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テーマ:海外生活(7798)
カテゴリ:アメリカの生活情報
Baltimoreの次に向かった目的地はアメリカの首都であるWashington D.C.である。こちらでは国会議事堂、国立アフリカ系アメリカ人歴史文化博物館、リンカーンメモリアル、第二次世界大戦記念碑、ベトナム戦争戦没者慰霊碑、ホワイトハウスを見学した。全ては網羅できないと思うが、記憶が新しいうちにこちらのブログにも順次書き残したいと思う。 フィラデルフィアに帰る当日はバスの発着所であるUnion Stationに16時50分までに着く必要があった。友人とジョージタウンエリアでブランチを楽しんだ後、15時50分頃余裕を持ってUnion Stationに向かうことにした。ホワイトハウスあたりまでは順調に駅に近づいていたのだが、ホワイトハウス周辺で事件があったのか警察車両が道を塞いでいて大渋滞が起きていた。また、サンクスギビング休暇最終日ということもあって道路全体が混み合っていた。 時計に目をやるとすでに16時15分過ぎになっていた。流石に焦り出してバス運転手に今後の予定を聞いてみると”I want you to back away.(後ろに下がっていなさい)”としか言われない。Googleマップで調べてみると徒歩で27分と表示された。UberかLyftの選択肢も残されているがこの渋滞ではなかなか思うように進まないだろう。しかも、配車にどれほどの時間がかかるのかすらわからない。外は冷たい雨がしとしとと降り注いでいた。 さてどうするか。決断の時は迫っていた。このままではバスに乗り遅れて最悪の場合フィラデルフィアに帰れなくなってしまう。ここでずっと考えていても打開策はないだろうと判断し”I don’t want to get stuck here forever.”と呟きながら外に飛び出した。 走り始めた時にはすでに時刻は16時25分になっていた。雨が降りしきる中とにかく全力で走った。周囲はだんだん暗闇に包まれ街灯が点灯し始めた。予報は5℃前後となっていたが、雨と風の影響で体感はきっと2℃くらいだろう。ふとアカデミー賞を受賞したトム・ハンクス主演のForrest Gump (1994)という映画にも主人公がワシントンD.C.を全力疾走する場面があるのだが、走っている間ふとそのシーンが記憶の片隅から蘇ってきた。30代半ばになって雨が降り注ぐ中ワシントンの市街地を全力疾走しているアジア人がどこにいるだろうか。 幼少期のForrest Gumpは足が悪く友人からいじめを受けるが、足がとてつもなく速く、その特技を活かしてアメリカンフットボールを始めて大活躍をする。走りながら自分とForrest Gumpをどこか重ねていた。この旅がどのような結末を迎えるのか自分でも全く想像がつかない。しかし、とにかくForrest Gumpのように足が動く限り走り続けよう。きっと自分を信じて走り続ければどこかに辿り着くはずだ。Forrest Gumpの中で有名な一節がある。 “Life is like a box of chocolates, you never know what you’re going to get.” (人生はチョコレートボックスのようだ。何が得られるかわからない。) 16時46分にバスに飛び乗った。激しい息切れにバスの中の乗客から好奇の目なざしでみられた。気温差でメガネは一気に曇り始め周囲がよく見えない。気温は5℃以下のはずなのに身体中が燃え上がるような熱を帯びていた。座席についてようやく私は胸を撫で下ろした。こうしてトラブルに見舞われつつも3日間における旅は幕を閉じたのだった。バスは漆黒の闇に包まれた中ハイウェイをただただ進み続ける。座席横の窓に映る自分の顔を見つめながら再度ゆっくりとForrest Gumpの一節を口ずさんでいた。 “Life is like a box of chocolates, you never know what you’re going to get.”
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最終更新日
2024.01.15 21:33:48
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