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2003年06月28日
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カテゴリ:欧州
東欧のこと、プラハのこと

“東欧”という言葉、そして、とりわけ、プラハという地名に惹かれるのは、何故だろう。10代の半ば頃から、漠然とした憧れを持っている。中学生の自分は、プラハについて、具体的なことを何一つ知らなかったのは間違いない。地理や歴史の授業で習った何かが理由(原因)なら、具体的な言葉で記憶している筈だと思うのだが。この憧れの理由は、いまでも、判らずにいる。

ルチア・ポップ、エディタ・グルベローヴァを生んだ国、チェコ。

(厳密に言えば、二人のソプラノは、現在のスロヴァキア出身である。また、自分が中学生であった頃に存在した「チェコスロヴァキア」という国が、今も私の頭の中では存在し続けている。そして、現代の国名との正確な対比にならないのだが、「チェコ」という言葉で、僕は、チェコスロヴァキアを思い描きつつ、記している)。

映画『アマデウス』のロケが行われた、美しい街、プラハ。

そして、ヴルタヴァ。

春江一也 『プラハの春』 (集英社文庫)

一気に読ませる、作者の腕はたいへんなものだ。続く『ベルリンの秋』(同じく集英社文庫)も合わせると、4冊で2000ページほどになるが、全く退屈しない。作者ご自身が、あの1968年の当時、プラハの日本大使館に勤務されていた外務官僚であった方だからこそ描ける小説(勿論、ただ勤務していたから、といって書けるものではない。かの瀋陽事件での腰砕け官僚などには、絶対に出来ぬことだ)。

『ベルリンの秋』末尾の塚本哲也氏との対談で「劇画の世界を超えるような」「書けなかったこともいろいろ」あったと作者は語っている。

大部分の日本人(私をも当然含む)には、たとえば『007 ロシアより愛をこめて』などで描かれた、カリカチュアライズされた“東”しか想像できない。

北米在住中、ベルリンの壁が壊された、とのニュースを、実験室に置かれたラジオが伝えた。

それを我がこととして歓喜した同僚たち。
彼らの心情を理解できなかった、傍観者の自分。


高柳芳夫 『プラハからの道化たち』(講談社文庫)

非常に良くできたミステリ。
やはり、1968年の事件を題材に描いているもの。
音楽の分野では、チェコフィルのカレル・アンチェルがカナダに亡命し、ヴァーツラフ・ノイマンが後任の指揮者となった年。

10世紀前半の、ボヘミア最初の国王、ヴァーツラフ王。
14世紀に神聖ローマ帝国皇帝でもあったカレル4世(その名は、今もカレル橋に残る)。
こうした固有名詞は、私にとっては麻薬である。


杉山隆男 『きのうの祖国 東欧崩壊』
 (ちくま文庫[1999年(原著は1990年講談社刊)])
国の崩壊、東欧という世界の消滅という大きな事件の全体を語ることなど、不可能な作業だ。そもそも、全体を把握出来ている人間など、いる筈もない。とすれば、個々の事実の積み上げで描くほかはない。従って、本書の如き場合、各章で描かれた個人は、その人であって、同時に、同じ時代を生きた当事者の全体でもある。

同じ著者の『メディアの興亡』(文春文庫)も、力作。この本では、『きのうの祖国 東欧崩壊』とは違い、直接話法を効果的に使用して、臨場感を高めている。

林 忠行 『粛清の嵐と「プラハの春」』
 (岩波ブックレット[1991年])
難解な歴史を、平易な文章で記述してくれたもの。
高校の歴史の授業では、こういう素晴らしい本を使うべきであろうと思う。

2003/08/01 9:28:44

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岩崎 宏美 “Dear Friends”

今日、買ったCD。

「恋におちて」
学生時代に聴いたオリジナル、小林明子の英語が上手だったので、少々心配しながら聴きはじめたが、とても良い英語だ。満足。

「時代」
岩崎宏美は、高音の透明さが素晴らしいのだが、それを支えるのは、実は、低音の安定さであったということが改めてわかった。

「見上げてごらん夜の星を」
人間の声の素晴らしさを伝えてくれた。

2003/08/01 9:27:59





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最終更新日  2009年07月26日 10時28分58秒
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