻る奴らがいる。「先生が静かにしなさいって言ってるのが聞こえたか？聞こえた子は手を上げな」ぱらぱらと手が上がる。「手の上がってないのは聞こえてなかったってことか？こら、佐藤（仮）、こっち向け」しーん。「よし、今はちゃんとみんな聞いてるな？OK。じゃあ先生の話を聞け」と退場する。しかしこうやって文字に起こすと私って結構怖いな（笑いや、でも普段は結構優しかったりギャグ飛ばしたりしてるんだけど。同じチームにもっと怖い同僚がいるので、そっちの方が印象強いみたいだし。ちょっと前にもロボット氏のやり方でおいおいそりゃないだろ、と感じることがあってよっぽど言おうかと思ったが、しかし多分この人に言っても意味が分からんだろうな、と思って直接言うのを止めた。私だけでなく、上司の意見もろくに聞こうとしない（返事だけはするが）ので意見する同僚が明らかに以前より少なくなっている。放置プレイだな。教員の指導力不足で「同僚がどうしてサポートしないのか」という意見を度々目にするが、サポートしようとしても本人がそれを受け入れる気がなければサポートのしようがない。周囲の問題であることもあろうが、本人の問題であることだって少なくないはずだ。とはいえ、子供たちの不利益になるようなことは放ってはおけない。幸い同僚がそういうことをさらりと伝えるのが上手いので、何か意見のある時はその同僚を通してロボット氏に言ってもらう、ということにした。それにしても。普通の神経の持ち主ならそういう雰囲気ってかなり辛いんじゃないかと思うのだが。ロボット氏、結構平気というか全く何も悩んでない感じなんだよなあ。ロボット氏はやはりロボットなのだろうか。

  2008.07.02

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• 自問自答自縄自縛

  学校なる場所に入ってきた子供たちは、まあ要するにいろいろである。野生児、世の中を舐めたガキ、優等生、緊張しまくっている子、心ここにあらずの子、中年の哀愁が漂う子、気は確かか？と訊きたくなる奴、実に個性的で見ていて非常に面白い。しかし、学校では非常に個性的な言動はあまり歓迎されない。1人ないし2人の大人で集団の子供に物事を教えなければならない。（教えるのは国語や算数だけでなく、生活習慣や集団のルールなど多岐に渡る）一人一人の相手ではなくまとまった人数を教える以上、教室内の秩序をキープする必要がある。1人の勝手な言動は教師の授業を妨害する。私語や立ち歩きは注意する、先生の話を聞くよう促す、列を作って歩く時にはみ出す子供を列に戻す、教室に入らない子を探す、といった仕事が特に低学年ではかなりのウェイトを占める。目下私の主要業務である。こういうのは日本の学校では当然必要な指導である。集団できちんと行動できる子供、というのが学校現場では歓迎される。集団の中でちゃんとやれない子というのは先々苦労することになるだろう。この仕事を始めて以来、ずっと頭の隅から離れないことがある。ルール違反やマナー違反は大人になってから生きるうえで問題になるので、結構厳しく注意するというか早い話が遠慮なく叱り飛ばしている。そこにはジレンマはない。しかし集団の中でうまくやれない子を無理に誰かと一緒にして遊ばせるとか、人前で話すのが苦手な子を教室の前に出して発表させたりとか、学校に来るのが嫌で親と一緒にいたいと思っている子を学校に来させたりとか、そういう「自分で分かってはいるけどどうにも出来ず嫌いなこと」をどこまでその子供に無理矢理やらせるべきか、非常に悩ましい。無理にでも子供にさせれば、苦手なことも克服できるようになるかもしれない。無理にやらせることで却って嫌になるかもしれない。嫌なものは嫌なのは確かだが、だからといって逃げていてもどうにもならない。嫌なのには理由があるのだから、無理強いされても好きにはなれない。単なる自分勝手で嫌なのかもしれない。何か心の底にどうにもならない理由があって嫌なのかもしれない。さて一体何が良いのだろう。そんな事をあれこれ考えると、「嫌だ」という子供にどう付き合ったら良いか、その間合いというか自分はどこまでできるか、程度を考えあぐねてしまう。そして、終いには混乱し何だかどうでも良くなってくる。良くない兆候だ。結局そういう部分での判断は正規の職員の方に任せて、私は判断を停止したまま要請に従い行動する。なんかこういうのってヤバい。どっかで見たことあるよなあ。70年ぐらい前の日本とか。やっぱり考えなくちゃいけないのだな、と思い直す。考えてどうなるものでもないのかもしれないけれど、思考停止はおそらく罪だ。もしかしたら良くないかもしれないことに無批判に加担するという意味で。自分にできることには限界はあるが、せめて「嫌だ」という子供の気持ちを無視することはしないようにできるかもしれない。嫌だ、という子供の言い分を聞けるかもしれない。何も考えず言われたとおりの事をするよりもマシかもしれない。それも単なる自己満足なのかもしれない、と思うと足がすくむ。けれども、何かしない訳にはいかないのだ。この仕事ってそういう仕事だ。そういう意味で、本当に難しいと思う。たぶん何年やってもそう感じる気持ちはなくならないだろうな。

