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テーマ:ヨーロッパ旅行(4193)
夜のボローニャ。宵闇に浮かび上がる塔のシルエットがステキ☆ 塔にまつわるハナシはいろいろありますが、貴族たちの権力争いや血みどろの闘争のほかに、まるでロメオとジュリエッタを思わせる恋愛悲劇が残されていました。 時は13世紀。 ボローニャでは貴族たちの政党争いが激しさを増していて、なかでも1196年以来対立が続いていたガルッツ家とカルボネージ家は、公に一切の関係を絶つことを宣言し、激しい抗争を重ねていました。 当主はもちろん、家来たちにいたるまで対抗意識をむき出しにして、街角で顔を合わせれば小競り合いが起きるほど加熱していた両家でしたが、運命のいたずらでカルボネージ家のマラテスタ・カルボネージと、ガルッツ家の娘、ヴィルジニア・ガルッツィは恋に落ち、両家の親に隠れてひそかに結婚してしまいます。 しかし、大切に育てた娘を宿敵に奪われたと激怒したヴィルジニアの父親は怒り心頭。 2人の結婚を受け入れたふりをして、家に招きいれたマラテスタを惨殺してしまいます。 絶望したヴィルジニアは、父親が家の威信をかけて建設し、完成したばかりの塔の上から身を投げてしまったのでした。。。 この悲劇が起きたころのボローニャの町並みです。これほど林立していた塔も、現在では50本前後しか残っていないそうです。 舞台となったガルッツィの塔は、ボローニャ中心部、ちょうどサン・ペトロニオ大聖堂の裏手に現在も残っています。 こちらはフォード・マックス・ブラウンによる絵画「ロミオとジュリエット」。 この物語は、ボローニャの悲劇からおよそ250年後にシェイクスピアの戯曲として初演されます。ギリシャ悲劇が舞台となった、といわれていますが物語の舞台が13世紀イタリアで、ボローニャとはそう離れていないヴェローナであることを考えると、もしかして。。。なんてちょっと気になってしまうのであります とはいえ、ロメオとジュリエッタの話をそのまま現実にしてしまったようなお話に、愛と平和という、平凡な幸せが難しかった時代を思うとちょっと切なくなってしまいますネ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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