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筆、墨、硯、紙を古来中国で呼ぶ言葉。 流石にIT時代に突入して文字を書く機会はどんどん減っているので使うこともなくなってくる。印鑑やcardで済ませるので、文房具屋もその売り場も次第に片隅に追いやられて、机上に道具を並べ、凝った頃も懐かしいが生来の悪筆が限りなく続き判定不能の記号になりつつあるのは我ながら悲しい。字は人なり というように一層その人を際立たせてくれる。 江戸文字という歌舞伎文字の勘亭流、相撲文字の根岸流、寄席文字の橘流などは江戸文化の芸能によって今日まで続いており、伝統の美しさが偲ばれる。縁起もので、墨がかすれると、芸がかすれるというので飽くまでも黒々と濃く、右肩上がりで芸が上がるように、紙面一杯に書くのはお客が隅々まで一杯になるように、遠目でもわかるように大きくするという。 千社札や半纏や前掛の文字や芝居小屋で古典のその心意気を感じたい。