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2004年02月29日
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カテゴリ:欧州
昨晩、NHK教育テレビのETVスペシャル『私は臆病者・ロシア人のプラハの春』を見た。

私は、ふだんテレビは殆ど見ない。つねに見る番組は、2つしかない。つまり、平日、朝食をとりながら見る、6時台のNHKニュースと、土曜日の朝の『美少女戦士セーラームーン』だけである。

なお、この事実は、私が制服というものに関して格別なる興味を持っていることを意味するものではない。念のために申し添えておく。セーラームーンを見ても、どれが誰だか判らなくて、毎回尋ねる父親に呆れた娘(5歳)が、最近、相手をしてくれなくなったので、必死に覚えようと勉強しているだけである。

さて、『私は臆病者』。

たびたび書いてもいるが、私にとって、プラハはまだ見ぬ恋人であるから、昨日は、朝から放送を心待ちにしていた。

ドキュメンタリー番組のなかには、作為が感じられたり、感傷に流れたりして、がっかりさせられるものもあるのだが(これが、私がテレビを殆ど見ない理由でもある)、昨晩の『私は臆病者』は、落ち着いた作りの、実に素晴らしい番組であった。

1968年、ソビエト軍がチェコスロヴァキアに侵攻した際に、そのニュースを聞き、赤の広場で抗議活動を行った、モスクワ市民たちの36年をたどったもの(昨晩、番組を見ながらとったメモを基にして、今書いている。不正確な部分もある点、御容赦下さい)。

タチアナ・バーエバ。
抗議活動から35年後、出演した番組で、同朋人に「(体制に反対した)愚か者」と言われても、「残念にも思うが、理解できる」と答える。

ラリサ・ボガラズ。
「自由は尊い。政治に興味は無い。抗議するか、黙っているかの選択を迫られた。黙ってしまうことは、自分に嘘をつくこと。チェコ侵攻をした政府と同様、自分への責任も免れない」

ゴルバネフスカヤ。
裁判記録を地下出版。逮捕され、精神病棟に収容されたという。
今もなお、パリで出版活動を続ける。
「どんな“すべき”も認めない」
「ひとりになることを、おそれない」

バーエバ、ボガラズ、ゴルバネフスカヤの姿が、私のなかでは、小説『プラハの春』のカテリーナ・グレーベのそれに重なる。

ワジム・デロネ。
フランスに逃れ、「モスクワよ、おまえをとても恋している。このノスタルジーから逃れることができない」と詠う。

そして、「私は臆病者」と詠う、詩人、キム。
抗議活動に参加した彼らの足跡を、35年を経た後にたどる。

なんと強靭な人々であろう。

一方、当時、彼らを「自分自身の利益のために行動した」と裁いた側の女性判事の、民主主義を否定する言葉が、なんと弱々しく聞こえることか(そう答えねば、過去の自分を否定することになるので、それ以外の発言は出来なかったのであろうが)。

重い内容を救ってくれたのが、番組のところどころに散りばめられた、木々の緑を写した場面であった。





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最終更新日  2005年03月11日 00時39分48秒
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