  2008.04.16

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  声

  私事ではあるが、この数日扁桃腺炎とそこから来る咽頭炎で声が出ない。高熱はない（扁桃腺で食い止められているらしい）のであまり辛くないが、声はとにかく通常モードだと囁き声しか出せない。電話に出ることすら困難である。しかし。自分の仕事を考えると、声を出さないというのはMission Impossibleだ。声が出ない以外には仕事を休む理由もないので、出勤しているのだが。職場に実際に立つと、声を出さないなどと言っていられない。最初は囁いていたものの、すぐに声を絞り出さねばならない事態が生ずる。すると、風邪気味の変声期男子がカラオケで3時間熱唱した翌朝の如き、聞く限りでは完全に性別の判断が不可能な胴間声が出てくる。ある意味インパクトは絶大で、聞くと誰もがぎょっとした顔で振り向く。そして異口同音に、「風任さん（もしくは先生）、声が変だよ」と言う。しかしこの声を出し続けるのは実はものすごく消耗することが判明した。幸い喉はそれほど痛くはならないが、それでも喉が腫れぼったいのでひとしきり声を出した後は咳き込んでしまうし、何より体がだるい。という訳で昨日はかかりつけのDr.Highbridge（仮名）のクリニックに行き、薬を都合7種類も処方してもらって、めでたく昨夜から薬漬けである。今日も相変わらず胴間声だが、昨日よりは多少マシになっている。一応Dr.Highbridgeの薬が多少なりとも効果を示しているのか。単に自然治癒が始まっているだけという気もしないでもないが。と思いつつ、さっきもざらざらと8個の錠剤カプセル剤を飲み込んだのだった。普段余り薬を飲まないし、酒も飲まないので薬が効きやすい体質である。明後日までに声が戻ると良いのだが（明日休み、明後日は出勤なのだ）。1人でいれば話すことなどないが、特に自分の仕事では勤務中は話さざるを得ない。元々話すのがすごく好きという訳ではない。気の合う人と馬鹿話をするのは好きだが、それ以外の時は静かにあらぬ想像力を駆使し、妄想に浸るか本を読む方が好きである。何が何でも話し相手がほしいとはあまり思っていない。昔中国北部を旅行していた時、全く日本人に会わない日々が2週間続き、久々に日本人旅行者に出会った時には日本語を一瞬忘れていた。それでも普通に平気だった。オフィシャルであればそれは我慢できるが、プライベートなのに感じの悪い相手と話すぐらいなら、半年黙りこくっている方が良い。職場では暴言の風任と周知されており、ある同僚からは「鬼の霍乱」と言われた。些か不本意だが、当たっているので致し方ない。自分の人格はいくつか用意されていて、ちゃんと使い分けているが、今の職場用人格は比較的素に近い方かもしれない。やっぱり鬼か（笑これを使って代わりに喋ってもらうというのもいいかも（良くないって

  2007.11.08

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• 終わった終わった

  今週は4日間ながら恐ろしく忙しいというか消耗する日々だった。非常勤の特殊なスタンスにあるにもかかわらず、今週は事情があって正職員とほぼ同様の仕事内容だったせいである。時間こそほぼ普段の枠内であったが、責任は重大。管理職や同僚、ボランティアたちのフォローもあったし、書類上は正職員が担当することになっていたが、実質私がメインの担当者だった。管理職も同僚も一杯一杯で忙しいのである。今日、職場を出て帰宅し、ようやくほっとしたのも束の間、同僚Aから連絡。私の担当クラスの保護者から明確な苦情ではないが問い合わせの電話があったので、事情をその保護者に説明して欲しい、というもの。早速連絡を取って事情を説明する。今後は注意して見守り、週明けに復帰する正職員の同僚Bにこの件を伝えて善処する、と話す。とりあえずこちらに対する苦情ではなくてほっとする。心配していた同僚Aにも連絡。非常勤としては少なくとも無能ではないと自負はしている。フットワークが軽いことと頼まれた仕事を選ばないことには自信あり（笑もちろん同僚も本来立場の弱い私を尊重してくれているから、ではあるが。非常勤を見下すような奴だったらサボタージュ間違いなし。自発的な仕事に関しては、やりたいのは山々だがとにかく同僚がメインなのでプロの仕事にはでしゃばらぬよう心掛けている。そういう意味でも今週はかなり思う存分地を出せたかもしれない。大変だったが良い経験だった。来週から本来の業務に戻る。しかし、そんな仕事じゃ物足りなくなってたりして…

  2007.10.05

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